8 / 9
寝静まり…
3
しおりを挟む
私達は肝だめしに行かなかった。
しかし充分過ぎほどの恐怖を体験した。
顧問は病院に行き、私達は副顧問が来るまで、病院に行った部員達の荷物を片付けていた。
みな暗い面持ちで、病院に行った部員達への恨みごとを呟いていた。
帰っても、この部活は以前のようには戻らないだろう。
荷物を玄関前に置き、副顧問を待っている時間、私はお地蔵さんに別れを告げに来た。
宿泊場から借りたバケツに水とスポンジを入れ、ミネラルウォーターのペットボトルと饅頭をバックに入れて行った。
お地蔵さんの裏に回り、大岩のところに来た。
昼間でも雑木林の中は薄暗く、大岩の存在を不気味にしていた。
ここに昨夜の武者達が眠っているのか。
ふと視線をそらすと、そこには刻まれたばかりのキズ跡が…。
私は無言で、スポンジで擦りはじめた。
これで全て消えるとは思えないけれど、時間の許す限り拭いた。
心の中でたくさん謝りながら。
やがて副顧問から電話がきて、私は作業をやめた。
…やっぱりキレイは消えない。
薄くはなったけど、触れば感触がある。
ため息がでてしまう。
最後にお地蔵さんに新しい水とお饅頭を供えた。
精一杯謝罪をこめて、手を合わせた。
しかし充分過ぎほどの恐怖を体験した。
顧問は病院に行き、私達は副顧問が来るまで、病院に行った部員達の荷物を片付けていた。
みな暗い面持ちで、病院に行った部員達への恨みごとを呟いていた。
帰っても、この部活は以前のようには戻らないだろう。
荷物を玄関前に置き、副顧問を待っている時間、私はお地蔵さんに別れを告げに来た。
宿泊場から借りたバケツに水とスポンジを入れ、ミネラルウォーターのペットボトルと饅頭をバックに入れて行った。
お地蔵さんの裏に回り、大岩のところに来た。
昼間でも雑木林の中は薄暗く、大岩の存在を不気味にしていた。
ここに昨夜の武者達が眠っているのか。
ふと視線をそらすと、そこには刻まれたばかりのキズ跡が…。
私は無言で、スポンジで擦りはじめた。
これで全て消えるとは思えないけれど、時間の許す限り拭いた。
心の中でたくさん謝りながら。
やがて副顧問から電話がきて、私は作業をやめた。
…やっぱりキレイは消えない。
薄くはなったけど、触れば感触がある。
ため息がでてしまう。
最後にお地蔵さんに新しい水とお饅頭を供えた。
精一杯謝罪をこめて、手を合わせた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
2つの魔女
hosimure
ホラー
わたしの通う高校には、一人の『魔女』がいる。
『魔女』は助けを求められると、必ず助けてくれる。
けれどその反面、『魔女』を否定する者には厳しいらしい。
でも彼女は何故、『魔女』になったのだろう?
桜の森の満開の下
hosimure
ホラー
わたしは10年前まで、違う土地で暮らしていた。
けれど今はダムの底に沈んでしまっている。
病床の祖母に言われ、故郷の桜を求めて帰ったわたしが体験したこととは…。
出会いの高速道路
hosimure
ホラー
俺は仕事上、高速道路をよく使っていた。
だがある日、同僚から高速道路に現れる女の子の幽霊について聞いた。
信じていなかった俺だが、ある夜、高速道路を1人であるく女の子の姿を見つけてしまい…。
KITUNE
hosimure
ホラー
田舎に泊まりに来た女子高校生・りん。
彼女が山で出会った不思議な少年・コムラ。
二人が出会った山には昔から不吉な話があり……。
出会うべきではなかった二人に起こる事は、果たしてっ…!?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる