90 / 110
がんばれ!鷹野くん
小話あれこれ⑥
しおりを挟む
※北海道に行ったのは10年ほど前なので、
北海道描写はできません(´・ω・`)
【1日目】
「副社長、やりすぎです」
「風邪でもひいたらどうする」
太郎はこれでもかと着膨れていた。
まん丸になったそれは歩くのも辛そうだ。
「汗をかいて逆に風邪をひきますよ。乾君もちゃんと言わないと」
「旅行、初めてだからわかんなかった」
この時鷹野、安野、多田の三人は心に誓った。
絶対楽しい旅行にしてみせる、と。※出張(仕事)です。
雪の残る北海道は寒く、空港を出るなり太郎は開口一番帰りたいと言った。
鷹野は安野と工場の視察へ行き、太郎は多田とひと足早く宿泊先のホテルへ向かった。
太郎の体調が思ったより思わしくなかったからだ。
「飛行機もずっと座ってたし、腰が痛くてあんまり歩きたくない」
涙目のそれに、鷹野は思い切り秘書二人に睨まれた。
その目には、お前どんだけやったんだよ!とありありと浮かんでいた。
こうして一日目は太郎は寝て過ごすはめになった。
ひと仕事終えた鷹野は土下座して、その後は甲斐甲斐しく世話をした。
嬉しそうなそれに、なんだかなと太郎は思った。
【2日目】
鷹野安野ペアは、鷹野スポーツ新店へ最終チェックに向かった。
多田と太郎は市場へ向かう。
一刻も早く仕事を終わらせたい鷹野のスマホにはメッセージが溜まっている。
そのどれもが太郎からのもので、写真が添付されていた。
写真には全て多田が写っている。
「なんだ、これは!」
私が捕りましたと言わんばかりに蟹を片手に笑顔の多田。
零れそうないくら丼を前にする多田。
太郎が写ってるものは1枚もない。
「乾君が撮ってるからじゃないですか?」
安野がこともなげに言い放つ。
「二人で撮るな、とか、多田のスマホに太郎の写真が残るのは嫌だとかわがまま言うからですよ。乾君が自撮りすると思います?」
むむむ、と画面を見つめるのにまたポコンとメッセージが届く。
『一緒だったらもっと楽しかった』
そこからの鷹野は凄かった。
あっという間に二日分の仕事を終わらせ、太郎をかっさらっていった。
夜は二人きりで食事をし、繁華街を歩いた。
【三日目】
今、二人の目の前ではアザラシが下から上へするーと登っていく。
うわぁ、と太郎は感激して顔を近づけている。
ドアップで泳ぐシロクマに、てこてこ歩くペンギン。
「面白い」
「気に入ったか?」
「うん。世の中には面白いことがいっぱいあるって、鷹野が全部教えてくれる気がする」
へらと笑うその顔に、その言葉にどれほどの価値があるか太郎はわかっていないだろう。
まだまだ一緒に行きたいところも、やりたいことも山のようにある。
「俺も太郎に教えてもらったことがたくさんあるよ」
繋いだ手をぎゅうと握る。
にぎにぎと握り返しながらえへへと笑う顔は出会った頃には考えられない。
お互いが傍にいないなんてもう考えられない。
「温かいもの飲もうか」
「自販機の甘いコーヒーがいい」
空からは雪がチラチラと舞ってきて、鼻の頭でしゅんと溶ける。
鷹野と一緒だったらなんでも楽しい、赤い鼻で笑う。
ブンブンと握った手を振りながら自販機が並ぶエリアまで歩く。
※書き溜めたメモはここまでです
手を繋いで仲良く歩く後ろ姿で止まってしまって、悩みまくりましたが、続きが書けませんでした
勢いだけのメモ帳だったのだなぁ、と思ってます
読み返してみると粗がすごくて後悔しきりです
北海道描写はできません(´・ω・`)
【1日目】
「副社長、やりすぎです」
「風邪でもひいたらどうする」
太郎はこれでもかと着膨れていた。
まん丸になったそれは歩くのも辛そうだ。
「汗をかいて逆に風邪をひきますよ。乾君もちゃんと言わないと」
「旅行、初めてだからわかんなかった」
この時鷹野、安野、多田の三人は心に誓った。
絶対楽しい旅行にしてみせる、と。※出張(仕事)です。
雪の残る北海道は寒く、空港を出るなり太郎は開口一番帰りたいと言った。
鷹野は安野と工場の視察へ行き、太郎は多田とひと足早く宿泊先のホテルへ向かった。
太郎の体調が思ったより思わしくなかったからだ。
「飛行機もずっと座ってたし、腰が痛くてあんまり歩きたくない」
涙目のそれに、鷹野は思い切り秘書二人に睨まれた。
その目には、お前どんだけやったんだよ!とありありと浮かんでいた。
こうして一日目は太郎は寝て過ごすはめになった。
ひと仕事終えた鷹野は土下座して、その後は甲斐甲斐しく世話をした。
嬉しそうなそれに、なんだかなと太郎は思った。
【2日目】
鷹野安野ペアは、鷹野スポーツ新店へ最終チェックに向かった。
多田と太郎は市場へ向かう。
一刻も早く仕事を終わらせたい鷹野のスマホにはメッセージが溜まっている。
そのどれもが太郎からのもので、写真が添付されていた。
写真には全て多田が写っている。
「なんだ、これは!」
私が捕りましたと言わんばかりに蟹を片手に笑顔の多田。
零れそうないくら丼を前にする多田。
太郎が写ってるものは1枚もない。
「乾君が撮ってるからじゃないですか?」
安野がこともなげに言い放つ。
「二人で撮るな、とか、多田のスマホに太郎の写真が残るのは嫌だとかわがまま言うからですよ。乾君が自撮りすると思います?」
むむむ、と画面を見つめるのにまたポコンとメッセージが届く。
『一緒だったらもっと楽しかった』
そこからの鷹野は凄かった。
あっという間に二日分の仕事を終わらせ、太郎をかっさらっていった。
夜は二人きりで食事をし、繁華街を歩いた。
【三日目】
今、二人の目の前ではアザラシが下から上へするーと登っていく。
うわぁ、と太郎は感激して顔を近づけている。
ドアップで泳ぐシロクマに、てこてこ歩くペンギン。
「面白い」
「気に入ったか?」
「うん。世の中には面白いことがいっぱいあるって、鷹野が全部教えてくれる気がする」
へらと笑うその顔に、その言葉にどれほどの価値があるか太郎はわかっていないだろう。
まだまだ一緒に行きたいところも、やりたいことも山のようにある。
「俺も太郎に教えてもらったことがたくさんあるよ」
繋いだ手をぎゅうと握る。
にぎにぎと握り返しながらえへへと笑う顔は出会った頃には考えられない。
お互いが傍にいないなんてもう考えられない。
「温かいもの飲もうか」
「自販機の甘いコーヒーがいい」
空からは雪がチラチラと舞ってきて、鼻の頭でしゅんと溶ける。
鷹野と一緒だったらなんでも楽しい、赤い鼻で笑う。
ブンブンと握った手を振りながら自販機が並ぶエリアまで歩く。
※書き溜めたメモはここまでです
手を繋いで仲良く歩く後ろ姿で止まってしまって、悩みまくりましたが、続きが書けませんでした
勢いだけのメモ帳だったのだなぁ、と思ってます
読み返してみると粗がすごくて後悔しきりです
51
お気に入りに追加
771
あなたにおすすめの小説
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
初夜の翌朝失踪する受けの話
春野ひより
BL
家の事情で8歳年上の男と結婚することになった直巳。婚約者の恵はカッコいいうえに優しくて直巳は彼に恋をしている。けれど彼には別に好きな人がいて…?
タイトル通り初夜の翌朝攻めの前から姿を消して、案の定攻めに連れ戻される話。
歳上穏やか執着攻め×頑固な健気受け
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
気付いたら囲われていたという話
空兎
BL
文武両道、才色兼備な俺の兄は意地悪だ。小さい頃から色んな物を取られたし最近だと好きな女の子まで取られるようになった。おかげで俺はぼっちですよ、ちくしょう。だけども俺は諦めないからな!俺のこと好きになってくれる可愛い女の子見つけて絶対に幸せになってやる!
※無自覚囲い込み系兄×恋に恋する弟の話です。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません
八神紫音
BL
やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。
そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる