56 / 64
第55話【必要なのは】
しおりを挟む
意識するのはいつも通りの、胸のあたりにある魔力器官。
そして、以前アイオラの中に潜む魔獣を除去する際に覚えた、下腹部にある魔力器官。
私はその両方で魔力を練り始めた。
しかし、あまりに難しい。
まるで右手で文字を書きながら、左手で絵を描くような感覚。
利き手である右手だけで文字を書くだけなら苦もなく書けるのに、左手で別のことを同時にしようとすると、全く書けなくなる。
そんな感じだ。
ましてや、下腹部で練る、攻撃魔法のための魔力は、あれ以来全く試していない。
明らかに修練が足りないのだ。
元々稚拙な技術でなんとか練り上げていたのに、今度は並行操作。
うんうん唸るだけで、まったく成功しそうにない。
どのくらい経ったのかも分からないまま、私が四苦八苦していると、クロムが声をかけてきた。
「聖女様。大丈夫ですか? かなり長い間経ちましたけれど……」
「正直言うと、てんでダメね。おそらくこれだろうと思うものはあるのだけれど、それを試そうにも全く上手くいかないの」
「俺が聞いたって分かんないかもしれないですけど、何をしようとしているですか?」
「回復魔法と攻撃魔法を同時に扱おうとしているのよ。クロムは魔法部隊じゃないから、いまいち分からないでしょうけど」
私がそう答えると、クロムは手を顎に当て少し悩む素振りをした後、私の方を向き口を開いた。
「魔法のことは正直全く分からないですけど、何が難しいかは感覚的に分かるんですか?」
「ええ。回復魔法はここ、胸のあたりで魔力を練るのだけれど、攻撃魔法はこっち、おへそのあたりで練るの。それを同時にやらないといけないのだけれど……」
「それって、同時じゃないとダメなんですか?」
「どういうこと?」
「いえ……例えば。片方を用意しておいて、後からもう一つをやるのじゃだめなのかなぁって」
「クロム! あなたって天才かも! なんでそんな単純なことに気づかなかったのかしら!」
言われてみれば、魔法を放つ時と魔力を練る時には、時間的な間が生じる。
そして、魔法を放つ前に順に魔力を練っていき、それを同時に放つことも可能なのは経験済みだ。
治癒と解呪の魔法は、同じ回復魔法でもそれぞれ練る魔力が違うのだから。
それを順に練って、同時に放つことはすでにできる。
それなら、先に回復魔法の魔力を練って保っておき、攻撃魔法の魔力を練ることもできるかもしれない。
それが可能なら、今よりずっと簡単だ。
「クロム。早速やってみるわね。もう少しだけ時間をちょうだい」
「いくらでも俺は待ちますよ。俺の人生はあなたのために使うって、救ってもらった時に決めたんですから」
「あら。自分の人生は自分のために使うものよ。それが結果的に人のためになったとしてもね」
「あはは……そうですね」
クロムは何故か複雑そうな顔をしているように見えた。
私が何か変なことを言っただろうか。
それよりも、まずは第三の魔法の正体を解き明かさなければ。
クロムが指摘したように、まずは回復魔法の魔力を練る。
ひとまず練ってみたのは治癒の魔法に使うための魔力だ。
一つずつ使ってみよう。
次に、この魔力を維持したまま、下腹部に集中する。
維持するだけなら、そこまで意識が乱れない。
何より回復魔法の魔力の方は、長年慣れ親しんできたのだから。
意識を下腹部に向け、攻撃魔法の魔力を練ろうとするが、なかなか上手くいかない。
すでにある回復魔法の魔力に押さえ込まれて、外に出せないような感覚だ。
何か、もう一つの何かが足りないのだろうか。
もう一度だけあの時のことを思い出してみる。
あの時の私は何をして、何を考えていただろうか。
「あ……あの時。私は怒っていたのよ。不甲斐ない自分に」
「え? 聖女様。なんか言いました?」
私はもう一度あの時の怒りを思い出す。
全ての人に安寧を与えたいと願っていたはずなのに、クロムに絶望の顔をさせてしまった。
そんな私が許せなくて、私は憤っていたのだ。
