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椅子取りゲーム事件④
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「レク係の2人がファイヤードラゴンが優勝賞品って担持先生から聞かされたのはいつだった?」
雪見ちゃんは僕の質問に素直に答えてくれた。
レク係はレクの時間がある前の日の放課後に担持先生と打ち合わせするらしい。内容はどんなゲームをするのかや勝った時の賞品などについてだ。確か椅子取りゲームの前はフルーツバスケットだったっけ。
ということはレク係だった遊部くんももちろん前日の段階でファイヤードラゴンが賞品になることを知っていたんだ。
それなら5時間目が始まるまでたっぷり時間はある。僕が気づいていないだけで2人が打ち合わせる時間はあったはずだ。遊部くんと遅沢くんは普段から休み時間一緒にいることが多いから、怪しまれる心配もないだろうし。
「よし!その打ち合わせの時にタイムリープすれば……」
僕はタイムメガネの右クロックを回転させるため手を伸ばした。
「あっ!!」
危ない危ない!確かに遊部くんと遅沢くんが打ち合わせている時に戻ることが出来れば決定的な証拠になる。
けど5時間目が始まるまで休み時間は何回もある。そのうちのどの時間に打ち合わせたのか全くわからない。それに2人の席もそんなに離れていないから授業中に打ち合わせをした可能性もある。
タイムメガネでタイムリープすることが出来るのは1日に3回。4回も5回もタイムリープすることはできない。
てきとうに戻ってしまったらこの事件が解決できなくなる。
「雪見ちゃん。あともう一つだけ質問。椅子取りゲームのラジカセ係と監視する係はどうやって決めたの?」
「えっと……本当は私、音楽好きでラジカセ使うの得意だからラジカセ係がよかったんだけど、遊部くんがラジカセ係をやるってきかなくて、私がラジカセの使い方を教えてあげたの」
雪見ちゃんの答えを聞いて内容を整理する。
一応、遊部くんと同じタイミングでファイヤードラゴンが優勝賞品だと知っていた雪見ちゃんにも協力者の疑いがあったけど、ファイヤードラゴンが優勝賞品の時点でその可能性はなさそうだ。それに協力者なら遊部くんに無理矢理ラジカセ係を取られたりはしないはず――。
雪見ちゃんに教わってまで遊部くんがやりたかったラジカセ係。
椅子取りゲームに勝つために必要なのは瞬発力。音楽が止まった時に椅子に向かって走り出す力。
けど一番大事なのはタイミングだ。どんなに足が早くてもタイミングが合わなければ椅子取りゲームには勝てない。
そのタイミングの鍵はラジカセ係が握ってる。そしてラジカセ係を何としてもやりたかった遊部くん。
「遅沢くん!きみは椅子取りゲームで優勝してファイヤードラゴンをゲットするためにズルをしたね」
僕は黒板の前に立ってそう言い放った。
教室内はザワザワと騒ぎ始める。まだ証拠はない。2人の反応を見てからタイムリープで証拠を集めるんだ。
「ズルなんて出来るはずないじゃないか!」
遅沢くんはそう言った。他のクラスメイトの何人かも同じ反応だった。
椅子取りゲームに必ず勝つには参加者とラジカセ係の2人の連携が必要だからだ。他のクラスメイトも協力者がいるなんて思ってもいないだろう。
「そう遅沢くんの言う通り。1人ならそれは出来ない。でも、もしも協力者がいたとしたら?」
クラスメイトはキョロキョロと自分以外のクラスメイトを見渡す。
「遊部くん。協力者はきみだ!椅子取りゲームに勝つためには音楽が止まるタイミングがわかることが必要なんだ!さらに遊部くんはレク係だから優勝賞品がファイヤードラゴンだと事前に知っていた!」
遊部くんは驚いたようで汗をかき始めた。
「遊部くんに遅沢くん!ズルってどういうことなんだよ!」
ファイヤードラゴンをゲットするために頑張って椅子取りゲームに挑戦した八坂くんはもちろん黙っていない。
他の男子生徒も同じ気持ちで、あちこちからそうだ!そうだ!と声が聞こえてくる。その中には決勝戦で戦ったスケットくんと打野くんもいる。
「一体どうやってズルをしたって言うんだよ!」
遊部くんは席を立ち上がり発言する。やっぱり素直にズルをしたとは認めてくれない。
雪見ちゃんは僕の質問に素直に答えてくれた。
レク係はレクの時間がある前の日の放課後に担持先生と打ち合わせするらしい。内容はどんなゲームをするのかや勝った時の賞品などについてだ。確か椅子取りゲームの前はフルーツバスケットだったっけ。
ということはレク係だった遊部くんももちろん前日の段階でファイヤードラゴンが賞品になることを知っていたんだ。
それなら5時間目が始まるまでたっぷり時間はある。僕が気づいていないだけで2人が打ち合わせる時間はあったはずだ。遊部くんと遅沢くんは普段から休み時間一緒にいることが多いから、怪しまれる心配もないだろうし。
「よし!その打ち合わせの時にタイムリープすれば……」
僕はタイムメガネの右クロックを回転させるため手を伸ばした。
「あっ!!」
危ない危ない!確かに遊部くんと遅沢くんが打ち合わせている時に戻ることが出来れば決定的な証拠になる。
けど5時間目が始まるまで休み時間は何回もある。そのうちのどの時間に打ち合わせたのか全くわからない。それに2人の席もそんなに離れていないから授業中に打ち合わせをした可能性もある。
タイムメガネでタイムリープすることが出来るのは1日に3回。4回も5回もタイムリープすることはできない。
てきとうに戻ってしまったらこの事件が解決できなくなる。
「雪見ちゃん。あともう一つだけ質問。椅子取りゲームのラジカセ係と監視する係はどうやって決めたの?」
「えっと……本当は私、音楽好きでラジカセ使うの得意だからラジカセ係がよかったんだけど、遊部くんがラジカセ係をやるってきかなくて、私がラジカセの使い方を教えてあげたの」
雪見ちゃんの答えを聞いて内容を整理する。
一応、遊部くんと同じタイミングでファイヤードラゴンが優勝賞品だと知っていた雪見ちゃんにも協力者の疑いがあったけど、ファイヤードラゴンが優勝賞品の時点でその可能性はなさそうだ。それに協力者なら遊部くんに無理矢理ラジカセ係を取られたりはしないはず――。
雪見ちゃんに教わってまで遊部くんがやりたかったラジカセ係。
椅子取りゲームに勝つために必要なのは瞬発力。音楽が止まった時に椅子に向かって走り出す力。
けど一番大事なのはタイミングだ。どんなに足が早くてもタイミングが合わなければ椅子取りゲームには勝てない。
そのタイミングの鍵はラジカセ係が握ってる。そしてラジカセ係を何としてもやりたかった遊部くん。
「遅沢くん!きみは椅子取りゲームで優勝してファイヤードラゴンをゲットするためにズルをしたね」
僕は黒板の前に立ってそう言い放った。
教室内はザワザワと騒ぎ始める。まだ証拠はない。2人の反応を見てからタイムリープで証拠を集めるんだ。
「ズルなんて出来るはずないじゃないか!」
遅沢くんはそう言った。他のクラスメイトの何人かも同じ反応だった。
椅子取りゲームに必ず勝つには参加者とラジカセ係の2人の連携が必要だからだ。他のクラスメイトも協力者がいるなんて思ってもいないだろう。
「そう遅沢くんの言う通り。1人ならそれは出来ない。でも、もしも協力者がいたとしたら?」
クラスメイトはキョロキョロと自分以外のクラスメイトを見渡す。
「遊部くん。協力者はきみだ!椅子取りゲームに勝つためには音楽が止まるタイミングがわかることが必要なんだ!さらに遊部くんはレク係だから優勝賞品がファイヤードラゴンだと事前に知っていた!」
遊部くんは驚いたようで汗をかき始めた。
「遊部くんに遅沢くん!ズルってどういうことなんだよ!」
ファイヤードラゴンをゲットするために頑張って椅子取りゲームに挑戦した八坂くんはもちろん黙っていない。
他の男子生徒も同じ気持ちで、あちこちからそうだ!そうだ!と声が聞こえてくる。その中には決勝戦で戦ったスケットくんと打野くんもいる。
「一体どうやってズルをしたって言うんだよ!」
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