28 / 30
99%密室暴行事件⑤
しおりを挟む
「それは加藤さんが、1週間後に引越しちゃうからですよね。引越したら騒音の件を他に住んでる人から相談されることも無くなるから、1週間くらい我慢できるはず」
「そうなんだよ。弱いけど動機はある。でもわざわざギターをうばおうとしたり殴ったりしなくてよいんだよ」
「日暮警部補。もう1人います」
「時巻探偵。それは誰かな?」
「飛田さんです!」
「おお……それは一体どうやって?」
「スケットくん。飛田さんはサークルに入ってたよね?」
「そうだね。スカイダイビングサークルに入ってるって言ってた。アウトドア用品店でバイトもしてるって」
「飛田さんの部屋にあったモノを使えば、3階からケガすることなく部屋を出る方法があるんだ」
「飛田さんがスカイダイビングを説明してくれたよね?」
「えーっと。高いところから飛び降りてパラシュートで降りてくるやつ……パラシュート!」
「そう!その通り!鍵のかかってない玄関から部屋に入って、窓から部屋を出る前に玄関の鍵を閉める。そして窓からパラシュートで部屋を出たんだ!そうすれば密室の完成さ!」
飛田ソラオさんは上の階に住んでる加藤さんのギターの音に悩んでいた。
だからギターを盗んでやろうと部屋にやってきた。ドアを開けると鍵はかかっていなくて、中に入ると加藤さんは昼寝していた。
そしてギターを盗もうとしたが加藤さんが目覚めて思わず殴ってしまった。
加藤さんが気を失っている間に玄関の鍵を閉めて、あわてて窓からパラシュートで部屋を出たんだ。
「見事な推理だ!これから飛田ソラオの部屋に行くぞ!」
日暮警部補は飛田ソラオさんの部屋のチャイムを押した。
すぐに飛田さんはドアを開けた。
「またですか?今度はなんですか?」
「飛田ソラオ。加藤騒太さんへの暴行容疑で逮捕する!」
飛田さんはびっくりした顔で日暮警部補の顔を見つめた。
「ちょっと……たしかに加藤さんのギターの音に悩んでましたけど、言ってなかったけどアリバイありますから」
「なんだって?」
飛田さんの言葉を聞いて日暮警部補も驚いた顔をする。僕とスケットくんも同じだ。いったいどんなアリバイがあるって言うんだ。
飛田さんは加藤さんが殴られた時間、自分の部屋にいた。
その時に飛田さんは大家さんと一緒にいたそうだ。
「なぜ、大家さんと2人で飛田さんの部屋に?」
日暮警部補は飛田さんを問い詰める。
「実は、俺たち付き合ってるんです」
今日一番の驚きだ。でも飛田さんの言っていることが本当だったとしたら、飛田さんも大家さんもアリバイが成立してしまう。
「大家さんにも確認したが、事件の時間たしかに飛田さんと会っていたそうだ」
飛田さんと大家さんは関係がバレたくなくて黙っていたという。飛田さんが大家さんに加藤さんの騒音の件で相談を繰り返すうちに恋愛に発展したそうだ。
今、このアパートの敷地にいるのは被害者の加藤さんと元山カレンさん、飛田ソラオさん、大家です代さん。
飛田さんと大家さんの2人のアリバイが証明されてしまった。
ということは元山さんが犯人ということになるんだけど……。
「問題はどうやって元山さんが密室を作ったのか……」
「うーん。もしかして飛田さんと大家さんが2人でやったとかかな」
スケットくんも頭を悩ませながら考えた。僕も一瞬その可能性を考えたけれど――。
「加藤さんがもうすぐ引っ越すことを大家さんだけが知ってると思ったけど、恋人の飛田さんも知っててもおかしくないから、それはないかもしれない」
いくら騒音で悩んでいてもあと1週間で引っ越すと分かれば我慢出来るはずだ。
「これは困ったな。完全に行き詰まった。有栖もそろそろへばってきてるな」
日暮警部補は3人の容疑者がアパートから出ないように入口で立っている有栖刑事の方を見た。
僕とスケットくんも有栖刑事の様子を見てみる。
太陽が照りつける中、手で顔をあおぎながら誰も逃げないように立っている。見ているこっちも暑くなってくる。
「モドルくん。どうしよう」
「ちょっと、賭けにでるしかない」
スケットくんがどういうことという顔を僕に向けた。あとは僕に任せてスケットくん。
「時間よ巻きもどれ!タイムリープ!ゴー!」
僕はタイムメガネを使ってタイムリープした。今日使える最後の1回だ。
17時頃に加藤さんは殴られた。僕は17時10分にタイムリープした。
階段のところで加藤さんの部屋を隠れながら見る。
犯人は元山さんなのは確実だ。飛田さんと大家さんにはアリバイがあるし、防犯カメラから他の侵入者はいないから。
「そうなんだよ。弱いけど動機はある。でもわざわざギターをうばおうとしたり殴ったりしなくてよいんだよ」
「日暮警部補。もう1人います」
「時巻探偵。それは誰かな?」
「飛田さんです!」
「おお……それは一体どうやって?」
「スケットくん。飛田さんはサークルに入ってたよね?」
「そうだね。スカイダイビングサークルに入ってるって言ってた。アウトドア用品店でバイトもしてるって」
「飛田さんの部屋にあったモノを使えば、3階からケガすることなく部屋を出る方法があるんだ」
「飛田さんがスカイダイビングを説明してくれたよね?」
「えーっと。高いところから飛び降りてパラシュートで降りてくるやつ……パラシュート!」
「そう!その通り!鍵のかかってない玄関から部屋に入って、窓から部屋を出る前に玄関の鍵を閉める。そして窓からパラシュートで部屋を出たんだ!そうすれば密室の完成さ!」
飛田ソラオさんは上の階に住んでる加藤さんのギターの音に悩んでいた。
だからギターを盗んでやろうと部屋にやってきた。ドアを開けると鍵はかかっていなくて、中に入ると加藤さんは昼寝していた。
そしてギターを盗もうとしたが加藤さんが目覚めて思わず殴ってしまった。
加藤さんが気を失っている間に玄関の鍵を閉めて、あわてて窓からパラシュートで部屋を出たんだ。
「見事な推理だ!これから飛田ソラオの部屋に行くぞ!」
日暮警部補は飛田ソラオさんの部屋のチャイムを押した。
すぐに飛田さんはドアを開けた。
「またですか?今度はなんですか?」
「飛田ソラオ。加藤騒太さんへの暴行容疑で逮捕する!」
飛田さんはびっくりした顔で日暮警部補の顔を見つめた。
「ちょっと……たしかに加藤さんのギターの音に悩んでましたけど、言ってなかったけどアリバイありますから」
「なんだって?」
飛田さんの言葉を聞いて日暮警部補も驚いた顔をする。僕とスケットくんも同じだ。いったいどんなアリバイがあるって言うんだ。
飛田さんは加藤さんが殴られた時間、自分の部屋にいた。
その時に飛田さんは大家さんと一緒にいたそうだ。
「なぜ、大家さんと2人で飛田さんの部屋に?」
日暮警部補は飛田さんを問い詰める。
「実は、俺たち付き合ってるんです」
今日一番の驚きだ。でも飛田さんの言っていることが本当だったとしたら、飛田さんも大家さんもアリバイが成立してしまう。
「大家さんにも確認したが、事件の時間たしかに飛田さんと会っていたそうだ」
飛田さんと大家さんは関係がバレたくなくて黙っていたという。飛田さんが大家さんに加藤さんの騒音の件で相談を繰り返すうちに恋愛に発展したそうだ。
今、このアパートの敷地にいるのは被害者の加藤さんと元山カレンさん、飛田ソラオさん、大家です代さん。
飛田さんと大家さんの2人のアリバイが証明されてしまった。
ということは元山さんが犯人ということになるんだけど……。
「問題はどうやって元山さんが密室を作ったのか……」
「うーん。もしかして飛田さんと大家さんが2人でやったとかかな」
スケットくんも頭を悩ませながら考えた。僕も一瞬その可能性を考えたけれど――。
「加藤さんがもうすぐ引っ越すことを大家さんだけが知ってると思ったけど、恋人の飛田さんも知っててもおかしくないから、それはないかもしれない」
いくら騒音で悩んでいてもあと1週間で引っ越すと分かれば我慢出来るはずだ。
「これは困ったな。完全に行き詰まった。有栖もそろそろへばってきてるな」
日暮警部補は3人の容疑者がアパートから出ないように入口で立っている有栖刑事の方を見た。
僕とスケットくんも有栖刑事の様子を見てみる。
太陽が照りつける中、手で顔をあおぎながら誰も逃げないように立っている。見ているこっちも暑くなってくる。
「モドルくん。どうしよう」
「ちょっと、賭けにでるしかない」
スケットくんがどういうことという顔を僕に向けた。あとは僕に任せてスケットくん。
「時間よ巻きもどれ!タイムリープ!ゴー!」
僕はタイムメガネを使ってタイムリープした。今日使える最後の1回だ。
17時頃に加藤さんは殴られた。僕は17時10分にタイムリープした。
階段のところで加藤さんの部屋を隠れながら見る。
犯人は元山さんなのは確実だ。飛田さんと大家さんにはアリバイがあるし、防犯カメラから他の侵入者はいないから。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
太郎ちゃん
ドスケベニート
児童書・童話
きれいな石ころを拾った太郎ちゃん。
それをお母さんに届けるために帰路を急ぐ。
しかし、立ちはだかる困難に苦戦を強いられる太郎ちゃん。
太郎ちゃんは無事お家へ帰ることはできるのか!?
何気ない日常に潜む危険に奮闘する、涙と愛のドタバタコメディー。
フラワーキャッチャー
東山未怜
児童書・童話
春、中学1年生の恵梨は登校中、車に轢かれそうになったところを転校生・咲也(さくや)に突き飛ばされて助けられる。
実は咲也は花が絶滅した魔法界に花を甦らせるため、人の心に咲く花を集めに人間界にやってきた、「フラワーキャッチャー」だった。
けれど助けられたときに、咲也の力は恵梨に移ってしまった。
これからは恵梨が咲也の代わりに、人の心の花を集めることが使命だと告げられる。
恵梨は魔法のペンダントを預けられ、戸惑いながらもフラワーキャッチャーとしてがんばりはじめる。
お目付け役のハチドリ・ブルーベルと、ケンカしつつも共に行動しながら。
クラスメートの女子・真希は、恵梨の親友だったものの、なぜか小学4年生のあるときから恵梨に冷たくなった。さらには、咲也と親しげな恵梨をライバル視する。
合唱祭のピアノ伴奏に決まった恵梨の友人・奏子(そうこ)は、飼い猫が死んだ悲しみからピアノが弾けなくなってしまって……。
児童向けのドキワクな現代ファンタジーを、お楽しみいただけたら♪
迷子のクマちゃん
あめきなこ
絵本
男の子と一緒に「宇宙旅行」にきた、ぬいぐるみのクマちゃん。
ところが、クマちゃんは男の子とはぐれ、宇宙で迷子になってしまいます。
ひとりぼっちになってしまったクマちゃんはどうするのか、果たして男の子の元へと帰れるのか。
宇宙と迷子のお話。
古い方 児童書・童話ジャンル(女の子向け) 短編まとめ場所「削除予」
透けてるブランディシュカ
児童書・童話
小さな子供向けの話から、そこそこ年齢上の人が読める話まではばひろくとっちらかってます。(※重複投稿)
あいつは悪魔王子!~悪魔王子召喚!?追いかけ鬼をやっつけろ!~
とらんぽりんまる
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞、奨励賞受賞】ありがとうございました!
主人公の光は、小学校五年生の女の子。
光は魔術や不思議な事が大好きで友達と魔術クラブを作って活動していたが、ある日メンバーの三人がクラブをやめると言い出した。
その日はちょうど、召喚魔法をするのに一番の日だったのに!
一人で裏山に登り、光は召喚魔法を発動!
でも、なんにも出て来ない……その時、子ども達の間で噂になってる『追いかけ鬼』に襲われた!
それを助けてくれたのは、まさかの悪魔王子!?
人間界へ遊びに来たという悪魔王子は、人間のフリをして光の家から小学校へ!?
追いかけ鬼に命を狙われた光はどうなる!?
※稚拙ながら挿絵あり〼
お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
たかが、恋
水野七緒
児童書・童話
「恋愛なんてバカみたい」──日頃からそう思っている中学1年生の友香(ともか)。それなのに、クラスメイトの間中(まなか)くんに頼みこまれて「あるお願い」を引き受けることに。そのお願いとは、恋愛に関すること。初恋もまだの彼女に、果たしてその役目はつとまるのか?
地球一家がおじゃまします
トナミゲン
児童書・童話
1話10分読み切りで、どれから読んでもOK。各10分の話の中にカルチャーショックと平均2回のどんでん返しを盛り込みました。アニメの脚本として書いたものを、多くの人に読んでいただきたいので、小説形式にしました。アニメ化を目指していますので、応援よろしくお願いします!
あらすじ:地球に住む父、母、長男ジュン、長女ミサ、次男タク、次女リコの一家6人を『地球一家』と呼ぶことにする。6人は、地球とよく似た星を巡るツアーに参加し、ホームステイしながらいろいろな星の生活を見て回る。ホストファミリーと共に過ごし、地球では考えられないような文化や習慣を体験し、驚きの毎日を過ごしながら家族が成長していく。
アルファポリス、小説家になろうで連載中です。
以下の情報提供サイトで、縦書きやふりがな付きの文章を用意します。
https://twitter.com/gentonami1225
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる