22 / 30
対決!殺魚事件④
しおりを挟む
「玉止か。玉止には会ってないな。それに戻った時間も16時25分くらいだな。昨日は16時30分から職員会議があったから、それに間に合うように教室に戻ったんだよ」
担持先生は自分の手帳をみて確認した。その手帳を覗いてみると確かに昨日の日付には16時30分~会議と書かれている。
「ちょっと待ってどういうことだろ?」
スケットくんは頭を悩ませている。僕も同じだ。
16時10分に飼馬くんが水換えを終わらせた。
そして16時30分に忘れ物を取りに来た玉止くんが担持先生から頼まれて水槽の水を足した。
だけど担持先生は16時25分には教室に見回りに行ったけれど16時30分には職員室で会議をしている。
担持先生と玉止くんが言っていることが食い違っている。
「担持先生も玉止くんも嘘を言っているわけないし……」
これはもうタイムリープしてシ確認するしかない。
「時間よ巻きもどれ!タイムリープ!ゴー!」
僕はタイムメガネで昨日の16時24分にタイムリープした。担持先生の言っていることを確認する為だ。
教室の一番後ろにある水槽の中の水は8割のまま変わっていない。
教室窓側のカーテンの後ろに隠れて担持先生が来るのを待った。
「あれ笛口さん?」
最初に教室にやって来たのは笛口さんだった。自分の机の引き出しからリコーダーを探して机に上に置いた。どうやら笛口さんも忘れ物をしたみたいだ。
「笛口どうした?」
ちょうどその時、担持先生が後ろのドアから教室に入ってきた。時間は16時25分。
「音楽クラブで使うリコーダーを忘れて取りに来ました」
「そうか。気をつけてな」
担持先生がそう言うと笛口さんは教室から出ようとする。
「あっ、笛口。ちょっとお願いしていいか?」
「なんですか?」
「水槽の水、足しといてくれないか?飼馬くんに水換えお願いしたんだけど、最後までできてないみたいなんだ。ほら水が満杯になってないだろ。水足してくれるだけでいいから頼んだ」
担持先生はそういうと笛口さんの返事を聞かないまま速足で教室から出ていった。職員室での会議が迫ってきているようだ。
何か言いたそうな表情の笛口さんはとぼとぼと水槽の目の前へ歩いていく。
「私、お魚さん苦手なのに……」
笛口さんはひとりごとを言った。
その瞬間、タイムリープのタイムリミットがやってきて僕はオリジナルタイムに戻ってしまった。
このタイムリープで担持先生が言っていたことが本当だと分かった。そして水槽の水を足すようにお願いされたのは玉止くんじゃなくて笛口さんだった。
そんな笛口さんは魚嫌い。きっと笛口さんは水を足さなかったんだ。とすると――。
僕は今日3回目のタイムリープをした――。
時間は16時29分。笛口さんと玉止くんは廊下でバッタリ会ったみたいだ。
そこで2人が話しているのが聞こえる。
「玉止くん。担持先生が水槽の水を満杯にしておいてって言ってたよ!それじゃお願いね」
笛口さんはそう言うと早足で廊下を曲がっていってしまった。
「水槽ね~水槽~」
玉止くんはそう呟きながら教室に戻って忘れ物の水筒を見つけて、水槽の前に行く。
そして怪我をした自分の手を見つめて頭を抱えている。
「これなら大丈夫だよな?」
自分自身にそう問いかけるように水筒を左右に振ってから、水槽の中に入れ始めた。
「事件の真相が分かったぞ!間違いない!」
僕は小さくガッツポーズをした。これで全ての謎が解けたはずだ。
僕とスケットくんが職員室から教室へ戻る途中、1時間目の終わりのチャイムが鳴った。
教室に入ると黒板の前にケイジくんが立っていた。自信満々な表情が顔を見るだけでも分かる。きっと事件の真相を見抜いたに違いない。
「ちょうどいい所にこれから俺の推理を披露するところだ」
ケイジくんはそういうと黒板に白いチョークで文字を書きながら推理を披露していく。
クラスメイトはみんな黙ってケイジくんの推理を聞こうとしている。僕とスケットくんは教室の前に立ったままケイジくんの推理を聞くことにした。
「まず被害者であるメダちゃんが元気を無くした理由だ。今朝の時点でエサはまだ入っていたから空腹が理由じゃない。だとすると、なにが原因だと考えられるのか……飼馬くん」
ケイジくんは飼馬くんの言葉を目線でうながした。
「メダちゃんは……メダカは汚れた水が嫌いなんだ」
担持先生は自分の手帳をみて確認した。その手帳を覗いてみると確かに昨日の日付には16時30分~会議と書かれている。
「ちょっと待ってどういうことだろ?」
スケットくんは頭を悩ませている。僕も同じだ。
16時10分に飼馬くんが水換えを終わらせた。
そして16時30分に忘れ物を取りに来た玉止くんが担持先生から頼まれて水槽の水を足した。
だけど担持先生は16時25分には教室に見回りに行ったけれど16時30分には職員室で会議をしている。
担持先生と玉止くんが言っていることが食い違っている。
「担持先生も玉止くんも嘘を言っているわけないし……」
これはもうタイムリープしてシ確認するしかない。
「時間よ巻きもどれ!タイムリープ!ゴー!」
僕はタイムメガネで昨日の16時24分にタイムリープした。担持先生の言っていることを確認する為だ。
教室の一番後ろにある水槽の中の水は8割のまま変わっていない。
教室窓側のカーテンの後ろに隠れて担持先生が来るのを待った。
「あれ笛口さん?」
最初に教室にやって来たのは笛口さんだった。自分の机の引き出しからリコーダーを探して机に上に置いた。どうやら笛口さんも忘れ物をしたみたいだ。
「笛口どうした?」
ちょうどその時、担持先生が後ろのドアから教室に入ってきた。時間は16時25分。
「音楽クラブで使うリコーダーを忘れて取りに来ました」
「そうか。気をつけてな」
担持先生がそう言うと笛口さんは教室から出ようとする。
「あっ、笛口。ちょっとお願いしていいか?」
「なんですか?」
「水槽の水、足しといてくれないか?飼馬くんに水換えお願いしたんだけど、最後までできてないみたいなんだ。ほら水が満杯になってないだろ。水足してくれるだけでいいから頼んだ」
担持先生はそういうと笛口さんの返事を聞かないまま速足で教室から出ていった。職員室での会議が迫ってきているようだ。
何か言いたそうな表情の笛口さんはとぼとぼと水槽の目の前へ歩いていく。
「私、お魚さん苦手なのに……」
笛口さんはひとりごとを言った。
その瞬間、タイムリープのタイムリミットがやってきて僕はオリジナルタイムに戻ってしまった。
このタイムリープで担持先生が言っていたことが本当だと分かった。そして水槽の水を足すようにお願いされたのは玉止くんじゃなくて笛口さんだった。
そんな笛口さんは魚嫌い。きっと笛口さんは水を足さなかったんだ。とすると――。
僕は今日3回目のタイムリープをした――。
時間は16時29分。笛口さんと玉止くんは廊下でバッタリ会ったみたいだ。
そこで2人が話しているのが聞こえる。
「玉止くん。担持先生が水槽の水を満杯にしておいてって言ってたよ!それじゃお願いね」
笛口さんはそう言うと早足で廊下を曲がっていってしまった。
「水槽ね~水槽~」
玉止くんはそう呟きながら教室に戻って忘れ物の水筒を見つけて、水槽の前に行く。
そして怪我をした自分の手を見つめて頭を抱えている。
「これなら大丈夫だよな?」
自分自身にそう問いかけるように水筒を左右に振ってから、水槽の中に入れ始めた。
「事件の真相が分かったぞ!間違いない!」
僕は小さくガッツポーズをした。これで全ての謎が解けたはずだ。
僕とスケットくんが職員室から教室へ戻る途中、1時間目の終わりのチャイムが鳴った。
教室に入ると黒板の前にケイジくんが立っていた。自信満々な表情が顔を見るだけでも分かる。きっと事件の真相を見抜いたに違いない。
「ちょうどいい所にこれから俺の推理を披露するところだ」
ケイジくんはそういうと黒板に白いチョークで文字を書きながら推理を披露していく。
クラスメイトはみんな黙ってケイジくんの推理を聞こうとしている。僕とスケットくんは教室の前に立ったままケイジくんの推理を聞くことにした。
「まず被害者であるメダちゃんが元気を無くした理由だ。今朝の時点でエサはまだ入っていたから空腹が理由じゃない。だとすると、なにが原因だと考えられるのか……飼馬くん」
ケイジくんは飼馬くんの言葉を目線でうながした。
「メダちゃんは……メダカは汚れた水が嫌いなんだ」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
トウシューズにはキャラメルひとつぶ
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。
小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。
あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。
隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。
莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。
バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。
シンクの卵
名前も知らない兵士
児童書・童話
小学五年生で文房具好きの桜井春は、小学生ながら秘密組織を結成している。
メンバーは四人。秘密のアダ名を使うことを義務とする。六年生の閣下、同級生のアンテナ、下級生のキキ、そして桜井春ことパルコだ。
ある日、パルコは死んだ父親から手紙をもらう。
手紙の中には、銀貨一枚と黒いカードが入れられており、カードには暗号が書かれていた。
その暗号は市境にある廃工場の場所を示していた。
とある夜、忍び込むことを計画した四人は、集合場所で出くわしたファーブルもメンバーに入れて、五人で廃工場に侵入する。
廃工場の一番奥の一室に、誰もいないはずなのにランプが灯る「世界を変えるための不必要の部屋」を発見する五人。
そこには古い机と椅子、それに大きな本とインクが入った卵型の瓶があった。
エポックメイキング。
その本に万年筆で署名して、正式な秘密組織を発足させることを思いつくパルコ。
その本は「シンクの卵」と呼ばれ、書いたことが現実になる本だった。
【完】ことうの怪物いっか ~夏休みに親子で漂流したのは怪物島!? 吸血鬼と人造人間に育てられた女の子を救出せよ! ~
丹斗大巴
児童書・童話
どきどきヒヤヒヤの夏休み!小学生とその両親が流れ着いたのは、モンスターの住む孤島!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
夏休み、家族で出掛けた先でクルーザーが転覆し、漂流した青山親子の3人。とある島に流れ着くと、古風で顔色の悪い外国人と、大怪我を負ったという気味の悪い執事、そしてあどけない少女が住んでいた。なんと、彼らの正体は吸血鬼と、その吸血鬼に作られた人造人間! 人間の少女を救い出し、無事に島から脱出できるのか……!?
*☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆* *☆*
家族のきずなと種を超えた友情の物語。
「羊のシープお医者さんの寝ない子どこかな?」
時空 まほろ
児童書・童話
羊のシープお医者さんは、寝ない子専門のお医者さん。
今日も、寝ない子を探して夜の世界をあっちへこっちへと大忙し。
さあ、今日の寝ない子のんちゃんは、シープお医者んの治療でもなかなか寝れません。
そんなシープお医者さん、のんちゃんを緊急助手として、夜の世界を一緒にあっちへこっちへと行きます。
のんちゃんは寝れるのかな?
シープお医者さんの魔法の呪文とは?
おねこのさんぽみち
はらぺこおねこ。
児童書・童話
おねこのうたを詩や物語にしてみました。
今まで書いた詩を……
これから書く詩を……
徒然るままに載せていきます。
また。ジャンルがなにになるかわかりませんのでおそらく一番近い「児童書・童話」で書かせていただきます。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
⭐︎登録お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐︎登録して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
第二音楽室の化け物
おにぎり
児童書・童話
健太はコメノ小学校に通う5年生だ。
ピアノ教室に通う健太は一週間後に控える発表会に向けて、「カノン」を練習していた。
この日、健太は体操服を忘れたのを思い出して放課後の小学校に忍び込んでいた。
ロッカーから体操服を取って教室を出ようとすると、どこからかピアノの音が聞こえてくる。
その落ち着いた旋律に聞き覚えがあった。
「カノン」だ。
音楽室に行ってみるが、そこには誰もいなかった。
一体誰が奏でているのだろう。どうしても気になった健太はその旋律を辿ることにした。
そして遂に、三階の男子トイレと女子トイレの間、『第二音楽室』があるのを見つけた。
しかし、この学校には音楽室は一つしかない。疑問に思いながらも健太は第二音楽室に足を踏み入れた。
そこで健太が見たもの。それは恐ろしく黒く、ドロドロの化け物であった。
恐ろしい見た目に叫ぼうとするが、その化け物が奏でる「カノン」の旋律に言葉を失った。それはどこか寂しげであり、儚げであった。
健太は耳を離せなかった。自分が理想とする旋律がそこで流れていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる