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2.経理部、田中A子
☆その11、田中A子は疑心暗鬼①
しおりを挟む「んひゃっ!」
変な声が出た。ぐるぐる考えあぐねていたところで、彼のものがズルンとすべったから。的を外したんだと即座に感じた。でも。
「ん、え、なにして……ッ」
ナカに入らないまま動いている。熱っぽく愛液をからめ、ゆっくりと、入口に沿わせて動くだけ。
それが……
「……ッやぁ……」
「エンボちゃん、手、貸して」
「え……?」
「俺の、触って」
……言われた通りに、する。四つ這いのまま右手を浮かせて自分の下腹部へ。触れたものはぬるぬるして、硬くて、なにより確かに大きかった。
別の生き物のようなソレを撫でた。こんなものが、一度は身体の中に入ったなんて信じられない。半分握ると後ろから満足げなため息。
「ゆっくり動かすからさ、手、そのまま当てといて。エンボちゃんの好きな強さで押しつけて」
「はい……ぁ、んんン……っ」
手で押しつけるとお互いの性器がさらに密着して、クリに引っかかるたびに私は声を上げた。くちゅくちゅと音がする。彼のモノはどんどん熱くなって、私の手はどんどん濡れていく。
カクン、と、ひじが折れて上体がベッドへ崩れた。お尻だけ突き出して、みっともなく快楽を貪る。どちらからともなく獣のような呼吸。
「はっ、う……」
「あーやば……エンボちゃんの手、ぬるぬるできもちいい……」
「わ、わたしも……きもち、い……!」
「ん、よかった……イッちゃいそう?」
自覚すると言葉にもならず、必死で首を縦に振った。きもちいい、いっちゃいそう。ドロドロになった右手に、大きな手がかぶさる。
「あっ? ふぁあ……ッ!」
にゅるん、と。
一瞬引っかかったような気がしたけど、それだけで。あとはもう奥までズブズブと挿れられて。
「ッ……、ああ、締まってる……」
「ふぅ、う……きもちい、よぅ……」
今度は彼自身が、ゆっくりと私に覆いかぶさる。背中にあたたかな重みを感じて、首をひねって後ろを向いて、キスをした。お腹の中は圧迫感があるけど痛くも苦しくない。ふしぎ。ただ痺れるような快楽がまとわりついてる。疲れてしまって、枕に頬を寄せた。
「あーあ、挿入っちゃったね」
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