異世界陸軍活動記

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竜騎士と竜翼機

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 空と大地の間には一本の線が引かれていた

 空と大地を分けるだけの一本の線

 そこにあったはずの建造物など入る余地などは一切なかった

 

 ブレドリアの7割を消滅させたハルツールの大量破壊兵器は、その場にいたマシェルモビア軍諸共消滅させた。
 幸運にもブレドリアの外周にいた生き残ったマシェルモビア軍は、何が起こったのかも分からず混乱したままハルツール軍に次々と討ち取られる。
 破壊兵器を使用したと同時にハルツール軍は、中型の竜翼機などを使用し空から兵と物資を運び、ブレドリアを完全に掌握するための拠点を建設するはずだった、だがその時のマシェルモビアの動きは早かった。
 ブレドリアは奪われた移転門から最も近いせいか、マシェルモビアはいち早く竜翼機を飛ばして来てハルツール軍の竜翼機を牽制する。竜翼機同士の航空戦力ではハルツールが『耐壁』の魔道具を積んでいるために、我が軍が優勢であった。
 しかし、ハルツールは後ろに中型の輸送機も控えており、それを守りながらの戦いを強いられ、結果目的の場所に拠点を建設する事が出来ずにいた

 互いに制空権を奪うべく数多の竜翼機がブレドリアに向け飛び立つ、そして地上からは空からの輸送を断念した資材を運ぶため、数多の軍用車が目的地に向け走り出していた。
 我が竜騎士隊も拠点確保のためブレドリアの中心部に向けて行動を開始するが、俺は部隊とは離れ別行動となっている。
 部隊はレンダルに任せ、俺は一度ブレドリア奪還の拠点となっている都市ペリドットまで下がり、そこで味方竜翼機の部隊と合流、その竜翼機と共にブレドリアに向かう。
 マシェルモビア側はなりふり構わずという感じで竜翼機を飛ばしまくっている、何としてもハルツールが拠点を建設するのを阻止しその間に地上部隊を最編成するつもりだろう。
 だがそのハルツール側も必死であり、ブレドリア攻略はもちろん都市ロメや、緩衝地帯での偵察・戦闘、それに5年前の作戦で多大な被害を受け大量に失った竜翼機の補充などで、機体はもちろんパイロットも不足している。
 その中で唯一空を飛べる召喚獣を持つ俺が、『航空部隊』としてブレドリアに向かう事となった

 だが、今の俺には空は飛べるがその攻撃手段がない。
 女神サーナによって属性魔法の全てを封印された今、俺が接近意外の攻撃出来る手段と言ったら弓もしくは銃のみである。
 高速で飛ぶ竜翼機に対し弓など届くはずがないし、銃などは当たったとしても大したダメージは望めない。
 せめて属性魔法で弾丸に付与出来たらいいのだが、その属性魔法自体封印され使えない。唯一出来るのは弾に『重力』魔法を付与して機体深くに入り込ませる事だろうか?。
 魔法主体で戦って来た俺にとって、これはとても痛い事だった。事が事だけに属性魔法が使えなくなったことは周りには言えずにいた

 キャノピーを貫通させて直接パイロットに弾をねじ込めば何とかなるか‥‥
「当たればの話だけど」
 そうボヤきつつ弾に『重力』魔法を付与していく

「ハヤト中尉殿」
 今回行動を共にする竜翼機の部隊長から声を掛けられた

「もう出発ですか?」

「いえ、まだ時間はあります。お話は今回行動を共にするにあたってその連絡方法ですが━━」


 当然ながら歩兵と違い竜翼機同士での連絡は簡単にはいかない、飛んでいるのだからキャノピーがあるし風の音が言葉を遮る、キャノピー越しに話しかけても。
「えっ? 何て?」
 となるし、聞こえなかったと言って近寄ろうものなら激突し互いに墜落してしまう、そんなバカはいませんが。
 という訳で竜翼機同士の通信手段としてハンドサインによるやり取りがある。過去に何度かパイロットにハンドサインで合図を貰ったが、陸専門の俺は全然知らなかったため少々痛い目を見ていた。
 少々どころではないな、物凄く痛い目に遭った。
 だが今回はというか、ハルツールに戻って来てから少し出撃までに時間があったため、ハンドサインの勉強をしっかりしてきた。
 これで竜翼機のパイロットと━━


「━━小型の通信機をお渡ししますので、これを背負ってもらえるでしょうか?」

「うーん‥‥分かりました」
 ハンドサインの勉強は時間の無駄だった様子、背中に背負う小型の通信機を手渡された

「周波数は既に合わせてありますので」
 そして通信機を渡してくれた隊長さんは
「今回竜騎士であるハヤト中尉と共に行動出来る事誇りに思います、出発は30分後になりますのでよろしくお願いします」


 竜翼機を率いる隊長が去った後

「‥‥とは言ってもねぇー、今の自分じゃ役に立たないんだよねぇ」
 独り言をつぶやきながら『重力』を付与した弾丸をカートリッジに詰めていった



 ◆◇

 30分後、俺は召喚獣のガルーダに乗り既に上空にいた。竜翼機と違い滑走路が必要ないので、隊長機が飛んだあとすぐに離陸した。
 竜翼機の推進力は『風』魔法によるものなので、機体を安定したままある程度のホバリングが可能となっている。しかし、ガルーダは飛ぶことに特化したとはいえ、ホバリングが出来ないので滑走路上空を出来るだけ低速で旋回し、他の竜翼機の離陸を待っていた

 次々と離陸する竜翼機、そして離陸したパイロットからは通信機で会話をする。隊長とは作戦を聞くために話をしたが、その他のパイロットとは話をしていない。
 なので、そのパイロット達から色々と話が飛ぶ、大体は『光栄です』みたいな話だが

「ハヤト中尉、出来ればこのままこの部隊にいませんか? 出来れば部隊名は竜騎士隊にして」

「それはいい! どうです中尉? 少し考えてみませんか?」

 ふむ‥‥
「それもいいかもしれませんね」
 リップサービスというか、何となく話を合わせてみた、すると━━

「やった!!」

「ホントですか!?」

「でしたらハヤト中尉にこの部隊長のバッヂを渡しますから」

 など急に騒ぎ出した。竜翼機のパイロット達は最初話を合わせているだけかな? と思っていたが、何やら本気にしているようだった。
 ここでそんな事を言っても俺が竜翼機の隊長になるはずが無いのだが、そういうのは上の偉い人が決める訳で‥‥。
 でもパイロット達は何やら楽しそうと言うか少し興奮している様子、口だけならタダだし、楽しそうにしているのならもう少し話を合わせておこうと思う

「竜翼機の隊長ですかー、だったら自分も竜翼機に乗りたいですねー、前々から興味はありましたし」

「「ホントですか!!?」」

「でしたら自分の機体に乗りませんか?」

「いやいや! 俺の機体に!」

 俺の俺のと言っているが、小型の竜翼機なので一人乗りなんですよ? 俺が乗ったらあなた達はどうするの? もしかして俺に機体に張り付けとか言い出さない?

「出来れば別の竜翼機がいいですね、政府専用機に乗せてもらった事があるんですが、それがいいかなー」
 そうすれば俺が操縦する必要ないし、機銃なんかは追加で取り付けてそれを他の人に任せたりして‥‥。
 となると俺は何をすればいいのかな? 楽をすればいいのかな?

「へぇー政府専用機ですか? 他に誰も乗った事が無いはずだしどんな感じでしたか?」

「まずトイレが完備されているし」

「「トイレ!」」
 パイロット達は声を上げる、政府専用機なのだからそれ位はついてて当たり前だが、まあそっちの機体はトイレとか付いてないしね、パイロットは普段オシメ付けてるらしいし、一応携帯のトイレとかあるみたいだけど

「あとはBARが常設されててお酒が飲めるんですよ、種類も結構あってそれに味も厳選されているみたいで」

「いいですねぇー! BARですか」

「自分もBARで飲ませてもらっていいですか?」

「いいよいいよー」
 とは言ったものの、どうやって飲むんだろう? 空中給油みたいにホースを伸ばしてそのままパイロットの口の中に入れるのだろうか? いや待てよ‥‥フックみたいなのを取り付けて空中に固定すればいいのかな? そこから乗り降りして‥‥‥

 ━━!!

 そうだ! 空中空母をいっそのこと作ってしまおう!
 なんかテンション上がってきた

「どうせなら空中空母を作りましょうか?」

「えっ?」

「くっ、空中空母ですか?」

「空中‥‥空母?」
 
 どうやらパイロット達は想像出来ない様子、この世界では空中空母と言う概念は無いようだ
「空中空母っていうのは、空に浮かんでいる空母の事ですよ」

「空に浮かんでいる空母‥‥」
 暫く考えていたパイロット達だが、そのうちイメージが追い付いてきたのか

「お、おお‥‥」

「なるほど、そこから自分達は発進するわけですね!」

「そうだね、それまでは空母の中で待機してて、時間があったらジムで体を鍛えたりとかレクリエーションルームで時間を潰したりとか」

「「おおおおお!!!」」

 更に興奮するパイロット達、実際のところ海の空母にもそういった施設はあるが、それが空にあるという事に価値がある。
 更に空飛ぶ軍艦とか‥‥浪漫しかない。そのうち波動砲とか付いて宇宙まで行っちゃうかもしれない

 そんな夢物語をしている間にも全ての竜翼機が離陸し終わった。結局のところ魔法があるから空中空母とか作れそうだけど国家予算並みにカネがかかると思う、国家予算はいくらかは存じ上げませんが。
 要するに、無理。
 全ては夢物語です、さあ夢から覚めましたか? ではブレドリアに行くとしましょう



 ・・・・

 ・・・


 低空飛行でブレドリアの目的地に向かう竜翼機の編隊、俺はその中央に位置している。どっちかと言えば俺はお客さんに近いし、まさかまさか無理とかさせないだろうと思っていいたが、本当に無理はさせなかった。
 これがタクティアだったら
「先頭でお願いします」
 と普通に言ってくるだろうが

 低空で飛ぶ理由は遮蔽物が一切なくなったため、高度を上げるとその分見つかりやすくなり、対空砲の餌食になる可能性もある為、出来るだけ低空でしかも低速で進まなければならない。
 とは言ってもマシェルモビアも対空砲などまだ設置出来てはいないと思うが、それでも念のためだと竜翼機を率いる隊長は言っていた。
 俺だったら
「ささっと行っちゃおうよ」
 とか言い、高速飛行しちゃうけど。でもその位は慎重でなくてはならないのだろう、そうしないと俺みたいに対空砲で撃ち落とされちゃうし、あれは慢心の極みでしたね

 低空でしかも低速で飛行している為、地上を走る軍用車の姿がはっきりと見える。資材などを積み込み目的地へと運んでいた。あの中にウチの竜騎士隊も含まれているのかな?。
 彼らが無事に目的地に着けるよう、その場所の制空権を完全に取って置かなければならない。その為の自分達である

 しっかりと制空権を取って安全に資材を運べるようにしておくからな

 そう思いながら地上部隊の上を通り過ぎた。とは思っていても実際俺は何もできませんが

 そして他のパイロット達もそう思っているかと言えば、‥‥少し怪しい。
 まだ出発時に話していた空中空母の話で盛り上がっている、大丈夫ですか? 一応索敵とかして欲しいのですが、してますよね? 話はしててもちゃんとしてますよね? いきなり対空砲で撃たれませんよね? 信じてますよ? 
 私ね、一度落とされてから結構トラウマなんですよ、空飛ぶの怖いんですよ本当は、大丈夫ですよね? 信じてますよ

 とは思いつつもやはり他人は信用できない、自分の事すら信用できないのに‥‥
 という事で編隊の更に上空に、先行させる形で多重召喚でポッポを配置し目で索敵をしていた

 それではるか上空からのポッポの視界には、あの赤い柱での被害が凄まじいものだったと実感できる程景色が一望できる。
 大量破壊兵器はブレドリアをドーナツに変化させた。つまり都市の真ん中が無い状態

 ここまでとは‥‥

 一度見た景色だが、改めて見るとそのすごさに驚く。その失った都市の上空では制空権を確保しようといくつもの竜翼機が飛び交い戦闘を行っていた

 あそこまで行くのか‥‥

 軍用車なら数時間は掛かる距離だが竜翼機なら数分で到達する、少し早いが銃を取り出し体の前に置く。正直空中戦など自分に出来るはずが無いのだが‥‥

 少し緊張して手汗が出て来た時であった

「あっ‥‥」
 その光景に声を出してしまう。出来れば見たくなかった光景だった

「ハヤト中尉どうしましたか?」

 う~~ん‥‥

「中尉?」

 出来れば二度と会いたくなかった相手だし、相手にしたくない相手でもある。でもこのまま進まれると後続の地上部隊と鉢合わせするだろう、遮蔽物も無いし隠れる所も無い、間違いなく地上部隊は蹂躙される。
 無視は‥‥できないか
 嫌だなぁ

「隊長、本部に連絡を」

「了解しました、してその内容は?」

「西北西からオーガ多数、そして『特殊個体オーガ』を確認、特殊オーガ撃破の為に任務変更の許可を」

「とっ! 特殊!? 了解、直ぐに連絡を」

 上空からポッポの目で見る限りでは、このままでは地上部隊が危険にさらされる。そして位置からそれを防ぐことが出来るのはこの竜翼機の部隊以外ありえない。つまり自分達しかいない、アレを見逃せば味方に多大な被害が出てしまう。
 最初に俺が出会った時、まず傷を付ける事すら出来なかった、それほど皮膚が硬かった。
 俺がいないときにハルツールにあの個体が攻めてきたときには、戦車があったおかげで退ける事が出来た。
 だが今は戦車はこの場に無い、その代わりの対策が俺にあるかと言えば一応無い事は無いが、うまくいくかどうか‥‥

 それに、あのオーガ‥‥何かを着ているように見えるんだけど

 
 数分後、いくつものオーガと鎧を纏った特殊個体オーガとの戦闘が始まる
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