長く短い1週間

入院

8時には出社し、帰るのは日付が変わってから暫くした後だ

この職場に就職してから7年

変わる事のない繰り返し

俺は遂に過労で倒れた

3月の末、桜の咲き始めた頃だった





「お前、もう来なくていいぞ
どうせノロマで役立たずなんだからな」

鼻で笑うように言ったのは、上司の飢上うえかみだ

過労で倒れた次の日、病室に来ての第一声だった

「は？ど、どういう事、ですか？」

俺の顔は引きつってると思う

「だ～か～ら～、お前は役立たずだから、クビって事だよ
これは会社の決定だ」
「…」
「お前の荷物は宅配しとくから、もうくんなよ」

飢上さんは言う事だけ言い、病室を出て行った

俺は呆然としていた


「…が…ん、ぃ…さん！伊川一真いがわ　かずまさん‼︎」
「‼︎」
「やっと気がつきいた
ご飯ですよ
どうしたんですか？」

俺を呼んでいたのは、まだ若い、24・5の看護師だ

心配そうに俺を覗き込んでくる

「あ…いえ…」
「そうですか」

少し不思議そうに、俺の食事の準備をする

「そう言えば、入院の事ですけどね
やっぱり様子見で1週間して欲しいそうです」

俺は栄養失調でもあり、様子見に最低1週間の入院をするよう医者に言われていた

しかし俺は、早く会社に戻らなきゃいけないと、本当なら明日の朝一番で退院する予定だった

でも、もう会社に行く事はない

「…分かりました
入院します」
「本当ですか⁈よかったぁ
じゃあ、先生に伝えときますね！」

看護師はニコニコと笑いカーテンを閉めて出て行った

俺は味の薄い、栄養を考えられた食事を口に運ぶのだった