64 / 115
雨が好き
しおりを挟む「はぁどういうことだよ・・・ですか?」
「すまん。気が回らなかった」
「いえ、すみません。篠原さんが悪いわけじゃないのは解っています。事情の説明をお願いします」
いつもの店員の女の子がお茶とお絞りを持ってきてくれた。
(ナベさんって・・・。あんな冷たい目つきをするのですね)
(あぁ仕事の話をしていると、時々な)
奥で店長と店員が話しているが、それどころではない。
「・・・。あぁ、会社の副社長は知っているよな?」
「えぇどっちもよく知っていますよ」
「そうだな」
「それで、"ろくでもない"方ですか?」
「あぁ息子の方だ」
真辺の会社は、中堅どころのシステム会社だ。今の副社長の親が立ち上げた会社だ。今の社長は、そのときの右腕だった人がやっている。温和な人で人望もある、経営者の視点もしっかり持っている。真辺の様な売上に直接貢献しない部署でも必要性を感じて維持している。副社長は二人いて、一人は立ち上げ時に入社した人間で現場の事をよく知っているし、業界内にも顔が聞く。開発から営業に移動したが、今は営業部のトップをやっている。
問題は、もう一人の副社長だ。先代の息子で、当初は大手電話会社系SIerに勤めていたが、先代がなくなってから、会社を継ぐと言い出して、戻ってきた。株主や役員の猛反対にあって、社長にはならなかったが、先代の社長が残した伝手やSIerの伝手を期待されたという建前を、専務が上手く利用して、副社長の地位にとどまっている。
仕事は、できる方の副社長にすこし劣る位だから問題はない。重要な案件に関わらないようにさせておけばいい。
この副社長の問題は、人格面にある。協力会社を子会社扱いしたり、リベートを要求したり、セクハラまがいな事を平気で行ったりしている。ちなみに、前回の案件で原因を作った、優秀な営業は、この副社長が優秀だからと元の会社から引き抜いてきた者だ。
そんなクズだが、数名の役員や株主を抱き込んでいるので、処断する事が難しい。専務や開発部の部長が派閥を形成している。切ってしまってもいいが、その時に、抱き込まれた役員や株主や専務と部長たちがどう動くのか解らないために、うかつに攻撃できない。
「は・・・それで、なんで、白鳥は、馬鹿にアタックしたのですか?」
「白鳥が、副社長の元の会社の上司だったようだ」
「・・・。終わったな。事情は解りました。断れなくなったって事ですね?」
「すまん。ナベに連絡した後で、副社長から連絡があって、『白鳥さんの所の仕事、受ける事にしたから、潰さないでいる赤字部署がすこしは稼いでくれるのなら、営業も嬉しいだろう』だってさ」
「篠原さん。解りました。うちの部署は5月で解散って事でいいですか?」
「待て、早まるな」
「だって、赤字を垂れ流す部署ならない方がいいでしょ」
「だから、待て。お前の部署が必要なのは、副社長以外みんなが理解している。赤字を垂れ流しているなんて思ってない。だから、早まるなよ」
「はやまりませんよ。部下たちの再就職が終わるまでは、机の中に入っている”辞表”は出しませんから安心してください」
「だから、待て!!」
「・・・。はぁそれで、篠原さんとして、私に提供出来る、妥協点はどの辺りに有るのですか?」
「それを今からナベと話がしたい」
「・・・。解りました。ようするに、成るようになれって事ですね」
「・・・。すまん」
昼飯を食べてから会社に戻って、会議室に入った。
そこで妥協点を探す事にした。
まずは、入札に関わらせる事。これは絶対条件だ。決定権をよこせと言ってもいいかもしれない。その他の妥協点を列挙していく。
平均単価は、160/月として残業清算ありとし、現場常駐はしない。月末締め翌10日払い。ようするに、『言い値』を払えという事だ
納品物は作業報告書のみ。毎週の定例ミーティングの開催と必ず白鳥氏/片桐氏は出席する事。出席出来ない場合は、白鳥氏の上司に当る人物が出席する事。
開発人員は、SIerが手配する事。
行う業務は、プロマネとQA対応 及び 会社間の調整。試験の確認及び導入サポート。
契約は3ヶ月とし、延長は双方話し合いで決める。
これでは向こうがGOを踏むとは思えない。そんな条件だ。
なんか文句言ってきても、これでなければ受けられないと突っぱねる事が出来る状態には持っていきたい。
副社長は、社長に言って止めてもらうしかない。
「わかった。これで交渉してみる」
「たのみます。俺は、明日から実家の街に帰りますから、1週間は連絡が出来ないと思って下さい」
「携帯も・・・だな」
「えぇ田舎ですからね。つながっても電波の状況が悪いでしょう。すぐに切れてしまうのは間違いないです」
「・・・。わかった、社長や白鳥氏には、そう説明しておく」
「頼みます」
「ナベの所からは、何人くらい出す?」
「そうですね。俺入れて、4人って所でしょうかね?待機させておかないと不味そうな雰囲気が有りますからね」
「悪いな。ナベ以外の3名は?」
「医療関係だからな・・・石川と小林と井上かな、余裕があったら、山本を出すかな。ネットワーク関連でも揉めそうだしな」
「わかった、それじゃナベ入れて4~5名って話をする。予算感で決めると言っておく」
「頼んます」
会議室を出て、家に帰宅した。
駐車場代金が3,000円と高く着いたのが地味に苛ついた。
真辺には帰る実家がない。
実際には、田舎はあるが、帰っても、遠い親戚がいるだけだ。
両親はすでに他界している。両親の父親も母親も早くに亡くなっている。
妹が居たが、子供の時に他界している。ようするに、本当に天涯孤独の身なのだ。
家に着いてから、ホテルの予約を入れる。
いつものスパが空いていたので、そこに連泊する事にした。真辺の実家まで、東名高速を使って2~3時間。SAやPAに寄りながら帰るのが好きなのだ。
ガソリンを満タンにして、首都高から東名高速に入っていく。
一応、いつも持ち歩いているノートパソコンとタブレットは持っていく。着替えなどは、旅先で買えばいいと考えて手ぶらで出かける。
両親や妹が眠る墓所に連絡を入れておく。
急に訪れてもいいが、寺の住職が中学の時の後輩で良くしてくれているのは知っている。土産を持って訪れる事にする。
ついでに、同級生の何人かとも会うつもりで居た。
その後は、スパで堕落した生活を送る事に決めている。
好きな時に温泉に入って、好きなだけ寝て過ごす。気が向いたら、釣りにでも行けばいい。
堕落する前に、石川と小林と井上と山本の予定を確認する。
二週間後には会社で揃う事を確認して、部内で使うMLにて連絡しておく。質問は、篠原営業部長にするようにと付け足しておく。これだけで、火付け案件だと認識するはずだ。
資料の場所を明記して
最後に『受注確度:80%(副社長案件)』と、書いて送った。
返事はMLでなく、LiNEで来た。
名前が上がった人間たちは、『了解』と短く答えて、それ以外の人間は『ご愁傷様です』や『応援しています』と他人事の返事が続く。
4人は必須でそれ以外は任意とする会議予定を入れる。勿論、篠原営業部長にもご出席をお願いしてある。
何も考えないで済む時間を堪能する為に、愛車のハンドルを握って、エンジンに火を入れる。
二週間後に、会議室に関係者が揃った、関係者が揃っている事が確認され、篠原営業部長から、正式受注された旨が発表された。
単価以外の全ての条件を飲んだということだ。平均単価自体はOKで、残業時間の清算をするのなら、常駐して作業をしろという事だった。残業時間の清算をなくして、常駐もなくした。その代わり、現地作業時の残業清算を約束させた。まぁそのくらいの譲歩はしょうがない事だろう。
6月初めから作業が始めると決まった。
入札の最終プレゼンが今週あるというので、真辺と篠原はそれに参加する事になっている。
ここですでに誤差が生じ始める。
入札プレゼンといいながら、出来レースなのがミエミエだったのだ。
SIerの関連会社や、白鳥が属していた会社の関連会社しか残されていない。そして、対抗となるべき入札会社も準備ができていないのは明白で完全に数合わせとして入札プレゼンに参加している。
(やられた・・・)
バラバラなシステムになる。開発案件は発生しないから、勝手に苦しめばいいと投げやりな状態になってしまっていた。
導入するパッケージも決まり、個々のパッケージはそれぞれ顧客に対して確認をする事になる。
全体システムの運営母体は、SIerが受け持つ事になる。それは、最初から決まっていた事で、これが仕事として”おいしい”のだ。
それぞれのパッケージの仕様を確認する作業が始まる。
作業としては、それほど重いものではなかった。
それぞれのパッケージの改修は、7月末に終わるとスケジュールが出された。
安全を見て、8月中から2週間の確認期間を置くことになった。
7月はじめから、データの相互運営の為の話し合いが始まる。
そこが一つの山だと思っていた。やはりというか、導入する為のハードウェアとネットワークで揉め始める。
最初から解っていた事で再三注意喚起していたが、関連会社はそれぞれが自分の所では、改修で時間がない事を理由に他が合わせるべきだと言い争いになっている。
真辺たちはSIerに調停をお願いしていたが、都度担当者が変わって結局7月末までに調整が出来ないままテストに突入する事になった。
ここでまた、大きな問題が発生した。テスト人員が足りない事が発覚した。
実際には、足りているのだ。8月中は、俗に言うお盆の時期と重なる。SIerの関連会社や大手企業だと福利厚生というありがたい言葉で、社員が強制的に休まされる事がある。その分、どこかが作業をしなければならない。白鳥は、片桐の所に依頼をだしたが、片桐の所は人手が居るわけではない。それにすぐに集めて、1週間位でバラす様なチームが急遽作れるわけではない。
白鳥は、また副社長に連絡をした。
副社長は、なんの相談もなく受ける事を約束した。そして、真辺の所の人間が社内に居る事を聞いて、それを使う事を言い出した。理由付はいくらでも出来る。
1週間という約束で部下を現場に出す事にした。真辺が鍛え上げた部隊だけあって、現場での作業はスムーズに消化されていく。
テストも予定の7割程度消化する事が出来た。しかし、負荷テストを行っている時に、データが壊れたり、異常終了したり、遅延が発生したりする現象が出始めた。
休み明けに戻ってきたパッケージの開発会社に聞くと、”仕様です”という返事が来た。
”仕様”では済まされない問題である事は間違いない。そうすると、環境依存なので、弊社で再現しないので、修正出来ません。と、話がすり替わった。
これも火を噴く現場でよく発生する現象だ。
データ項目の見直しをしていた部下が根本的な問題を発見してしまった。
データ連携が出来ているはずのデータが、全く出来ていない事が発覚したのだ。それだけではなく、パッケージだからある程度はしょうがないにしても、言葉の統一はしなければならない。
元々の要件でも入っていた部分が出来ていない。
パッケージ単体で見ているときには、細かい問題は見受けられたが、全体的にOKだった物が、本番環境での連携テストをし始めた途端に問題が発生し始めた。
また、連携部分に関しても、真辺たちが指定した方法ではなく、自分たちが出来る方法で行っている事も発覚して、このままだと、OSや接続の為のライセンスが想定を越えてしまう。また、扱うデータの為にセキュリティにも十分注意する必要があったが、自社パッケージ内では守られているが、接続部分で漏洩の危険がある方法になってしまっていた。
これらの問題が発覚してから、真辺たちが現場に出る事になった。
内容や、時間を考慮すれば、契約破棄しても良かったが、副社長が欲をだして、子飼いの役員がまとめる部署に『パッケージや基盤の修正』という案件を受注させていたのだ。
真辺たちは、巻き込まれる形でズルズルと火消しを行う事になってしまったのだ
6月から始まった業務も気がついてみれば、8月末になっている。
あと二ヶ月で施設がオープンになる。
実際に、テレビコマーシャルも打っているようだし、看板広告も見かける。
従業員も多数雇い入れているし、入居者説明会は毎回満員だという、嬉しい話が沢山聞こえてくる。
”ふりだし”に戻せない状況で、個々のパッケージは完成されている物だから、従業員への説明が出来てしまう。
実は、この出来てしまったのが問題だったのだ。出来なければ、”最初は手書き”でお願いします。という逃げ道を使う事ができる。中途半端な状態で使えてしまっている為に、完全に後に引けない状況になっている。
パッケージを提供している会社は、自分の所の仕事は終わったとばかりに撤退を決め込んでいる。
接続部分に関しては、相手の作業だと言って譲らない。
そして、悪い事に、”篠原営業部長”が倒れたのだ。
真辺の味方が居なくなった瞬間だった。
白鳥が、副社長に話を持っていって、今後の運営を餌に接続部分全部の受注に成功したと、偉そうに社内で発表した時には、真辺は目の前が真っ暗になって、社長室に辞表を持って殴り込んだ。
だが、受理される事はなかった。部下たちの事もある、中途半端に仕事を投げ出すのも性分ではない。
社長に説得されて、この仕事が終わるまでは付き合うと約束した。運営が起動に乗るまで付き合う事になった。
涼しい時期から始まって、暑い季節を過ごし、9月の中頃。システムのカットオーバが見え始めて、安堵の声が聞こえ始めた。
最終テストと従業員への教育を担当していた人間から、爆弾発言が落とされた。
大きな、大きな、問題が複数発覚する。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
異世界でトラック運送屋を始めました! ◆お手紙ひとつからベヒーモスまで、なんでもどこにでも安全に運びます! 多分!◆
八神 凪
ファンタジー
日野 玖虎(ひの ひさとら)は長距離トラック運転手で生計を立てる26歳。
そんな彼の学生時代は荒れており、父の居ない家庭でテンプレのように母親に苦労ばかりかけていたことがあった。
しかし母親が心労と働きづめで倒れてからは真面目になり、高校に通いながらバイトをして家計を助けると誓う。
高校を卒業後は母に償いをするため、自分に出来ることと言えば族時代にならした運転くらいだと長距離トラック運転手として仕事に励む。
確実かつ時間通りに荷物を届け、ミスをしない奇跡の配達員として異名を馳せるようになり、かつての荒れていた玖虎はもうどこにも居なかった。
だがある日、彼が夜の町を走っていると若者が飛び出してきたのだ。
まずいと思いブレーキを踏むが間に合わず、トラックは若者を跳ね飛ばす。
――はずだったが、気づけば見知らぬ森に囲まれた場所に、居た。
先ほどまで住宅街を走っていたはずなのにと困惑する中、備え付けのカーナビが光り出して画面にはとてつもない美人が映し出される。
そして女性は信じられないことを口にする。
ここはあなたの居た世界ではない、と――
かくして、異世界への扉を叩く羽目になった玖虎は気を取り直して異世界で生きていくことを決意。
そして今日も彼はトラックのアクセルを踏むのだった。
【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!
つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。
冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。
全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。
巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる