1 / 62
1一夜の過ち①
しおりを挟む
私の職業は小説家だ。小説投稿サイトで小説を執筆していて、あるコンテストに応募して、見事入賞を果たした。書籍化を果たし、今の小説家という地位を手に入れた。人気が出ないと打ち切りになる世の中、幸いにも私の作品に多数のファンがいてくれて、何とか小説家という仕事にしがみつけている。
幸運は続いて、人気が出た私の初の書籍は続巻も出され、あれよあれよと人気がうなぎ上りになり、コミカライズもされて、最終的にアニメ化までたどり着いた。その時は、幸せの絶頂期だったのではないだろうか。
しかし、その幸せ絶頂期の中、あんなことが起こるだろうことは、思わなかった。自分自身、今考えても信じられない。
アニメ化が決まり、原作者である私は浮かれていた。アニメに欠かせないのが声優だ。私は小説を自分で執筆する前から、アニメが好きだった。深夜アニメは大抵のものは録画して視聴していた。その中で、声優というものに興味を持つのは特段不思議なことではない。
声優の多彩な演技、色のある演技に魅了された私は、ある一人の男性声優に一目ぼれした。外見ももちろんだが、声が私の好みにドンピシャだった。彼は、アニメでは悪役が多かった。男性にしては少し高めの声だが、その中にかすかな色気を含んでいて、悪役を魅力的にさせていた。彼が悪役に声を吹き込むことで、悪役が魅力を増し、私は悪役であるにも関わらず、彼の演じたキャラを応援することが多くなった。
そんな中、私のアニメ化作品の声優陣が発表された。配役が発表されると、私は夢でも見ているような気分になった。
作品中の悪役の声優に、私が一目ぼれした彼が採用された。私としても、彼に悪役をしてもらったら、自分の作品が更に面白いものになるだろうなとは考えていたが、それが本当になるとは思っていなかった。
決まった瞬間、何度も確認してしまった。しかし、それは本当だったようで、さらに驚くことに、彼の方は私の作品のファンだったらしい。アニメ監督がわざわざ私に教えてくれた。
私の作品はアニメ会社に恵まれ、彼を含めて声優陣にも大変恵まれていて、アニメ化は大成功に終わった。何度も言うが、ここまでが私の幸せの絶頂期だったと思う。
その後は、何とも大変なことになることを当時の私は知る由もなかった。
幸運は続いて、人気が出た私の初の書籍は続巻も出され、あれよあれよと人気がうなぎ上りになり、コミカライズもされて、最終的にアニメ化までたどり着いた。その時は、幸せの絶頂期だったのではないだろうか。
しかし、その幸せ絶頂期の中、あんなことが起こるだろうことは、思わなかった。自分自身、今考えても信じられない。
アニメ化が決まり、原作者である私は浮かれていた。アニメに欠かせないのが声優だ。私は小説を自分で執筆する前から、アニメが好きだった。深夜アニメは大抵のものは録画して視聴していた。その中で、声優というものに興味を持つのは特段不思議なことではない。
声優の多彩な演技、色のある演技に魅了された私は、ある一人の男性声優に一目ぼれした。外見ももちろんだが、声が私の好みにドンピシャだった。彼は、アニメでは悪役が多かった。男性にしては少し高めの声だが、その中にかすかな色気を含んでいて、悪役を魅力的にさせていた。彼が悪役に声を吹き込むことで、悪役が魅力を増し、私は悪役であるにも関わらず、彼の演じたキャラを応援することが多くなった。
そんな中、私のアニメ化作品の声優陣が発表された。配役が発表されると、私は夢でも見ているような気分になった。
作品中の悪役の声優に、私が一目ぼれした彼が採用された。私としても、彼に悪役をしてもらったら、自分の作品が更に面白いものになるだろうなとは考えていたが、それが本当になるとは思っていなかった。
決まった瞬間、何度も確認してしまった。しかし、それは本当だったようで、さらに驚くことに、彼の方は私の作品のファンだったらしい。アニメ監督がわざわざ私に教えてくれた。
私の作品はアニメ会社に恵まれ、彼を含めて声優陣にも大変恵まれていて、アニメ化は大成功に終わった。何度も言うが、ここまでが私の幸せの絶頂期だったと思う。
その後は、何とも大変なことになることを当時の私は知る由もなかった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
スマイリング・プリンス
上津英
ライト文芸
福岡県福岡市博多区。福岡空港近くの障害者支援施設で働く青年佐古川歩は、カレーとスマホゲー大好きのオタクだった。
ある夏、下半身不随の中途障害者の少年(鴻野尚也)に出会う。すっかり塞ぎ込んでいる尚也を笑顔にしたくて、歩は「スマイリング・プリンス」と作戦名を名付けて尚也に寄り添い始める。
【完結】いつの間にか貰っていたモノ 〜口煩い母からの贈り物は、体温のある『常識』だった〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ライト文芸
「いつだって口煩く言う母が、私はずっと嫌いだった。だけどまぁもしかすると、感謝……してもいいのかもしれない」
***
例えば人生の節目節目で、例えばひょんな日常の中で、私は少しずつ気が付いていく。
あんなに嫌だったら母からの教えが自らの中にしっかりと根付いている事に。
これは30歳独身の私が、ずっと口煩いくて嫌いだった母の言葉に「実はどれもが大切な事だったのかもしれない」と気が付くまでの物語。
◇ ◇ ◇
『読後には心がちょっとほんわか温かい』を目指した作品です。
後半部分には一部コメディー要素もあります。
母との確執、地元と都会、田舎、祖父母、農業、母の日。
これらに関連するお話です。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる