67 / 115
怪楽園
しおりを挟む
ミルク「楽園て呼ばれてるってシスターさん達に聞いたよ!」
神父「困ったシスター達ですね」
イチゴ「わしらも行きたい!」
神父「私ひとりに任された仕事ですので、同行を許すことは出来ません」
ココア「楽園、と呼ばれるからには危険なところではないのでしょう」
神父「皆がそう噂しているだけで」
イチゴ「仕事の邪魔はせんけ行きたい!」
ミルク「セイントタワーもなくてアンデットもいない、平和な島なんでしょう」
神父「そうなのですが、そこは独自の自治が許されている場所で、つまりは世界から外れた場所なのです」
イチゴ「分かるように言って」
神父「向こうには向こうのルールがあって、どんな危険があるのか分からないのです」
イチゴ「楽園なのに?」
ミルク「おかしいよ」
神父「外から見れば楽園に見ても、中に入れば楽園かどうかは分かりません」
イチゴ「トイレがないとか?」
神父「うーん、まあ、かも知れません」
ミルク「トイレくらいあるでしょう」
神父「そうだといいのですが」
ココア「ダメな理由をハッキリ仰ってください。納得出来ません」
神父「君も行きたいのですか?」
ココア「はい。海が目の前にある都市は数少なく、しかも高いところにありますので、海に囲まれている小島はとても珍しく興味があります。それから」
神父「それから?」
ココア「アンデットが昔からいない。つまり、昔と変わらない生活をしているはず。これは、とても勉強になると思うのです」
神父「なるほど」
ミルク「ちょー勉強したい」
イチゴ「わしも勉強する」
神父「ダメです」
ココア「何か隠し事があるのでしょう」
神父「それは……」
イチゴ「女の勘は当たるぞ」
神父「分かりました。ハッキリ伝えておきましょう」
イチゴ「何じゃ」
神父「誰にも内緒ですよ」
ミルク「内緒にします。約束」
神父「一度しか言いませんからね」
ココア「どうぞ」
神父「黒魔術師の本拠地の可能性があるのです」
イチゴ「黒魔術師の……何じゃ!」
神父「秘密基地ですよ」
ミルク「そうだったの!」
神父「かもね、ということで危険なのです」
ミルク「じゃ、やめておきます」
イチゴ「行くぞ」
ミルク「話を聞いてた?」
イチゴ「神父さんはヒューマンじゃけ、魔術師がいっぱいいたら死んじまう」
神父「死なない死なない死にましぇん。もしもがあっても大人だから平気です」
ココア「お爺さんじゃないですか」
神父「お爺さんと幼い孫娘では、どちらにせよ敵いません。島民は六百人を越えます」
ミルク「きっと大丈夫。二人は強いもん」
イチゴ「ブラウニーもおるぞ。力を合わせれば逃げられるはずじゃ」
ココア「私達はファミリーです」
神父「うーん、これは困ったことになったぞ」
イチゴ「わしら、おとなしくしとるけ」
神父「出来るかなあ」
ミルク「怖いけど、それでも行ってみたい。海をちゃんと見たいの」
ココア「私達はユーエフオーの窓からしか海を見たことがないのです」
神父「はあ……分かりました」
ミルク「良かった」
神父「一泊しますので荷物をまとめておきなさい。明日の朝は早いですよ」
イチゴ「今日は三人で寝るけ、寝坊はせん!」
ココア「一応言っておきますけど、嘘ついて置いてけぼりにしたら怒りますからね」
神父「神父さんは嘘をつきません」
イチゴ「神に誓って!」
神父「神に誓って約束しましょう」
イチゴ「決まり!」
ココア「ねえ神父さん、日焼け止めはいるでしょうか?」
神父「あった方がいいけど。あの、勉強する気ある?」
ココア「あります!」
ミルク「ちょーヤル気!」
神父「海は浅いところしか行っちゃダメですよ。浮き輪はなしです」
イチゴ「えー」
ミルク「しょうがないよ」
イチゴ「うん。そうじゃね」
神父「綺麗な貝殻が落ちていると思うので、それを拾って持って帰るのはどうでしょう」
ミルク「ナイスアイディア!ちょー最高!」
イチゴ「蟹がおったら持って帰ってええ?」
神父「ダメです」
イチゴ「えー」
ミルク「しょうがないよ」
イチゴ「うん。そうじゃね」
ココア「魚釣りは?」
神父「ダメ以前に絶対に無理でしょう。いたいけにパチャパチャしてなさい」
ココア「分かりました」
ミルク「しょうがないよ」
イチゴ「うん。イケイケでパチャパチャしよう」
ココア「いぇーい」
神父「仕方ない。仕事が終わったら魚釣りを一緒にやりましょう」
ココア「神父さん大好き!」
イチゴ「イケイケじゃ!」
ミルク「楽しみにするね!」
神父「守りたい笑顔……!常夏の太陽より眩しい!」
神父「困ったシスター達ですね」
イチゴ「わしらも行きたい!」
神父「私ひとりに任された仕事ですので、同行を許すことは出来ません」
ココア「楽園、と呼ばれるからには危険なところではないのでしょう」
神父「皆がそう噂しているだけで」
イチゴ「仕事の邪魔はせんけ行きたい!」
ミルク「セイントタワーもなくてアンデットもいない、平和な島なんでしょう」
神父「そうなのですが、そこは独自の自治が許されている場所で、つまりは世界から外れた場所なのです」
イチゴ「分かるように言って」
神父「向こうには向こうのルールがあって、どんな危険があるのか分からないのです」
イチゴ「楽園なのに?」
ミルク「おかしいよ」
神父「外から見れば楽園に見ても、中に入れば楽園かどうかは分かりません」
イチゴ「トイレがないとか?」
