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悪い子のところへサンタは来ない

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ミルク「イチゴ。そろそろ出掛けるよ」

イチゴ「はーい」

ミルク「あれ、珍しい。部屋が片付いてる」

イチゴ「お利口さんじゃないとサンタさんは来てくれんけ」

ミルク「それで慌てて片付けたんだね」

ココア「少し誤魔化してもダメです。毎日お利口さんじゃないと来てくれません」

イチゴ「えー。サンタさん来てくれんのけ?」

ココア「来ません」

イチゴ「せっかくお片付けしたのに……」

ミルク「来るから。ほら行くよ」

イチゴ「本当に?」

ミルク「ほんと。ココアがまた意地悪言ってるだけだから気にしないでいいよ」

ココア「意地悪だなんて」

イチゴ「行くぞ!」

ミルク「うん!行こう!」

ココア「良かったですね。アンデットのいないお仕事で」

ミルク「ボランティアだけどね。お世話になってるしやるっきゃないよね」

イチゴ「何をすんのじゃった?」

ココア「セイントタワーの一階の広場にあるクリスマスツリーの飾り付けです」

イチゴ「面白そうじゃ」

ミルク「うん。私の家はツリーなんてなかったし本当に楽しみ」

イチゴ「幼稚園にも、あっちこっちにもツリーがあったけ、わしは何回も飾り付けしたことがある」

ミルク「いいなあ。ココアの家はもちろんあるよね」

ココア「ありません。食事の時にお祈りするくらいで、サンタさんも来たことありません」

イチゴ「それで、わしに意地悪言うたんか」

ココア「別に、そういう訳ではありません。私は、そこまで酷い人じゃないです」

ミルク「優しいお友達」

イチゴ「優しいお友達じゃ」

ココア「うえー気持ち悪い」

神父「みなさん。準備はよろしいですね」

イチゴ「バッチらグー!」

ミルク「似合ってる?」

神父「よく似合っております。そのサンタさんとお揃いの衣装」

ココア「けど、恥ずかしいです」

神父「シスター達が繕ってくれました。喜んであげてください」

ミルク「これ手作りなの?」

神父「そうですよ。夜なべして繕ってくれました」

イチゴ「鍋パーティーええなあ」

神父「ほっほっほっ」

ミルク「サンタさんみたいな笑い方」

神父「鍋は食べておりません。夜遅くまで頑張ってくれたと言う意味です」

イチゴ「そういうことけ」

ココア「それならば、もっと大事にします」

神父「感謝や感想は、向こうで彼女達に直接伝えてあげてください」

ココア「シスターさん達はお先に?」

イチゴ「スープじゃろう」

神父「はい。コーンスープを配るので、その準備の為に先に行っております」

ココア「それもお手伝いします!」

イチゴ「わしも!そうしたらサンタさん来るじゃろう!」

神父「必ず来るでしょう」

ミルク「今日も忙しくなりそうだけど、みんなで頑張ろうね」

イチゴ「おー!」
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