白銀の死神姫

Alice

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二章 忍び寄る影

episode28 吸血鬼事件⑥

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   そう言うと、白雪は空間魔法から献血セットを取り出した。

「手、貸してください」

   ルセの手をそっととると、腕に注射器を刺して、ゆっくりと血を抜きとる。
   そして、注射器を離すと、出しておいたワイングラスに注射器の中身を押し出した。


   ワイングラスに入った血を1口コクリと飲んでから、口を開く。

「で、結局あの男はどうなったんです?」

「ああ、捕まってはないな。俺達二人がかりでも敵わないんだ、強すぎて他の奴らの手にはおえない」

   献血後の腕を布で拭いながら答えるルセ。

「まあ、そうでしょうね…。レオンかエルドかノヴァ……オルガがいれば…。また変わったかも知れませんが」

(せめて私がもっと強かったら…。でも、これ以上吸血鬼の能力を引き出したら、私は…。)

   グラスを手に持ったまま、動かなくなった白雪に、気遣わしげにルセが問う。

「オルガと…。まだ会えてないのか?」

「……はい。1度も」

「そうか…。何やってんだろうな、あいつ」

「そう、ですね。本当に、何やってるんですかね…。帰ってきたら怒ってやります!」

   白雪が無理に明るく振舞ったのには気づいたルセだが、わざと気づかなかったふりをして、そうしてやれ!と、明るく返した。

「じゃあな、また報告が上がり次第知らせる」

「はい、いい報告を期待してます。とりあえず、レオンには連絡しておきました」

   それだけ聞くと、ルセは夜の中へ消えていった。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
大変!お待たせしました!!
これからは時間が有り次第、書いていこうと思いますm(_ _)m
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