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それは今の自分とよく似ていた。
人と付き合うことを自ら避けて、心を閉ざす。
美園自身が、まるで物言わぬ芸術品の1つのようだった。
「美園はさ、誰か好きな人でも作った方が良いんじゃないか? せっかくキレイな顔しているんだし」
「そうだな…。じゃあ、柚季にしようかな?」
ブーっ
飲んでいた紅茶を、思いっきりふき出した。
「げほげほっ。いっいきなり何言い出すんだよ! オレは男だし、それに小学生だぞ! お前は変態かっ!」
…当時のオレって、本当に怖いもの知らずだったよな。
眼の前にいる人に、『変態』と言えたんだから。
まああながち、間違ってもいなかった。
何せ美園の答えは…。
「ああ、そうかも。柚季のことを気に入っているし」
そう言って手を伸ばし、オレの後頭部に触れた。
「んっ!?」
と思ったら、いきなり引き寄せられて、テーブル越しにキスをされた。
「柚季はどう? 気持ち悪い?」
「気持ち悪くはないけど…。でも付き合うって言ってもオレの家、転勤族だし滅多にここに来れないぞ?」
「待つよ。後は手紙や電話やメールで我慢する。待つのは慣れているしね」
そう語る美園の笑顔があまりに弱々しかったから…。
「…分かった。じゃあこれからよろしくな」
…と、友達より先に、恋人ができてしまった。
しかもかなり年上の同性。
でも…キスがとても気持ち良かったから。
その気持ち良さに負けてしまったのかもしれない。
その後、長い休みの時は両親に無理を言って、ここを訪れるようにした。
だからだろうか?
海外赴任の話が出た時、両親が祖父の家へ預けると言い出したのは。
オレがここを気に入っているか、祖父達を慕っていると、両親は思ったのかもしれない。
まあそれも間違いではない。
でもやっぱりオレは、美園の傍にいられることが嬉しかった。
美園は恋人になった途端、とても小学生相手にしてはいけないことばかり、するようになった。
慣らされてしまったオレもオレだけど…。
やっぱり快感には弱い。
だがっ! それと友達作りとはまた別!
けれど美園にのめり込めば、友達作りは遠ざかる一方…。
「はぁあ~。オレ、一生友達できないのかな?」
最近浮かび上がる不安は、美園の笑みを見るたびに大きくなっていった。
【完】
人と付き合うことを自ら避けて、心を閉ざす。
美園自身が、まるで物言わぬ芸術品の1つのようだった。
「美園はさ、誰か好きな人でも作った方が良いんじゃないか? せっかくキレイな顔しているんだし」
「そうだな…。じゃあ、柚季にしようかな?」
ブーっ
飲んでいた紅茶を、思いっきりふき出した。
「げほげほっ。いっいきなり何言い出すんだよ! オレは男だし、それに小学生だぞ! お前は変態かっ!」
…当時のオレって、本当に怖いもの知らずだったよな。
眼の前にいる人に、『変態』と言えたんだから。
まああながち、間違ってもいなかった。
何せ美園の答えは…。
「ああ、そうかも。柚季のことを気に入っているし」
そう言って手を伸ばし、オレの後頭部に触れた。
「んっ!?」
と思ったら、いきなり引き寄せられて、テーブル越しにキスをされた。
「柚季はどう? 気持ち悪い?」
「気持ち悪くはないけど…。でも付き合うって言ってもオレの家、転勤族だし滅多にここに来れないぞ?」
「待つよ。後は手紙や電話やメールで我慢する。待つのは慣れているしね」
そう語る美園の笑顔があまりに弱々しかったから…。
「…分かった。じゃあこれからよろしくな」
…と、友達より先に、恋人ができてしまった。
しかもかなり年上の同性。
でも…キスがとても気持ち良かったから。
その気持ち良さに負けてしまったのかもしれない。
その後、長い休みの時は両親に無理を言って、ここを訪れるようにした。
だからだろうか?
海外赴任の話が出た時、両親が祖父の家へ預けると言い出したのは。
オレがここを気に入っているか、祖父達を慕っていると、両親は思ったのかもしれない。
まあそれも間違いではない。
でもやっぱりオレは、美園の傍にいられることが嬉しかった。
美園は恋人になった途端、とても小学生相手にしてはいけないことばかり、するようになった。
慣らされてしまったオレもオレだけど…。
やっぱり快感には弱い。
だがっ! それと友達作りとはまた別!
けれど美園にのめり込めば、友達作りは遠ざかる一方…。
「はぁあ~。オレ、一生友達できないのかな?」
最近浮かび上がる不安は、美園の笑みを見るたびに大きくなっていった。
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