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縁結び
2 ネズミ取りがネズミになる
しおりを挟む皆の前に現れた小太り博士は一言で表すと変人だった
探検家の格好に、ぶち模様の猫耳に猫尻尾とニ(ャー)ポイントお洒落している
「ようこそ皆さん。わしはトリモチ博士。化石の発掘や研究を仕事にしているよ」
博士の自己紹介のあと、一行はバスに案内された
外も内も猫の装飾が際立つ
バスまで猫真似とはよっぽどの猫好きらしい恐れ入る
バスへ乗ると、衣装が強制的に探検服とヘルメットに変わった
これを貰えるようだ
にゃー
猫がいる!?
わけでなく子供が悪戯で停車ボタンを押したようだ
気にせず好きに押すといい、博士が快く勧めたのでさあ大変
子供達が演奏する猫のコンサートが始まって桜桃は苦笑した
「さ、着いたよ」
バスは町を離れて洞窟を走り、あっちの穴こっちの穴を忙しく通って突き当たりで止まった
そこにはドーム型の研究施設があった
しかしそれには寄らず、バスから降りて岩壁に埋め込まれた丸太の門の前へ集合した
えーこれから皆さんに一つ約束して貰います
ここから先は危険が待ち構えているので、私から決して離れず、私の言うことをきちんと聞いてください
返事はまばらだったが、歯車が回り、丸太の門が重い音を立てて開かれた
トリモチ博士は洞窟の中をズンズン進んでいく
壁には貝などの化石がチラホラあった
最近の子供達は偉いもんだ
勝手に引っこ抜こう等とする者はいない
昭和ならこうはいかなかったぞ
と思う桜桃が一つ摘み取ろうとするとホイッスルで叱られた
ぐぬぬ、笑いものになってしまった
段差を登り下り、狭い道を横になって通り、吊り橋を渡り、冒険すること十分ちょい
目的地へ到着した
そこには現在も発掘作業を行なっているのだろう
珍しい機材が残されていた
「この洞窟は実はね。ネズミ達のお家だったんだよ」
その声は冷めている
みんな戸惑いながらも博士について奥へ進む
子供の身長ほど深く掘られた窪みをみんなで囲んだ
そこには大きな動物の骨が二体、追いかけっこでもしてるみたいな格好で半ば埋まっていた
それを恍惚な眼差しで見つめる博士の声は上機嫌だ
ネズミ、それを狩る英雄、ネコの化石だ
トリモチ博士は交互に指さして解説する
ここに横たわるコタツ級の大きな動物がネズミとネコだと知って桜桃は素直に驚いた
でもね
昔々、ネズミ取りがネズミになったネコがいたんだ
こいつさ
ネズミを捕まえるはずのネコがネズミと仲良くなるなんて可笑しいだろう
ごろごろ、、、
二人は仲良く並んで眠るように死んで、長い年月をかけて化石になった
ここで、みんなに質問だ
ネズミとネコ
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