感情の高まりに応じて、下腹部が熱くなっていくのを感じた。
すると、先ほどまでとは打って変わって、苦もなく攻撃魔法の魔力が練り上げられた。
すぐに維持していた回復魔法の魔力と合わせて一つにしてみる。
試しにその魔法をクロムに唱えてみた。
すると、今まで真っ白いだった魔法の光が、淡い紫色に輝いていた。
光に包まれたクロムは不思議そうな顔をした後、目を見開く。
「聖女様! これです‼︎ この光です! それと、この前に感じたのと似てます!」
「よかったわ。私の思った通り。回復魔法と攻撃魔法の複合だったのね。習得するのも使うのも恐ろしく大変だけれど、もし自在に使いこなせるようになったら、画期的な魔法になると思うわ」
「そうですね! 魔族だって怖くなくなるかもしれません! それにしてもさすが聖女様です‼︎」
「いいえ。今回は、クロムがいてくれたおかげよ。本当に助かったわ。ありがとう。それにしても、少し疲れたわね。少し休憩させてちょうだい……」
そう言って、私は自分の椅子に腰を下ろした。
そして、以前アイオラの中に潜む魔獣を除去する際に覚えた、下腹部にある魔力器官。
私はその両方で魔力を練り始めた。
しかし、あまりに難しい。
まるで右手で文字を書きながら、左手で絵を描くような感覚。
利き手である右手だけで文字を書くだけなら苦もなく書けるのに、左手で別のことを同時にしようとすると、全く書けなくなる。
そんな感じだ。
ましてや、下腹部で練る、攻撃魔法のための魔力は、あれ以来全く試していない。
明らかに修練が足りないのだ。
元々稚拙な技術でなんとか練り上げていたのに、今度は並行操作。
うんうん唸るだけで、まったく成功しそうにない。
どのくらい経ったのかも分からないまま、私が四苦八苦していると、クロムが声をかけてきた。
「聖女様。大丈夫ですか? かなり長い間経ちましたけれど……」
「正直言うと、てんでダメね。おそらくこれだろうと思うものはあるのだけれど、それを試そうにも全く上手くいかないの」
「俺が聞いたって分かんないかもしれないですけど、何をしようとしているですか?」
「回復魔法と攻撃魔法を同時に扱おうとしているのよ。クロムは魔法部隊じゃないから、いまいち分からないでしょうけど」
私がそう答えると、クロムは手を顎に当て少し悩む素振りをした後、私の方を向き口を開いた。
「魔法のことは正直全く分からないですけど、何が難しいかは感覚的に分かるんですか?」
「ええ。回復魔法はここ、胸のあたりで魔力を練るのだけれど、攻撃魔法はこっち、おへそのあたりで練るの。それを同時にやらないといけないのだけれど……」
「それって、同時じゃないとダメなんですか?」
「どういうこと?」
「いえ……例えば。片方を用意しておいて、後からもう一つをやるのじゃだめなのかなぁって」
「クロム! あなたって天才かも! なんでそんな単純なことに気づかなかったのかしら!」
言われてみれば、魔法を放つ時と魔力を練る時には、時間的な間が生じる。
そして、魔法を放つ前に順に魔力を練っていき、それを同時に放つことも可能なのは経験済みだ。
治癒と解呪の魔法は、同じ回復魔法でもそれぞれ練る魔力が違うのだから。
それを順に練って、同時に放つことはすでにできる。
それなら、先に回復魔法の魔力を練って保っておき、攻撃魔法の魔力を練ることもできるかもしれない。
それが可能なら、今よりずっと簡単だ。
「クロム。早速やってみるわね。もう少しだけ時間をちょうだい」
「いくらでも俺は待ちますよ。俺の人生はあなたのために使うって、救ってもらった時に決めたんですから」
「あら。自分の人生は自分のために使うものよ。それが結果的に人のためになったとしてもね」
「あはは……そうですね」
クロムは何故か複雑そうな顔をしているように見えた。
私が何か変なことを言っただろうか。
それよりも、まずは第三の魔法の正体を解き明かさなければ。
クロムが指摘したように、まずは回復魔法の魔力を練る。
ひとまず練ってみたのは治癒の魔法に使うための魔力だ。
一つずつ使ってみよう。
次に、この魔力を維持したまま、下腹部に集中する。
維持するだけなら、そこまで意識が乱れない。
何より回復魔法の魔力の方は、長年慣れ親しんできたのだから。
意識を下腹部に向け、攻撃魔法の魔力を練ろうとするが、なかなか上手くいかない。
すでにある回復魔法の魔力に押さえ込まれて、外に出せないような感覚だ。
何か、もう一つの何かが足りないのだろうか。
もう一度だけあの時のことを思い出してみる。
あの時の私は何をして、何を考えていただろうか。
「あ……あの時。私は怒っていたのよ。不甲斐ない自分に」
「え? 聖女様。なんか言いました?」
私はもう一度あの時の怒りを思い出す。
全ての人に安寧を与えたいと願っていたはずなのに、クロムに絶望の顔をさせてしまった。
そんな私が許せなくて、私は憤っていたのだ。
感情の高まりに応じて、下腹部が熱くなっていくのを感じた。
すると、先ほどまでとは打って変わって、苦もなく攻撃魔法の魔力が練り上げられた。
すぐに維持していた回復魔法の魔力と合わせて一つにしてみる。
試しにその魔法をクロムに唱えてみた。
すると、今まで真っ白いだった魔法の光が、淡い紫色に輝いていた。
光に包まれたクロムは不思議そうな顔をした後、目を見開く。
「聖女様! これです‼︎ この光です! それと、この前に感じたのと似てます!」
「よかったわ。私の思った通り。回復魔法と攻撃魔法の複合だったのね。習得するのも使うのも恐ろしく大変だけれど、もし自在に使いこなせるようになったら、画期的な魔法になると思うわ」
「そうですね! 魔族だって怖くなくなるかもしれません! それにしてもさすが聖女様です‼︎」
「いいえ。今回は、クロムがいてくれたおかげよ。本当に助かったわ。ありがとう。それにしても、少し疲れたわね。少し休憩させてちょうだい……」
そう言って、私は自分の椅子に腰を下ろした。
1
お気に入りに追加
3,341
あなたにおすすめの小説
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
嫌われた妖精の愛し子は、妖精の国で幸せに暮らす
柴ちゃん
ファンタジー
生活が変わるとは、いつも突然のことである…
早くに実の母親を亡くした双子の姉妹は、父親と継母と共に暮らしていた。
だが双子の姉のリリーフィアは継母に嫌われており、仲の良かったシャルロッテもいつしかリリーフィアのことを嫌いになっていた。
リリーフィアもシャルロッテと同じく可愛らしい容姿をしていたが、継母に時折見せる瞳の色が気色悪いと言われてからは窮屈で理不尽な暮らしを強いられていた。
しかしリリーフィアにはある秘密があった。
妖精に好かれ、愛される存在である妖精の愛し子だということだった。
救いの手を差し伸べてくれた妖精達に誘われいざ妖精の国に踏み込むと、そこは誰もが優しい世界。
これは、そこでリリーフィアが幸せに暮らしていく物語。
お気に入りやコメント、エールをしてもらえると作者がとても喜び、更新が増えることがあります。
番外編なども随時書いていきます。
こんな話を読みたいなどのリクエストも募集します。
婚約破棄と追放をされたので能力使って自立したいと思います
かるぼな
ファンタジー
突然、王太子に婚約破棄と追放を言い渡されたリーネ・アルソフィ。
現代日本人の『神木れいな』の記憶を持つリーネはレイナと名前を変えて生きていく事に。
一人旅に出るが周りの人間に助けられ甘やかされていく。
【拒絶と吸収】の能力で取捨選択して良いとこ取り。
癒し系統の才能が徐々に開花してとんでもない事に。
レイナの目標は自立する事なのだが……。
白蓮の魔女 ~記憶喪失からはじまる契約婚? 時を逆行し記憶を失った令嬢ですが、バッドエンドを回避したら何故か溺愛がはじまりました!!
友坂 悠
ファンタジー
「——だから、これは契約による婚姻だ。私が君を愛する事はない」
気がついた時。目の前の男性がそう宣った。
婚姻? 契約?
言葉の意味はわかる。わかるけど。でも——
♢♢♢
ある夜いきなり見知らぬ場所で男性からそう宣言された主人公セラフィーナ。
しかし彼女はそれまでの記憶を失っていて。
自分が誰かもどうしてここにいるかもわからない状態だった。
記憶がないままでもなんとか前向きに今いる状態を受け入れていくセラフィーナ。
その明るい性格に、『ろくに口もきけないおとなしい控えめな女性』と聞かされていた彼女の契約上の夫、ルークヴァルト・ウイルフォード公爵も次第に心を開いていく。
そして、彼女のその身に秘めた魔法の力によって危機から救われたことで、彼の彼女を見る目は劇的に変わったのだった。
これは、内気で暗い陰鬱令嬢と渾名されていたお飾り妻のセラフィーナが、自分と兄、そして最愛の夫の危機に直面した際、大魔法使い「白蓮の魔女」であった前世を思い出し、その権能を解放して時間を逆行したことで一時的に記憶が混乱、喪失するも、記憶がないままでもその持ち前のバイタリティと魔法の力によって活躍し、幸せを掴むまでの物語。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。気長に待っててください。月2くらいで更新したいとは思ってます。
婚約破棄ですか? ありがとうございます
安奈
ファンタジー
サイラス・トートン公爵と婚約していた侯爵令嬢のアリッサ・メールバークは、突然、婚約破棄を言われてしまった。
「お前は天才なので、一緒に居ると私が霞んでしまう。お前とは今日限りで婚約破棄だ!」
「左様でございますか。残念ですが、仕方ありません……」
アリッサは彼の婚約破棄を受け入れるのだった。強制的ではあったが……。
その後、フリーになった彼女は何人もの貴族から求愛されることになる。元々、アリッサは非常にモテていたのだが、サイラスとの婚約が決まっていた為に周囲が遠慮していただけだった。
また、サイラス自体も彼女への愛を再認識して迫ってくるが……。
【完結】特別な力で国を守っていた〈防国姫〉の私、愚王と愚妹に王宮追放されたのでスパダリ従者と旅に出ます。一方で愚王と愚妹は破滅する模様
岡崎 剛柔
ファンタジー
◎第17回ファンタジー小説大賞に応募しています。投票していただけると嬉しいです
【あらすじ】
カスケード王国には魔力水晶石と呼ばれる特殊な鉱物が国中に存在しており、その魔力水晶石に特別な魔力を流すことで〈魔素〉による疫病などを防いでいた特別な聖女がいた。
聖女の名前はアメリア・フィンドラル。
国民から〈防国姫〉と呼ばれて尊敬されていた、フィンドラル男爵家の長女としてこの世に生を受けた凛々しい女性だった。
「アメリア・フィンドラル、ちょうどいい機会だからここでお前との婚約を破棄する! いいか、これは現国王である僕ことアントン・カスケードがずっと前から決めていたことだ! だから異議は認めない!」
そんなアメリアは婚約者だった若き国王――アントン・カスケードに公衆の面前で一方的に婚約破棄されてしまう。
婚約破棄された理由は、アメリアの妹であったミーシャの策略だった。
ミーシャはアメリアと同じ〈防国姫〉になれる特別な魔力を発現させたことで、アントンを口説き落としてアメリアとの婚約を破棄させてしまう。
そしてミーシャに骨抜きにされたアントンは、アメリアに王宮からの追放処分を言い渡した。
これにはアメリアもすっかり呆れ、無駄な言い訳をせずに大人しく王宮から出て行った。
やがてアメリアは天才騎士と呼ばれていたリヒト・ジークウォルトを連れて〈放浪医師〉となることを決意する。
〈防国姫〉の任を解かれても、国民たちを守るために自分が持つ医術の知識を活かそうと考えたのだ。
一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。
普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。
だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。
カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。
些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。
聖女は聞いてしまった
夕景あき
ファンタジー
「道具に心は不要だ」
父である国王に、そう言われて育った聖女。
彼女の周囲には、彼女を心を持つ人間として扱う人は、ほとんどいなくなっていた。
聖女自身も、自分の心の動きを無視して、聖女という治癒道具になりきり何も考えず、言われた事をただやり、ただ生きているだけの日々を過ごしていた。
そんな日々が10年過ぎた後、勇者と賢者と魔法使いと共に聖女は魔王討伐の旅に出ることになる。
旅の中で心をとり戻し、勇者に恋をする聖女。
しかし、勇者の本音を聞いてしまった聖女は絶望するのだった·····。
ネガティブ思考系聖女の恋愛ストーリー!
※ハッピーエンドなので、安心してお読みください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる