上 下
31 / 115

プリンとクラブ

しおりを挟む
ココア「まだやっていますの?もうお昼ですよ」

ミルク「ごめん。当たりが続いて」

ココア「まあ、当たりましたの」

ミルク「捻ってみる?」

ココア「ええ」

イチゴ「おう、ココア。寂しくて戻ってきたんけ」

ココア「バーカ」

ミルク「捻りすぎ捻りすぎ」

ココア「ミルクを置いて、どこに行ってましたの?」

イチゴ「しっこ」

ココア「ミルクは私達の中で一番弱いのですよ」

ミルク「むぐ……」

ココア「私か貴女が側にいて守ってあげなきゃ」

ミルク「ありがとう。でも、一人でも大丈夫だから」

イチゴ「そうじゃ。過保護はようないぞ」

ココア「けど、リーダーに何かあってはダメでしょう」

イチゴ「それもそうじゃのう。すまんかった。これから気を付ける」

ミルク「いいよ。隣で漏らされるよりはいい」

ココア「きゃ!何これ!ぴかぴか光っています!」

ミルク「捻るの止めて。当たりが続くかも」

ココア「目が痛くなりませんの」

ミルク「ちょっと」

イチゴ「あ、外れた。当たりは十六回で終わりじゃ」

ココア「終わり?」

イチゴ「おまんが終わらせた」

ココア「私のせいみたいに言わないでください」

イチゴ「ミルク、そのメダルは預けてお昼ご飯にしよう」

ミルク「うん。お昼はフードコートにする?」

ココア「フードコートってあそこですか!」

イチゴ「そうじゃ。知らんけど」

ココア「私、命が狙われやすいから、という理由で一度も連れて行ってもらったことがないのです」

ミルク「フードコートで命を狙われるなんて聞いたことないよ」

イチゴ「ココアもメダルを持ってくれ」

ココア「重い。たくさん出ましたね」

イチゴ「計算してもらおう。兄ちゃん、これ預けるけえ夜露死苦」

店員「書類に書くこと書いて」

イチゴ「ココア頼んだ」

ココア「私?まったくもう」

イチゴ「字はまだよう書けんけえ」

ココア「教えますから覚えてください」

イチゴ「漢字がよう分からん」

ミルク「分かる。ぜんぶ似てるもん」

店員「これでいいや。じゃ、メダルを機械に入れて」

イチゴ「どんどん入れちゃって!ふうふう!」

ココア「合計は三百六十二枚です。これは多いのですか?」

イチゴ「多い。ようやったのうミルク」

ミルク「うん。そんなに興味ないけど」

イチゴ「せっかくじゃけえ、お昼ご飯食べたらメダルで遊ぼうね」

ミルク「うん」

ココア「私は見てるだけでいいですわ」

イチゴ「ほんまにええんけ?」

ココア「じゃあ、ちょっとだけ遊んでみようかしら」

イチゴ「それでええ。何事も経験じゃ」

ココア「待って!」

イチゴ「とぅあ!急に引っ張るな!」

ココア「先に三人でプリクラを撮りましょう」

イチゴ「プリンクラブか。キャバの姉ちゃんが好きなやつじゃ。スマホでも何にでもベタベタ貼っておった」

ココア「そんなこといいから行きますよ」

ミルク「ちょっと待って。機械もちゃんと選ばなきゃ」

ココア「どれも、そう違いはないでしょう」

ミルク「あるよ。あるみたい」

イチゴ「分かっとらんのう」

ココア「分かっていませんね」

ミルク「いいよじゃあこれで!」

ココア「それで、どうやって写真を撮りますの?」

イチゴ「知らん」

ミルク「私も」

ココア「まあ、お金を入れたら分かりますでしょう。ここは私が支払います」

イチゴ「よっ!世界一!」

ココア「そのノリは鬱陶しいから控えてください」

ミルク「フレームを選んでくださいだって」

イチゴ「これじゃ!」

ミルク「もう。すぐ勝手に選ぶんだから」

イチゴ「あと二つ選べるぞ」

ミルク「じゃあ、私はこれかな」

ココア「私は……これ!」

イチゴ「はじまるぞ」

ココア「ミルクが真ん中です」

ミルク「もっと寄って」

イチゴ「ヤバい!カウントダウンじゃ!ポーズを決めねばならん!」

ミルク「何でもいいよ」

イチゴ「バリアゲー」

ミルク「ちょ、それはダサいって」

イチゴ「何でもええ言うたじゃろう」

ミルク「じゃ、次は普通に笑顔で、ぎゅーて集まって」

イチゴ「ココアあまり押すな」

ココア「あら、ごめんなさい」

ミルク「あーあ。カウントダウンは待ってくれないよ」

ココア「次が最後ですね」

イチゴ「気合い入れていこう」

ココア「はい、みんな笑って」

ミルク「いえーい!」

イチゴ「バリアゲー!」

ミルク「ふふ、結局それ?」

イチゴ「まあ、ええじゃろう」

ミルク「ココアは三回とも笑ってるだけだね」

ココア「バリアゲもピースも恥ずかしくて」

ミルク「可愛いとこあるじゃん」

ココア「ふん」

イチゴ「さ、飯を食いに行こう」

ミルク「気が早い。まだ写真もらってないし、落書きもあるから」

ココア「落書き?」

ミルク「写真にお絵描きするの」

ココア「まあ!楽しみです!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界立志伝

小狐丸
ファンタジー
 ごく普通の独身アラフォーサラリーマンが、目覚めると知らない場所へ来ていた。しかも身体が縮んで子供に戻っている。  さらにその場は、陸の孤島。そこで出逢った親切なアンデッドに鍛えられ、人の居る場所への脱出を目指す。

レディース異世界満喫禄

日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。 その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。 その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!

元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜

ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。 社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。 せめて「男」になって死にたかった…… そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった! もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!

転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~

丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。 一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。 それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。 ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。 ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。 もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは…… これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

処理中です...