神父「うーん、まあ、かも知れません」
ミルク「トイレくらいあるでしょう」
神父「そうだといいのですが」
ココア「ダメな理由をハッキリ仰ってください。納得出来ません」
神父「君も行きたいのですか?」
ココア「はい。海が目の前にある都市は数少なく、しかも高いところにありますので、海に囲まれている小島はとても珍しく興味があります。それから」
神父「それから?」
ココア「アンデットが昔からいない。つまり、昔と変わらない生活をしているはず。これは、とても勉強になると思うのです」
神父「なるほど」
ミルク「ちょー勉強したい」
イチゴ「わしも勉強する」
神父「ダメです」
ココア「何か隠し事があるのでしょう」
神父「それは……」
イチゴ「女の勘は当たるぞ」
神父「分かりました。ハッキリ伝えておきましょう」
イチゴ「何じゃ」
神父「誰にも内緒ですよ」
ミルク「内緒にします。約束」
神父「一度しか言いませんからね」
ココア「どうぞ」
神父「黒魔術師の本拠地の可能性があるのです」
イチゴ「黒魔術師の……何じゃ!」
神父「秘密基地ですよ」
ミルク「そうだったの!」
神父「かもね、ということで危険なのです」
ミルク「じゃ、やめておきます」
イチゴ「行くぞ」
ミルク「話を聞いてた?」
イチゴ「神父さんはヒューマンじゃけ、魔術師がいっぱいいたら死んじまう」
神父「死なない死なない死にましぇん。もしもがあっても大人だから平気です」
ココア「お爺さんじゃないですか」
神父「お爺さんと幼い孫娘では、どちらにせよ敵いません。島民は六百人を越えます」
ミルク「きっと大丈夫。二人は強いもん」
イチゴ「ブラウニーもおるぞ。力を合わせれば逃げられるはずじゃ」
ココア「私達はファミリーです」
神父「うーん、これは困ったことになったぞ」
イチゴ「わしら、おとなしくしとるけ」
神父「出来るかなあ」
ミルク「怖いけど、それでも行ってみたい。海をちゃんと見たいの」
ココア「私達はユーエフオーの窓からしか海を見たことがないのです」
神父「はあ……分かりました」
ミルク「良かった」
神父「一泊しますので荷物をまとめておきなさい。明日の朝は早いですよ」
イチゴ「今日は三人で寝るけ、寝坊はせん!」
ココア「一応言っておきますけど、嘘ついて置いてけぼりにしたら怒りますからね」
神父「神父さんは嘘をつきません」
イチゴ「神に誓って!」
神父「神に誓って約束しましょう」
イチゴ「決まり!」
ココア「ねえ神父さん、日焼け止めはいるでしょうか?」
神父「あった方がいいけど。あの、勉強する気ある?」
ココア「あります!」
ミルク「ちょーヤル気!」
神父「海は浅いところしか行っちゃダメですよ。浮き輪はなしです」
イチゴ「えー」
ミルク「しょうがないよ」
イチゴ「うん。そうじゃね」
神父「綺麗な貝殻が落ちていると思うので、それを拾って持って帰るのはどうでしょう」
ミルク「ナイスアイディア!ちょー最高!」
イチゴ「蟹がおったら持って帰ってええ?」
神父「ダメです」
イチゴ「えー」
ミルク「しょうがないよ」
イチゴ「うん。そうじゃね」
ココア「魚釣りは?」
神父「ダメ以前に絶対に無理でしょう。いたいけにパチャパチャしてなさい」
ココア「分かりました」
ミルク「しょうがないよ」
イチゴ「うん。イケイケでパチャパチャしよう」
ココア「いぇーい」
神父「仕方ない。仕事が終わったら魚釣りを一緒にやりましょう」
ココア「神父さん大好き!」
イチゴ「イケイケじゃ!」
ミルク「楽しみにするね!」
神父「守りたい笑顔……!常夏の太陽より眩しい!」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた! 〜仲間と一緒に難題を解決します!〜
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
異世界転生した主人公が、仲間と共に難題に巻き込まれていき、頑張って解決していきます
詳細説明
ブラック企業に勤めているサトーは、仕事帰りにお酒を飲んで帰宅中に道端の段ボールに入っていた白い子犬と三毛の子猫を撫でていたところ、近くで事故を起こした車に突っ込まれてしまった
白い子犬と三毛の子猫は神の使いで、サトーは天界に行きそこから異世界に転生する事になった。
魂の輪廻転生から外れてしまった為の措置となる。
そして異世界に転生したその日の内に、サトーは悪徳貴族と闇組織の争いに巻き込まれる事に
果たしてサトーは、のんびりとした異世界ライフをする事が出来るのか
王道ファンタジーを目指して書いていきます
本作品は、作者が以前に投稿しました「【完結済】異世界転生したので、のんびり冒険したい!」のリメイク作品となります
登場人物やストーリーに変更が発生しております
20230205、「異世界に転生したので、ゆっくりのんびりしたい」から「異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた!」に題名を変更しました
小説家になろう様にも投稿しています
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャららA12・山もり
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる