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気力が尽きて怠い虚しいたけ

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蛤「どうもアサリです」

蜊「どうもハマグリです」

蛤「二人で仲良く、疲れたサラリーマン応援団やらせてもろうております」

蜊「僕ら味噌汁の具じゃないからね。漫才師だから」

蛤「漫才師で仲良く、疲れた漫才やらせてもろうております」

蜊「畑に蛤らしいバカですが、二人揃ってよろしくお願いします」

蛤「にわか雨みたいにきくけど、ハマグリって知ってる?」

蜊「いま隣にいる。アサリって名前のややこしいハマグリが」

蛤「そう。ややこしい話がしたいねん」

蜊「入りが既にややこしいけど続けて」

蛤「たまーに車に貼ってある赤ちゃんが乗ってますってシールあるやん?」

蜊「あるね」

蛤「諸説あるけどな。あれは万が一に事故が起きたときに、先に赤ちゃんを助けてください、てアピールする意味があるらしい」

蜊「へえ。知らなかった」

蛤「薄情者」

蜊「いま知った。忘れないから許して」

蛤「許さんけど、とにかくややこしいやろ」

蜊「諸説あるから?」

蛤「ちゃう。万が一にそういう意味やと仮定してやで」

蜊「うん」

蛤「赤ちゃんが運転席にいるのか助手席にいるのか教えてくれへんねん」

蜊「運転席だけはない。高い確率で後部座席のチャイルドシートだろう」

蛤「屋根の上の可能性は?」

蜊「心霊体験じゃん。怖いこと言うなよ」

蛤「そっか。あれ幽霊やったんか」

蜊「で、君は万が一の状況に遭遇したら赤ちゃんを助けるの?」

蛤「当たり前やろ。お前みたいな薄情者と一緒にすんな」

蜊「僕だって、その状況に遭遇したら助けるよ。じゃあ、次はお父さんとお母さんどっちを助ける?」

蛤「お父さんは嫌いやから、まずお母さんを助ける」

蜊「理由が薄情」

蛤「他人の親やしええやろ」

蜊「良くない。お父さんもちゃんと助けてあげてね」

蛤「二の次にな」

蜊「その言葉には後回しって意味があるから気を付けて」

蛤「それで、お前は満足か?」

蜊「満足だよ。無事に家族みんな助かったわけだ」

蛤「薄情者。お爺ちゃんがまだトランクに残っとるのに」

蜊「どうしてトランクに押し込められてるんだよ。何があったらそうなるんだ」

蛤「あかん。車が大爆発した」

蜊「……お爺ちゃん」

蛤「お前がお爺ちゃんの存在をちゃんと確認せえへんからやぞ」

蜊「ごめん。これからはトランクに人がいることも想定するよ」

蛤「こっちこそすまん。これから、トランクにお爺ちゃんが乗っています、てシールちゃんと貼っとくわ」

蜊「警察に捕まるからやめよう」

蛤「ちょっと待て」

蜊「どうした」

蛤「お爺ちゃんが生きとるぞ。あれは鋼のボディや」

蜊「まさか、未来から来たロボットだったのか」

蛤「せや。狸型のな」

蜊「その方はお爺ちゃんじゃないし猫だよ」

蛤「これから、トランクに猫型ロボットが寝ています、てシール貼っとくわ」

蜊「トランクが襖みたい、てもういいよ。疲れたから僕は貝になる」

イチゴ「ほな、お後がよろしいようで。皆さんお元気でまた来週」

ミルク「寝言がヤバい」

ココア「にやにや寝ぼけちゃって。ほっぺ
をつねってやります」

イチゴ「んゆ……なあに?」

ミルク「もうすぐユーエフオーが到着するよ」

イチゴ「眠い……」

ミルク「結局、門限の時間を過ぎたからね。神父さんから怒りのメッセージが届いてるよ」

ココア「あーあ。説教が嫌で家出したのにバカみたいです」

イチゴ「おみやげ渡したら許してくれるじゃろう」

ミルク「神父さんは、そんなんじゃ絶対に許してくれないよ」

ココア「食べ歩きなんてするからです」

イチゴ「ココアこそ、長いこと服を見とったじゃろう」

ミルク「みんなで遊んでいると楽しくて、つい時間を忘れてしまいました。て、神父さんに送っておいたから」

イチゴ「何てことを」

ココア「怒りが燃え上がりますよ」

ミルク「言い分けはしない。きちんと素直に謝る。いいね」

イチゴ「はーい」

ココア「わかりました」
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