13 / 30
椅子取りゲーム事件②
しおりを挟む
教室の机が隅に寄せられ中心に13個の椅子が円状に並べられた。
その椅子の周りにクラスメイトが輪になって並んでいる。
クラスの人数は20人。レク係の2人は参加しないため参加人数は18人。最初のゲームで5人がリタイヤする。
「さあ!椅子取りゲーム、スタート!」
ラジカセの音楽をストップさせるラジカセ係の遊部くんがスタートボタンを押した。それを合図にキャンプファイヤーでよく流れる楽しい音楽が流れ始める。
それに合わせて椅子を中心にクラスメイトが時計回りに回り始めた。
この音楽が止まったら勝負の合図だ。ファイヤードラゴンをゲットしてやる。
いつ音楽が止まるかわからないドキドキ感で緊張してきた。
何周椅子の周りを回っただろう。レク係の雪見ちゃんが誰かがズルしないように立っている。そんな雪見ちゃんは2回は見たはずだから多分2周はしているはず。
トゥットゥトゥルルー♪
音楽が止まる音と一緒にみんなが椅子に向かって駆ける音が聞こえる。
僕は出遅れた。でもあと1つ椅子が残ってる!
「スケットくん……」
僕の一番近くにあった椅子に滑り込むように座ったのは何を隠そうスケットくんだった。
「モドルくん。この勝負、負けられないよ」
いくら良き相棒でもあり友だちだとしてもファイヤードラゴンは譲れないってことか。
僕は椅子に座ることができなかった。スケットくんの嬉しそうな勝ち誇った表情を見て、いまさら悔しさが込み上げてきた。
5人が脱落して残りは13人。椅子は5個減らされて8個になった。
「みんな!椅子取りゲーム、スタート!」
再び遊部くんの掛け声で音楽が鳴り始めた。
脱落した僕を含めた5人は勝ち残ったクラスメイトが椅子取りゲームをしているのを座って見てる。
スケットくんに負けたからには、もうスケットくんに勝ってもらうしかない。他のクラスメイトに勝たれると余計に悔しくなりそうだ。
『トゥトゥトゥルルー♪』
音楽が止まってみんなが一斉に椅子へ向かって走り出す。
やっぱり早いのは運動系のクラブに入ってる人たちだ。足が早いとやっぱり有利みたい。
スケットくんは……。
「やったよモドルくん!」
スケットくんは僕に向かってガッツポーズ。見事8人に残ることができた。
脱落したクラスメイトが隅の方に集まってくる。よく見てみると女子の方が多い。それもそのはずなんせ優勝賞品はファイヤードラゴンなんだから。
「みんな!椅子取りゲーム、スタート!」
椅子は5個減らされて残るは3個。8人から一気に3人まで脱落する。
残った8人は強豪ぞろいだ。よく見たら女子生徒はみんな脱落していて男子生徒しかいない。その半分以上は運動系のクラブに入ってる人たちだ。
『トゥルルートゥットゥットゥットゥッ♪』
音楽が止まってベスト3に残ったのは……。
運動神経抜群、野球クラブの打野くん。名探偵の頼れる相棒、頼れる助っ人、スケットくん。そして椅子取りゲームのダークホース、遅沢くん。
ここまで来たらスケットくんにファイヤードラゴンをゲットして欲しいけど、ここまで勝ち残った遅沢くんを応援したい気持ちもある。
だって遅沢くんは運動が苦手で足の速さもクラスで一番遅い。そんな遅沢くんが頑張ってベスト3まで残っているんだ。当然、僕は遅沢くんを応援したくなった。
「さあ!最後の椅子取りゲーム、スタート!」
椅子は残り1つになった。打野くん、スケットくん、遅沢くんの3人が一つの椅子を囲んで音楽に合わせて回っている。
どの方向からも椅子に座れるようにするため、椅子はあらかじめ用意してあった理科室にある丸い椅子に変わっている。
『トゥットゥッ♪』
音楽が止まった。3人は一斉に走り出したけど、遅沢くんの反応が少し早い。結果は……遅沢くんの優勝だ!
打野くんとスケットくんはすぐ手が届く距離にあったファイヤードラゴンをゲット出来なかった悔しさが顔に現れている。
「ファイヤードラゴンをどうぞ!」
遊部くんが優勝者の遅沢くんにファイヤードラゴンを渡した。
遅沢くんの目がキラキラと輝いて今にも笑みがこぼれそうだ。ファイヤードラゴンを両手で丁寧に持って上に掲げた。
そして拍手が巻き起こる。
その椅子の周りにクラスメイトが輪になって並んでいる。
クラスの人数は20人。レク係の2人は参加しないため参加人数は18人。最初のゲームで5人がリタイヤする。
「さあ!椅子取りゲーム、スタート!」
ラジカセの音楽をストップさせるラジカセ係の遊部くんがスタートボタンを押した。それを合図にキャンプファイヤーでよく流れる楽しい音楽が流れ始める。
それに合わせて椅子を中心にクラスメイトが時計回りに回り始めた。
この音楽が止まったら勝負の合図だ。ファイヤードラゴンをゲットしてやる。
いつ音楽が止まるかわからないドキドキ感で緊張してきた。
何周椅子の周りを回っただろう。レク係の雪見ちゃんが誰かがズルしないように立っている。そんな雪見ちゃんは2回は見たはずだから多分2周はしているはず。
トゥットゥトゥルルー♪
音楽が止まる音と一緒にみんなが椅子に向かって駆ける音が聞こえる。
僕は出遅れた。でもあと1つ椅子が残ってる!
「スケットくん……」
僕の一番近くにあった椅子に滑り込むように座ったのは何を隠そうスケットくんだった。
「モドルくん。この勝負、負けられないよ」
いくら良き相棒でもあり友だちだとしてもファイヤードラゴンは譲れないってことか。
僕は椅子に座ることができなかった。スケットくんの嬉しそうな勝ち誇った表情を見て、いまさら悔しさが込み上げてきた。
5人が脱落して残りは13人。椅子は5個減らされて8個になった。
「みんな!椅子取りゲーム、スタート!」
再び遊部くんの掛け声で音楽が鳴り始めた。
脱落した僕を含めた5人は勝ち残ったクラスメイトが椅子取りゲームをしているのを座って見てる。
スケットくんに負けたからには、もうスケットくんに勝ってもらうしかない。他のクラスメイトに勝たれると余計に悔しくなりそうだ。
『トゥトゥトゥルルー♪』
音楽が止まってみんなが一斉に椅子へ向かって走り出す。
やっぱり早いのは運動系のクラブに入ってる人たちだ。足が早いとやっぱり有利みたい。
スケットくんは……。
「やったよモドルくん!」
スケットくんは僕に向かってガッツポーズ。見事8人に残ることができた。
脱落したクラスメイトが隅の方に集まってくる。よく見てみると女子の方が多い。それもそのはずなんせ優勝賞品はファイヤードラゴンなんだから。
「みんな!椅子取りゲーム、スタート!」
椅子は5個減らされて残るは3個。8人から一気に3人まで脱落する。
残った8人は強豪ぞろいだ。よく見たら女子生徒はみんな脱落していて男子生徒しかいない。その半分以上は運動系のクラブに入ってる人たちだ。
『トゥルルートゥットゥットゥットゥッ♪』
音楽が止まってベスト3に残ったのは……。
運動神経抜群、野球クラブの打野くん。名探偵の頼れる相棒、頼れる助っ人、スケットくん。そして椅子取りゲームのダークホース、遅沢くん。
ここまで来たらスケットくんにファイヤードラゴンをゲットして欲しいけど、ここまで勝ち残った遅沢くんを応援したい気持ちもある。
だって遅沢くんは運動が苦手で足の速さもクラスで一番遅い。そんな遅沢くんが頑張ってベスト3まで残っているんだ。当然、僕は遅沢くんを応援したくなった。
「さあ!最後の椅子取りゲーム、スタート!」
椅子は残り1つになった。打野くん、スケットくん、遅沢くんの3人が一つの椅子を囲んで音楽に合わせて回っている。
どの方向からも椅子に座れるようにするため、椅子はあらかじめ用意してあった理科室にある丸い椅子に変わっている。
『トゥットゥッ♪』
音楽が止まった。3人は一斉に走り出したけど、遅沢くんの反応が少し早い。結果は……遅沢くんの優勝だ!
打野くんとスケットくんはすぐ手が届く距離にあったファイヤードラゴンをゲット出来なかった悔しさが顔に現れている。
「ファイヤードラゴンをどうぞ!」
遊部くんが優勝者の遅沢くんにファイヤードラゴンを渡した。
遅沢くんの目がキラキラと輝いて今にも笑みがこぼれそうだ。ファイヤードラゴンを両手で丁寧に持って上に掲げた。
そして拍手が巻き起こる。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
太郎ちゃん
ドスケベニート
児童書・童話
きれいな石ころを拾った太郎ちゃん。
それをお母さんに届けるために帰路を急ぐ。
しかし、立ちはだかる困難に苦戦を強いられる太郎ちゃん。
太郎ちゃんは無事お家へ帰ることはできるのか!?
何気ない日常に潜む危険に奮闘する、涙と愛のドタバタコメディー。
フラワーキャッチャー
東山未怜
児童書・童話
春、中学1年生の恵梨は登校中、車に轢かれそうになったところを転校生・咲也(さくや)に突き飛ばされて助けられる。
実は咲也は花が絶滅した魔法界に花を甦らせるため、人の心に咲く花を集めに人間界にやってきた、「フラワーキャッチャー」だった。
けれど助けられたときに、咲也の力は恵梨に移ってしまった。
これからは恵梨が咲也の代わりに、人の心の花を集めることが使命だと告げられる。
恵梨は魔法のペンダントを預けられ、戸惑いながらもフラワーキャッチャーとしてがんばりはじめる。
お目付け役のハチドリ・ブルーベルと、ケンカしつつも共に行動しながら。
クラスメートの女子・真希は、恵梨の親友だったものの、なぜか小学4年生のあるときから恵梨に冷たくなった。さらには、咲也と親しげな恵梨をライバル視する。
合唱祭のピアノ伴奏に決まった恵梨の友人・奏子(そうこ)は、飼い猫が死んだ悲しみからピアノが弾けなくなってしまって……。
児童向けのドキワクな現代ファンタジーを、お楽しみいただけたら♪
こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
子猫マムと雲の都
杉 孝子
児童書・童話
マムが住んでいる世界では、雨が振らなくなったせいで野菜や植物が日照り続きで枯れ始めた。困り果てる人々を見てマムは何とかしたいと思います。
マムがグリムに相談したところ、雨を降らせるには雲の上の世界へ行き、雨の精霊たちにお願いするしかないと聞かされます。雲の都に行くためには空を飛ぶ力が必要だと知り、魔法の羽を持っている鷹のタカコ婆さんを訪ねて一行は冒険の旅に出る。
月星人と少年
ピコ
児童書・童話
都会育ちの吉太少年は、とある事情で田舎の祖母の家に預けられる。
その家の裏手、竹藪の中には破天荒に暮らす小さな小さな姫がいた。
「拾ってもらう作戦を立てるぞー!おー!」
「「「「おー!」」」」
吉太少年に拾ってもらいたい姫の話です。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる