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最終章
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食べ終わって食器を片付ける。
「ん、どした?」
蒼がじっとこちらを見ている。
「言っとくけど皿洗って欲しいとかだったら駄目だぞ」
「?」
はぁと蒼に聞こえないように溜め息をついた。
「皿を洗って欲しい、とかの要望は聞かないってこと」
「あぁ、なるほどね」
「やっと理解してくれたか」
石鹸のついた食器を洗い流し、タオルで拭く。
「俺はまだ眠たいから寝る」
「はーい」
部屋に戻ってベッドに潜る。
(うーん、眠い……)
しばらくそうしているとぐらりとベッドが揺れた。
「んー…、蒼?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「……まだ寝てなかったから大丈夫だけど」
「そう」
息を吐き、寝返りを打つ。
窓から日が差し、とても暖かった。
»†«
突然、ギュッと抱きしめられ、目が覚める。
「んー…?」
「白露……」
蒼の声がし、首を少し動かす。
「僕のこと好き……?」
「じゃあ俺が好きって言ったら何をしてくれるの?」
「んー……。一生離さないよ」
「じゃあ好きじゃないって言ったら?」
「好きになってくれるまでずっと離さない」
フフッと小さく笑う。
「じゃあ、好き」
「前まで好きじゃないって言ってたのに。素直じゃないね」
「なんかさー、色々考えてる内になんかそうなっちゃった」
「えー、なんか嬉しいな!」
「なんかって何だよ」
「んーとにかく僕は嬉しいの!」
グーッと蒼に抱きしめられたまま、蒼に向き合う。そして、そっと頬にキスをする。
蒼は少しびっくりした顔をした後、嬉しそうに笑った。
-End-
「ん、どした?」
蒼がじっとこちらを見ている。
「言っとくけど皿洗って欲しいとかだったら駄目だぞ」
「?」
はぁと蒼に聞こえないように溜め息をついた。
「皿を洗って欲しい、とかの要望は聞かないってこと」
「あぁ、なるほどね」
「やっと理解してくれたか」
石鹸のついた食器を洗い流し、タオルで拭く。
「俺はまだ眠たいから寝る」
「はーい」
部屋に戻ってベッドに潜る。
(うーん、眠い……)
しばらくそうしているとぐらりとベッドが揺れた。
「んー…、蒼?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「……まだ寝てなかったから大丈夫だけど」
「そう」
息を吐き、寝返りを打つ。
窓から日が差し、とても暖かった。
»†«
突然、ギュッと抱きしめられ、目が覚める。
「んー…?」
「白露……」
蒼の声がし、首を少し動かす。
「僕のこと好き……?」
「じゃあ俺が好きって言ったら何をしてくれるの?」
「んー……。一生離さないよ」
「じゃあ好きじゃないって言ったら?」
「好きになってくれるまでずっと離さない」
フフッと小さく笑う。
「じゃあ、好き」
「前まで好きじゃないって言ってたのに。素直じゃないね」
「なんかさー、色々考えてる内になんかそうなっちゃった」
「えー、なんか嬉しいな!」
「なんかって何だよ」
「んーとにかく僕は嬉しいの!」
グーッと蒼に抱きしめられたまま、蒼に向き合う。そして、そっと頬にキスをする。
蒼は少しびっくりした顔をした後、嬉しそうに笑った。
-End-
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