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99%密室暴行時間③
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僕とスケットくんは階段を降りて入口に移動した。
入口を入るとまず最初に3台分の駐車場があって、その奥に3階建てのアパートがある。そして駐車場とアパートの右側に大家さんの平屋がある。さらにその全てを高い塀が囲んでいる。
「この入口以外の出入口がないか確認しておこう」
僕は入口から時計回りにスケットくんは反時計回りにアパートを囲む塀沿いにぐるっと回ってみる。
「やっぱ他の入口は無さそう。そっちはどうだった?」
「こっちの方もなかったよ。これでこのアパートが密室だったことが分かったね」
それに囲んでいる塀も乗り越えられそうにない。やっぱり入口は正面にしかない。
防犯カメラに誰も出て行った様子もない。まだ犯人はこのアパートの敷地にいることは確かだ。
「こんなところでなにしてるの2人とも」
「有栖刑事。鍵屋さんどうでしたか?」
「アパート近くの鍵屋さんひとつしかなかったんだけど、元山カレンさんが立ち寄ったことはないそうよ」
元山さんが合鍵を作っていないということは犯人は元山さんじゃないのか。
「有栖刑事はこれからなにを調べるんですか?」
「私は入口に立って誰もここから出ないように見張るのよ。日暮警部補からの指示でね」
有栖刑事はめんどくさそうにあくびをしながら入口に歩いて行った。
さすが日暮警部補。このアパート自体が密室で、犯人はまだアパートにいるということに気がついてるみたいだ。
「2人とも~ちょっといいかい?」
駐車場に立ってアパートを見上げていた日暮警部補は僕たちを手まねきした。
「日暮警部補、どうしたんですか?」
「このアパートに今いるのは加藤さん以外に3人だけなんだが、全員に動機があるんだよ」
1人目は元山カレンさん。加藤さんの隣の部屋に住んでいる。大学が休みの日はかき氷屋さんでアルバイトをしている。
同じ大学に通っていて元山さんは加藤さんと付き合っていたけど昨日別れたらしい。
それで合鍵を返すって話になったんだ。加藤さんにフラれてしまったみたいだから動機がある。
2人目は飛田(とびた)ソラオさん。加藤さんの真下の部屋に住んでいる。
加藤さんと同じ大学で飛田さんはスカイダイビングサークルに入っている。
加藤さんは昼も夜もギターを部屋で演奏していて騒音がひどく悩んでいたらしい。
3人目はアパートのオーナーの大家(おおや)です代さん。アパートの右側の平屋に住んでいる。
加藤さんの騒音の件で頭を悩ませていた。大家さんはオーナーだからもちろん加藤さんの部屋の合鍵も持っている。
「時巻くん、私はどうやって加藤さんの部屋に入ったかじゃなくて、どうやって密室にして部屋を出たのかが大事だと思っている」
日暮警部補はしゃがんで僕の目線に合わせるとそう言った。
どういうことだろう。部屋に入らないとギターを盗もうともできないし加藤さんを殴ったりもできないはずなのに。
「最初に加藤さんに話を聞いた時のこと思い出してごらん」
そう言われて加藤さんの言葉を思い出す。
加藤さんは昼寝をしていた時、鍵を閉めたと思うと言っていた。
もしかしたら加藤さんのかんちがいでドアの鍵は閉まっていなかったら……!
閉まっていなかった場合は玄関から普通に部屋に入ることができる。
部屋に入れば犯行を行うことができる。
あとはどうやって部屋を出たのかを考えればいいんだ。
犯人は鍵がかかっていなかった玄関から入って加藤さんを殴り鍵をかけて部屋を出て密室を作った。それができるのは1人だけ……いや。
「日暮警部補。3人に話を聞きにいってもいいですか?」
「もちろんだよ。ちょうど捜査に行き詰まってるところだ。少年探偵の力を借りるとしよう。私は後ろから見てるから、なんかあったら守ってあげるから安心してくれ」
日暮警部補は右腕をまくって筋肉をピクピク動かしてみせた。
「おおー」
スケットくんはそれを見て目を輝かせる。僕ももちろん目を輝かかせた。僕のお父さんでもこんなにムキムキじゃない。
僕たちは最初に元山カレンさんに話を聞きに行った。
「刑事さん。どうしたんですか?」
「いや、この子達が元山さんに話を聞きたいって言ってましてね」
日暮警部補がそう伝えると元山さんは僕たちの目線までしゃがんでくれた。大人の女性の良い香りが鼻に入る。
「なるほど……少年探偵さんってところかしら。部屋へどうぞ」
僕たちは元山さんに部屋へ案内された。
元山さんの部屋は女性らしくピンク色の家具がたくさん置かれている。
「さあなんでも聞いて?」
「元山さんと加藤さんが付き合ってたって聞いたんですけどほんとうですか?」
入口を入るとまず最初に3台分の駐車場があって、その奥に3階建てのアパートがある。そして駐車場とアパートの右側に大家さんの平屋がある。さらにその全てを高い塀が囲んでいる。
「この入口以外の出入口がないか確認しておこう」
僕は入口から時計回りにスケットくんは反時計回りにアパートを囲む塀沿いにぐるっと回ってみる。
「やっぱ他の入口は無さそう。そっちはどうだった?」
「こっちの方もなかったよ。これでこのアパートが密室だったことが分かったね」
それに囲んでいる塀も乗り越えられそうにない。やっぱり入口は正面にしかない。
防犯カメラに誰も出て行った様子もない。まだ犯人はこのアパートの敷地にいることは確かだ。
「こんなところでなにしてるの2人とも」
「有栖刑事。鍵屋さんどうでしたか?」
「アパート近くの鍵屋さんひとつしかなかったんだけど、元山カレンさんが立ち寄ったことはないそうよ」
元山さんが合鍵を作っていないということは犯人は元山さんじゃないのか。
「有栖刑事はこれからなにを調べるんですか?」
「私は入口に立って誰もここから出ないように見張るのよ。日暮警部補からの指示でね」
有栖刑事はめんどくさそうにあくびをしながら入口に歩いて行った。
さすが日暮警部補。このアパート自体が密室で、犯人はまだアパートにいるということに気がついてるみたいだ。
「2人とも~ちょっといいかい?」
駐車場に立ってアパートを見上げていた日暮警部補は僕たちを手まねきした。
「日暮警部補、どうしたんですか?」
「このアパートに今いるのは加藤さん以外に3人だけなんだが、全員に動機があるんだよ」
1人目は元山カレンさん。加藤さんの隣の部屋に住んでいる。大学が休みの日はかき氷屋さんでアルバイトをしている。
同じ大学に通っていて元山さんは加藤さんと付き合っていたけど昨日別れたらしい。
それで合鍵を返すって話になったんだ。加藤さんにフラれてしまったみたいだから動機がある。
2人目は飛田(とびた)ソラオさん。加藤さんの真下の部屋に住んでいる。
加藤さんと同じ大学で飛田さんはスカイダイビングサークルに入っている。
加藤さんは昼も夜もギターを部屋で演奏していて騒音がひどく悩んでいたらしい。
3人目はアパートのオーナーの大家(おおや)です代さん。アパートの右側の平屋に住んでいる。
加藤さんの騒音の件で頭を悩ませていた。大家さんはオーナーだからもちろん加藤さんの部屋の合鍵も持っている。
「時巻くん、私はどうやって加藤さんの部屋に入ったかじゃなくて、どうやって密室にして部屋を出たのかが大事だと思っている」
日暮警部補はしゃがんで僕の目線に合わせるとそう言った。
どういうことだろう。部屋に入らないとギターを盗もうともできないし加藤さんを殴ったりもできないはずなのに。
「最初に加藤さんに話を聞いた時のこと思い出してごらん」
そう言われて加藤さんの言葉を思い出す。
加藤さんは昼寝をしていた時、鍵を閉めたと思うと言っていた。
もしかしたら加藤さんのかんちがいでドアの鍵は閉まっていなかったら……!
閉まっていなかった場合は玄関から普通に部屋に入ることができる。
部屋に入れば犯行を行うことができる。
あとはどうやって部屋を出たのかを考えればいいんだ。
犯人は鍵がかかっていなかった玄関から入って加藤さんを殴り鍵をかけて部屋を出て密室を作った。それができるのは1人だけ……いや。
「日暮警部補。3人に話を聞きにいってもいいですか?」
「もちろんだよ。ちょうど捜査に行き詰まってるところだ。少年探偵の力を借りるとしよう。私は後ろから見てるから、なんかあったら守ってあげるから安心してくれ」
日暮警部補は右腕をまくって筋肉をピクピク動かしてみせた。
「おおー」
スケットくんはそれを見て目を輝かせる。僕ももちろん目を輝かかせた。僕のお父さんでもこんなにムキムキじゃない。
僕たちは最初に元山カレンさんに話を聞きに行った。
「刑事さん。どうしたんですか?」
「いや、この子達が元山さんに話を聞きたいって言ってましてね」
日暮警部補がそう伝えると元山さんは僕たちの目線までしゃがんでくれた。大人の女性の良い香りが鼻に入る。
「なるほど……少年探偵さんってところかしら。部屋へどうぞ」
僕たちは元山さんに部屋へ案内された。
元山さんの部屋は女性らしくピンク色の家具がたくさん置かれている。
「さあなんでも聞いて?」
「元山さんと加藤さんが付き合ってたって聞いたんですけどほんとうですか?」
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