3 / 14
3
しおりを挟む
「ここ…ですか?」
「ええ、梨奈ちゃんのご希望よ」
梢さんの運転する車で連れて来られたのは、雑誌にも紹介されるほど有名なラブホテルだった。
「ここはカバンは必要ないぐらい、準備が整っているから」
カバンと聞いて、クラッと目眩がした。
前回、紗雪との時にはじめて見たカバンの中身は、セックス用具で埋め尽くされていた。
思い出すだけでも血の気が引く。
「このラブホテル、確か深夜番組でも紹介されていましたね」
「嬉しいわね♪ ここはウチの会社のラブホテルなのよ」
再びくらぁ~り…。
「電話一本、あるいはメールで何でも揃えてくれるから。特に若様のご希望なら、一瞬で何でも用意してくれるわよ」
梢さんはホクホク顔で言うが、オレはノーマルだ。
「あっ、そうですか」
「まっ、今回は梨奈ちゃんが相手だし、話中心にお願いね」
不意に真剣な顔になり、梢さんは声を潜めた。
「分かっていますよ。それとなく、相談に乗ってみます」
カウンセラーから、ある程度の講習は受けた。
自分では手に負えないと思ったら、カウンセラーに回すという話だし、今回は気が楽だ。
車は地下駐車場に入り、そこで梢さんとはお別れ。
「今回は終わったら連絡してちょうだい」
「分かっていますよ。それじゃあ」
「ええ、頑張ってね」
今回はお泊り無し、時間も制限されている。
逆にそれがありがたい。
時間がせまれば、イヤでも終わらせられる。
…何も女の子との絡みがイヤなワケじゃない。
でもオレはやっぱり、会社の跡継ぎとしての普通の仕事がしたい!
いい加減、こういうのは止めてほしいんだけど…親父と秘書軍団には勝てる気はしない。
命と貞操を天秤にかけて、オレは迷わず貞操を落とす!
それほど恐ろしいのだ、奴らは。
「はぁ…」
早くエラクなりたいものだ。
暗い気持ちになりながら、エレベータに乗り込んだ。
すでに相手はチェックインしているので、オレは部屋に真っ直ぐ行けば良い。
梢さんに教えてもらった階と部屋番号を思い出しながら、再びため息をついた。
部屋の前に来て、梨奈の容姿を思い出す。
長い茶髪は腰まで伸びていて、猫目も茶色だった。
全身の写真を見ると、スレンダーな美人という感じ。
紗雪とは正反対だな。
清楚で可憐という言葉が似合った紗雪。
梨奈はギャル風だな。
…そんな相手と付き合ったことがないオレは、多少なりと緊張していた。
けれど終わらせなければ、オレ自身がいろんな意味で終わらせられる!
オレはインターホンを押した。
<ピンポーン>
最近のラブホはインターホンまで付いているのか。
<ドタバタドタっ>
足音が近付いてきたかと思うと、
<バンッ!>
と勢い良く扉は開かれた。
中から現われたのは、あの写真の女の子・梨奈。
今は丈の短いキャミソールと、腰を曲げたら下着が見えそうなほど短いミニスカートを穿いている。
「若様?」
第一発声は、思っていたより若い声だった。
「うっうん。梢さんから話は聞いているだろう?」
「ええ…。入って」
「ええ、梨奈ちゃんのご希望よ」
梢さんの運転する車で連れて来られたのは、雑誌にも紹介されるほど有名なラブホテルだった。
「ここはカバンは必要ないぐらい、準備が整っているから」
カバンと聞いて、クラッと目眩がした。
前回、紗雪との時にはじめて見たカバンの中身は、セックス用具で埋め尽くされていた。
思い出すだけでも血の気が引く。
「このラブホテル、確か深夜番組でも紹介されていましたね」
「嬉しいわね♪ ここはウチの会社のラブホテルなのよ」
再びくらぁ~り…。
「電話一本、あるいはメールで何でも揃えてくれるから。特に若様のご希望なら、一瞬で何でも用意してくれるわよ」
梢さんはホクホク顔で言うが、オレはノーマルだ。
「あっ、そうですか」
「まっ、今回は梨奈ちゃんが相手だし、話中心にお願いね」
不意に真剣な顔になり、梢さんは声を潜めた。
「分かっていますよ。それとなく、相談に乗ってみます」
カウンセラーから、ある程度の講習は受けた。
自分では手に負えないと思ったら、カウンセラーに回すという話だし、今回は気が楽だ。
車は地下駐車場に入り、そこで梢さんとはお別れ。
「今回は終わったら連絡してちょうだい」
「分かっていますよ。それじゃあ」
「ええ、頑張ってね」
今回はお泊り無し、時間も制限されている。
逆にそれがありがたい。
時間がせまれば、イヤでも終わらせられる。
…何も女の子との絡みがイヤなワケじゃない。
でもオレはやっぱり、会社の跡継ぎとしての普通の仕事がしたい!
いい加減、こういうのは止めてほしいんだけど…親父と秘書軍団には勝てる気はしない。
命と貞操を天秤にかけて、オレは迷わず貞操を落とす!
それほど恐ろしいのだ、奴らは。
「はぁ…」
早くエラクなりたいものだ。
暗い気持ちになりながら、エレベータに乗り込んだ。
すでに相手はチェックインしているので、オレは部屋に真っ直ぐ行けば良い。
梢さんに教えてもらった階と部屋番号を思い出しながら、再びため息をついた。
部屋の前に来て、梨奈の容姿を思い出す。
長い茶髪は腰まで伸びていて、猫目も茶色だった。
全身の写真を見ると、スレンダーな美人という感じ。
紗雪とは正反対だな。
清楚で可憐という言葉が似合った紗雪。
梨奈はギャル風だな。
…そんな相手と付き合ったことがないオレは、多少なりと緊張していた。
けれど終わらせなければ、オレ自身がいろんな意味で終わらせられる!
オレはインターホンを押した。
<ピンポーン>
最近のラブホはインターホンまで付いているのか。
<ドタバタドタっ>
足音が近付いてきたかと思うと、
<バンッ!>
と勢い良く扉は開かれた。
中から現われたのは、あの写真の女の子・梨奈。
今は丈の短いキャミソールと、腰を曲げたら下着が見えそうなほど短いミニスカートを穿いている。
「若様?」
第一発声は、思っていたより若い声だった。
「うっうん。梢さんから話は聞いているだろう?」
「ええ…。入って」
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる