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アンデットの正体

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フォリー「以上で作戦概要の説明は終わりにします。質問のある方はいらっしゃいますか?」

ブルスコ「はい」

フォリー「お名前は?」

ブルスコ「ファーブルスコです。ファミリーモルスァラットに所属し、月刊誌ファミリーランドの記者もやっております」

フォリー「質問をどうぞ」

ブルスコ「フォリーさんはとても若くお綺麗に見えるのですが、この教会の神父さんと過去にファミリーを組んでいて、現在は御年が七十を越えているという噂は事実でしょうか」

フォリー「フェンリル。オヤツ」

ブルスコ「失礼しました」

ココア「狼のファミリアかっこいいですね」

ミルク「ブラウニーの方がかっこいいよ」

フォリー「他に質問のある方は?」

イチゴ「はい!」

ココア「バカ。大人しくしてなさい」

フォリー「イチゴちゃんどうぞ」

イチゴ「本当は婆ちゃんなんけ?」

ミルク「ダメだよ終わったよオヤツにされるよ」

イチゴ「気になるけ」

フォリー「事実よ。魔法で若さを保っているの。私は魔法を自身をより美しく魅せる以外には使わないわ」

たかし「答えたぞ」

しげる「子供には滅法優しいらしい」

フォリー「そこ、私語は慎んで静かにしなさい。私は早く帰りたいのです」

イチゴ「はい!」

フォリー「イチゴちゃんどうぞ」

イチゴ「静かにします!」

フォリー「よろしい。では最後に、アンデットについて新しい情報を交えておさらい致します」

ココア「これも、ちゃんと聞いてメモしますよ」

ミルク「うん」

フォリー「アンデットにはどうやって変異するのでしょうか。答えてココアさん」

ココア「え?私ですか?」

フォリー「あなた以外にいるかしら?さ、答えてください」

ココア「えと。ノアーウイルスによる感染です」

フォリー「たいへん結構。しかし、それでは足りません」

ココア「黒魔術師が魔改造したノアーウイルスによる感染です」

フォリー「よろしい。黒魔術師は自然に在るノアーウイルスを死体の中で培養し、邪悪な遺伝子情報を人為的にプログラムして魔改造しています。この魔改造ウイルスは生きている物に感染しても無害で、やがて生体の免疫の働きによって排除されます。ところが、死体に感染することでアンデットへと変異させます。ココアさん」

ココア「え、はい」

フォリー「アンデットへ変異する過程を簡単に答えてください」

ココア「ウイルスは細胞に引っ付いてウイルス工場にしてしまいます。それで、ウイルスが増えて、死体がアンデットに変わって動き出します」

フォリー「よろしい」

ミルク「よく答えられるね」

ココア「図書室の本を読んで勉強していますので」

フォリー「彼女の言うように、侵入した魔改造ウイルスが死滅した細胞の残骸を材料にして増殖、そして自身を複製することで死体はアンデットへと変異します。そうしたウイルスの細胞へのハッキングをシャットダウンする、満七歳に接種が義務付けられている様々なウイルス感染症を予防する薬が既にあるのはご存じでしょう。それと同じ新薬の研究が継続して進行中です。ではココアさん、続けて感染経路を答えてください」

ココア「新鮮な死体の体内へ入った時です」

フォリー「まあよろしい。魔改造ウイルスは、空気感染を除いた感染経路で新鮮な死体へと感染します。アンデットが野生動物と接触する自然的なケースがあれば、黒魔術師が魔改造ウイルスを人為的に死体へ注入するケースもあります。ところで、魔術師によって魔改造されるノアーウィルスとは一体何か?ココアさんはお分かりですか?」

ココア「……あの」

フォリー「素直にはっきりと答えてください」

ココア「分かりません」

フォリー「結構、分からないことは分からないと答えてよろしい。ではよく聞きなさい」

ココア「はい」
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