2 / 14
2
しおりを挟む
「つまり…結果的に言えば、彼女はセックスに対して何らかの悩みがあると」
「ええ」
「なのに素人のオレに任せると」
「そこはホラ、若い人同士の方が良いと思ってね。ちょうど彼女から依頼が来ているし」
「来ているんですか? 依頼」
「…ええ。ただこの結果によっては、彼女の今後を真面目に考えなくちゃいけないでしょうね。セックスが全てじゃないけど、さすがに気乗りしない相手をずっと派遣するわけにはいかないから」
客も相手も、男が自信喪失してしまうしな。
「でもそれなら別の人を派遣した方がいいんじゃないですか? 確か『性』のカウンセラーもいるんでしょう?」
ウチは何も相手ばかりじゃない。
悩みを打ち明ける相手として、ちゃんと資格を持っているカウンセラーも何人かいる。
「残念ながら、全員スケジュールがいっぱいいっぱい★ それに梨奈ちゃんの場合、本当に若い人がなりやすい原因じゃないかって話なの」
「何ですか?」
「まあそれは実際、彼女に会って聞いてみて。だからあたしとしては、ぜひとも若様には梨奈ちゃんを選んでほしいの」
「…じゃあこのファイルは意味が無かったのでは?」
「まあ一応。でも梨奈ちゃんに目を付けてくれるとは思わなかったわ。やっぱり若様は見る目があるのね」
妙なところで感心されても、嬉しくない。
「ちなみに今回も断るという選択は?」
「我等、秘書軍団とあの社長から逃れる力と勇気があるなら、止めはしないわ」
梢さんはニッコリ笑顔を浮かべたが、メガネの奥の瞳はマジだ。
「…ではこの梨奈って女の子でお願いします」
「分かったわ。それじゃあセッティングはこっちで準備するから」
「はい…」
紗雪の時は勢いでヤッてしまったけれど、今回はもしかしたらやらなくても良いかもしれない。
何せ相手はセックスに何かしらの負の感情を持っている。
話し合いだけで終わるのならば、良い経験になるかもしれない。
その時のオレは、僅かに浮かんだ可能性に喜んでいた。
…そんな簡単に済むハズはないと、実感するのは間も無くのことだった。
「ええ」
「なのに素人のオレに任せると」
「そこはホラ、若い人同士の方が良いと思ってね。ちょうど彼女から依頼が来ているし」
「来ているんですか? 依頼」
「…ええ。ただこの結果によっては、彼女の今後を真面目に考えなくちゃいけないでしょうね。セックスが全てじゃないけど、さすがに気乗りしない相手をずっと派遣するわけにはいかないから」
客も相手も、男が自信喪失してしまうしな。
「でもそれなら別の人を派遣した方がいいんじゃないですか? 確か『性』のカウンセラーもいるんでしょう?」
ウチは何も相手ばかりじゃない。
悩みを打ち明ける相手として、ちゃんと資格を持っているカウンセラーも何人かいる。
「残念ながら、全員スケジュールがいっぱいいっぱい★ それに梨奈ちゃんの場合、本当に若い人がなりやすい原因じゃないかって話なの」
「何ですか?」
「まあそれは実際、彼女に会って聞いてみて。だからあたしとしては、ぜひとも若様には梨奈ちゃんを選んでほしいの」
「…じゃあこのファイルは意味が無かったのでは?」
「まあ一応。でも梨奈ちゃんに目を付けてくれるとは思わなかったわ。やっぱり若様は見る目があるのね」
妙なところで感心されても、嬉しくない。
「ちなみに今回も断るという選択は?」
「我等、秘書軍団とあの社長から逃れる力と勇気があるなら、止めはしないわ」
梢さんはニッコリ笑顔を浮かべたが、メガネの奥の瞳はマジだ。
「…ではこの梨奈って女の子でお願いします」
「分かったわ。それじゃあセッティングはこっちで準備するから」
「はい…」
紗雪の時は勢いでヤッてしまったけれど、今回はもしかしたらやらなくても良いかもしれない。
何せ相手はセックスに何かしらの負の感情を持っている。
話し合いだけで終わるのならば、良い経験になるかもしれない。
その時のオレは、僅かに浮かんだ可能性に喜んでいた。
…そんな簡単に済むハズはないと、実感するのは間も無くのことだった。
0
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる