異世界陸軍活動記

ニボシサービス

文字の大きさ
上 下
53 / 260

捕虜

しおりを挟む

「離して! 離して下さい! 乱暴にしないで!」

 捕虜を捕まえ、戦闘があった場所から離れる

 追加の部隊が来ると思っていたのだけど、来る気配は全く無く、とりあえずはここから離れようということになった。

 かれこれもう4時間は歩き続けているが、竜翼機の乗組員をひとまず休ませたい、応急処置はもう施してはあるが、魔法と違い回復薬にはそれほど効果はない、かなり痛むらしく脂汗が噴き出している、彼にはソルセリーが付き添い、捕虜にした女はベルフが対応している

「痛い! 強く引っ張らないで、私が何をしたって言うんですか!?」

 特に何もしてない、捕虜になっただけ。

 俺が作った泥入りの落とし穴に落ち、薄茶色の色に染まったマシェルモビアの女性兵士、頭には魔法を制限する鎖と、手には手枷、足には歩幅を減少させる物が付いている。

 彼女はさっきからとても五月蠅い、こっちは追手を警戒しつつ目立たないように行動しているのに‥‥多分彼女は不安になっているのだろう、これから自分がどんな目に合うのかを‥‥‥‥

「分かったわ! これから貴方たちは私の体を弄ぶつもりでいるんですね!? わ、私には心に決めた人がいるんです、いくら私が豊満な胸を持ってるからって、そんなひどいことをするのはやめて下さい!」

 豊満‥‥

 彼女の胸をよく見てみる、特に気にもしていなかったが、まぁ、確かに大きい方に入るとは思う、でも俺が初等部に居た時のおっぱい先生よりはかなり小さい、まずはおっぱい先生を超えてから『豊満』を名乗ってもらいたい。しかも先生は形もかなり良かった。

「ヒッ!」
 俺が胸を凝視すると胸を庇うように両腕で隠す、後ろではソルセリーがギロリと俺を睨んでいる気がする、なんだかんだでこのソルセリーがは気性が荒いみたいで余り関わり合いたくない。

 ベルフにも聞いておこうか
「ベルフ、この女どう思う? 襲いたいと思うか?」

「いっ!? と、ちょっと!」
 いきなり話を振られてオロオロするが
「お、俺は結婚してるし、妻一筋なんだ、この女を襲う事なんかは無い!」
 きっぱりと言い切った

 ベルフは妻帯者でしたか、そうですか

「だそうだ、よかったな」

 ベルフが「おいおい」と小声で呟く

「あ、貴方はどうなんですか!? どうせ後で誰も見ていない所で私を襲う気でしょ!」

 俺が疑われているのか、心外だな。

 俺はこの世界の『三大美女』を知っている、世界一美しいミラと世界一可愛いネクター、そして俺の女神マシェル、この三人に比べたら目の前の薄茶色の女なんかそこら辺の石ころと同じ、無機物を襲うとかまず無いです、そんなの変態じゃないですか。

 しかし彼女が不安になっているならそれを解消しないと、いつまでたっても五月蠅いままだし、とりあえず襲う気は微塵も無いと言わないと。
 ‥‥ただこういう女性は真実を言っても「嘘! 信じられない!」とか、言い出すに決まっている、だから襲わないという根拠を示さない信じてもらえない、そして少し落ち着いてもらわないと‥‥

「いいかい? 男だって誰これ構わず盛ったりすることは無いんだ、そこにいる人は怪我をしてそれどころじゃないし、君の隣にいるベルフだって嫁さんの方が大事で君に興味を持てない、俺も君よりも可愛い女性を知っていて、俺はその女性を狙っているんだ。 
 悪いけど君はその女性に到底及ばない、あと君は胸に自信があるみたいだけど、君よりも胸の豊かな女性を知っている、大きいにも関わらず形もしっかりしていて、何度も触ろうかと躊躇したことがある。
 その胸に比べると‥‥君の胸は普通よりは大きいかもしれないけど、大事なのは大きさよりも感度だと思うんだ、その次に形だね、君は胸当ての上からでも分かるくらい、いささか垂れ気味なんじゃないか?‥‥それと男にだって選択する権利ってのがあると思うんだけど‥‥」

「‥‥そのくらいで止めてやってくれないか」
 
 襲うことはないということを信じてもらうために、理由を述べていたところ、べフルに不意に遮られてしまった、そこで俺は気づいたのだけども‥‥

「うっ‥‥ぐすっ‥‥ぐすっ」

「最っ低‥‥」

 彼女はすすり泣いていた。
 ソルセリーにも非難され、男性陣は俺以外沈痛な面持ちでいる

 言い過ぎたか!

「あっ! いや、君の胸の事は俺の個人的な感想であって、全部の男がそんな風に思っている訳ではないからね! ちょっとぐらい形が崩れていたって‥‥」

「うぁぁぁぁぁあん!」
 泣かせてしまった‥‥
 
 昔、兄さんが
「女は自分の胸の事を気にしているからな、絶対に悪く言ったりしたら駄目だぞ、女が自分の胸の事で悩んでいたら、『でも俺は君の胸は好きだよ』とか言っておくんだぞ」

 あの時の兄さんの言ったことは正しかったよ、ありがとう兄さん勉強になる

「あ! で、でも君の胸は好きだよ」

「いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 ・・・・・・

 ・・・・・・

「所で君のいた部隊は殆どが新兵のようだったけど?」

「多分他の人も戦闘経験のない人達だと思います」

 思いっきり騒いだら逆に冷静になったようで、俺達の質問にも答えてくれるようになった。
 ナイス俺の頭脳プレイ

「多分?」

「‥‥私は卒業してからすぐあそこに配属になりましたけど、他の人は学校を卒業してからしばらくして軍に入ったりとか‥‥、ここに来る前に急遽編成されたので、顔と名前が一致しない人ばかりで‥‥」

 なるほど、だからか

「君たちはどんな任務を受けたのか聞いていいかい?」

「い、言いませんよ! 私だって軍人なんです、重要な任務の事なんか言えるはずないじゃないですか!」

 重要ねぇ‥‥
「言っておくけれど、こちら側の行動が君たちの国に筒抜けになっているのはもう知っているから、軍の上の人達も把握している、今回あそこで襲われるってことも、この作戦が書かれた紙に書いてある」

 そこまでは詳しく書かれていない司令書を、ひらひらと振る

「えっ!」

「君たちの任務は、自国の竜翼機と連携して、我が国の輸送機の破壊」

「‥‥っ」
 彼女の体が少し反応する

「その次に、ここにいる破壊の一族の殺害」
 実際は「漏れているかもしれないよ」程度なんだけど

「‥‥そこまで分かっているんですね」

「マシェルモビアの軍人の中に、ウチのスパイが結構いるからね」
 嘘です、知りません。ただ今の彼女の返答で破壊の一族がいることを知っていたことになる

「ええ、サコナ・ソルセリーの殺害が私たちの任務です」

 意外とあっさりとゲロってくれた、流石はドジっ子、名前まで把握していることで、今回のハルツール軍にはサコナ・ソルセリーがあの場所にいた事を、マシェルモビアは完全に知っていたってことになる、つまりこちらの任務の内容が駄々洩れ状態、ただ、よく分からないのが一つ

「破壊の一族がいるのを分かっていて、何で君たちの様な急いで寄せ集めた部隊に命令が下ったの?」

「分かりません、時間が無いので急遽といわれましたけど‥‥」

 時間がないからか、なら仕方ないのかな?

「それは少しおかしいな」
 
 ベルフが口を挟む、色々経験豊富らしい彼が疑問に思ったことだから、何かあるのかな?

「いくら時間が無くても、あらかじめ決められた班や隊の割り当てがあるはずだ、それに、あの拠点にはどれほどの兵がいるか分から‥‥、ゴホン! あれだけの兵がいるのにあの場所に出てきたのが分隊二つだけってのはな」

「そう言われましても私には‥‥」

 組織がガタガタでなのかな? それとも待ち伏せ用に取っておいてるのかな。

「ねぇ、あなた」
 さっきからずっと不機嫌な顔をしていたソルセリーが口を開いた
「グースって知っているかしら?」

 知ってます

「はい‥‥マシェルでも有名ですから」
 ちょっとだけ照れるな‥‥

「ここにいるんだけど」

「え‥‥」
 顔が恐怖の色に染まり、体を抱きしめるように縮こまる
「ど、どこですか‥‥」

 ソルセリーの指が俺の方を指し「そこ」

「‥‥ち、違うじゃないですか! 脅かさないでください! グースは仮面で顔を隠してるって聞いてますし、もしそうだったら今頃気絶しています」

 ぷんぷんと怒っている女兵士、ソルセリーは俺の方を見て顎をしゃくる様に合図をして来たので、とりあえず仮面を『収納』から出して顔に掛けてみる


「‥‥え!‥‥い! いやぁぁぁぁあ あ あ‥‥あーあれ??‥‥コホン‥‥‥‥」

 悲鳴を途中で止めた

「う、嘘です! 嘘つかないでください! からかっているんですか!? 騙されませんから!」

 顔を真っ赤にして抗議するけど、途中まで騙されてるからね

「嘘じゃないよ俺がグースだよ」
 召喚獣の鳩ポッポを出してみる
「こんな召喚獣って見たことあるかい?」

「いえ、見たこと無いです‥‥グースは変な召喚獣を呼べ‥‥本当にグースなんですか?」

 俺は頷いてみせる、肩に乗っているポッポは憤りを隠せないでいる、「変な召喚獣」に反応したようだ

「で、でも映像で見た時と違って全く怖くないですし‥‥そうか!特訓の成果がでたんですね」

「特訓? 特訓ってなんだ?」

「あの時の映像を永遠と見せられるんです、それはもう毎日毎日‥‥」

「そう、それは大変だったわね‥‥」
 女二人で共感している
 
 苦行みたいなことを言わないでよね
「毎日見てるなら俺の顔を見ても気付かなかったの?」

「あんなの直視出来るはずないじゃないですか、少し目を反らしてでも気を失うことがあったのに」

 本人の目の前であんなのとか言われるとちょっと傷付くんだけど、仕返しに、また君のおっぱいのこと弄りますよ?

「でもこれで私にはグースの威圧は通じないことが分かりました! もうグースなんか怖くないですから!」

 グース見切ったり! みたいなドヤ顔をしている、でもね‥‥
「威圧はもう無くなったんだよ、女神マシェルに取ってもらったからね」

「「「 女神マシェル! 」」」
 
 俺以外、一斉に驚く
「女神に会ったのか!?」
「どんな方だったのよ!」
「何で、何で女神マシェルに! 嘘ですよね! 嘘ですよね!?」

 ベルフに両肩を掴まれ、両腕を女性二人に引っ張られ

「詳しく! 詳しく聞かせてくれ!」
 本当に怪我をしているのか? 怪我をしているのがウソのように俺に飛び掛かってくる、竜翼機の乗組員

「まぁまぁ、待ちなさい説明するから慌てないで、ふふふ」
 必死になって説明を求める4人を見ていると最高に気持ちいい、優越感に浸りながら、話を少し盛りつつ詳しく経緯を説明をした、4人が共通で知りたかったのは、教会にある女神像との違いはどうか? とのこと、像は所詮像でしかなく、本物とは全く違うと伝えた、とは言っても俺もあの時じっくりと見たわけではないけれど。

 ・・・・・

 ・・・・・

 女神マシェルの話から天使ネクターの話へ移る、ネクターとは何度も食事を一緒にした仲(2回)、ネクターとはキスもした(無理やり)、俺の女だから手を出さないようにと(予定無し)、4人に念を押す

「天使ネクターが貴方と会ったというのは知ってはいたけど‥‥」
「手とか出せるわけないだろう‥‥恐れ多い」
「天使ネクターはどんな方何ですか!?」

「そうだね、一言でいえば、『世界一可愛い』かな?」

 女神マシェルと天使ネクターのことを根掘り葉掘り聞いてくるが、俺は聞かれてないことまでベラベラ話した

 だって楽しいし

 その後も色々話をしていたのだけど、マシェルの女兵士が急に

「あっ! 女神マシェルの事で話が飛びましたけど、さっき威圧が無くなったっていいましたね!」

「そうだね」

 「あー、それでか、変だなーと思ったんだよな」と、ベルフが呟く。多分初めて会った時のことを思い出しているんだろう、その時は逃げることで精一杯でそこまで気が回らなかったんだと思う、彼は最初俺を見た時に「竜騎士」と言っていたが、同時にグースだということは知っていた。なのに威圧を感じなかった。不思議には思っていたけど今ので納得したのだろう。

「ならもうグースの威圧に怯えることも無いってことでいいんですね!?」

「あっ‥‥」
 ベルフが小さな声をだす

「もしかしてあの時の映像の姿になること自体、もう出来ないんじゃないんですか!?」

「あの時だけだね、あの姿になったのは」

「だったら私の国はもう貴方に怯えることも‥‥」
 
 ジャキン!

 と後ろで音がした、振り返るとソルセリーが槍を構え今にも飛び掛かるような姿勢を取っている。
「貴方はベラベラと喋り過ぎなのよ! おかげでこの子を殺さなければならなくなったわ」

「君は知ってはいけない事を知ってしまったようだ。君からは大体の情報も得ることが出来たし、このまま本国に帰還出来たら捕虜の交換で、マシェルモビアに返そうと思っていたんだが‥‥悪く思わないでくれ」

「あ‥‥あぁ‥‥」
 ゆっくりと『収納』から出てくる刀を見て、女兵士は自分の言動が踏み込み過ぎたことを後悔した

 重い空気の中
「二人ともちょっと落ち着きなよ、ほら、ベルフも刀を下げて、捕虜にした者を殺したら罰則があっただろ?」

「何を言ってるの! 全部貴方が悪いんじゃない、これはもう貴方だけの事じゃ無いのよ! グースとその威圧はハルツールに取って武器であり、マシェルモビアの兵にとっては恐怖なの! だから彼女のような者達だけで部隊を組ませて、様子を見るために捨て駒にしたのよ、私の事は知っているけど、貴方の事は知らされてなかったのはそのためよ!」

「えっ‥‥」
 なぜ自分達だったのか? 今ようやく理解し言葉が出ない女兵士と

 なるほどなー
 と、感心する俺がいる、ただ、バレるのは時間の問題だったし、その代わりのアレがあるし

 俺は女兵士の方を見て
「ごめん‥‥」
 と謝罪の言葉を言う、それで女兵士は自分の命がここで終わることを察したかのごとく、目から輝きが失われていく

「先に謝らせてもらうよ、戦争とはいえ君の国の兵士たちを殺してしまったことを、それと君はここで死んだりしないから安心して」

「え‥‥」

「貴方はこの期に及んで、何を言ってるの! この子を生かしておいたら‥‥」
 俺は手でその次に続く言葉を制し

「あの時の姿にはあれ以来なってないし、威圧は無くなってしまったけど、基本俺はグラースオルグなんだ‥‥、それで天使ネクターに聞いたことなんだけど、俺が殺した人はね、もう生まれ変わることが出来なくなるんだ」

 俺以外の人達は、一瞬何を言っているのか分からないような顔をする

「グラースオルグは全てを喰らう物、喰われた者は体どころか魂まで喰われ、輪廻の輪から外される、だから俺に殺された君の国の兵士は生まれ変わりは無い」

 この世界の人々は、死んだら生まれ変われると信じている、死=来世であり、兵士などは死ぬ間際「次の人生は‥‥」と、来世に思いを馳せる、そうすることで死ぬ恐怖を押さえるという、だからこの世界の人々は死をあまり恐れない、宗教上の真実、誰もが知っている常識。

 だがもし、来世が無いとしたら‥‥人は死を恐れるだろう

「そして、俺の力の一部として魂が使われることになる、こんな風に‥‥」

 ボウッ!
 
 彼女の目の前に火柱が立ち昇る、それは段々と形を変え、頭の様な物が現れる、続けて手・足と人の形を作っていく、そこから顔が作られ目・鼻・口とパーツが浮かび上がる

「あ、あ‥‥」

 それは彼女が先ほどまで隊を組んでいた一人の男性の顔へと変貌していく、俺が最初にランスで貫いた兵士の顔へと‥‥

 女兵士は恐怖でカチカチと歯を鳴らし、声すら出せない

 男性の姿になった炎の口がゆっくりと開かれ「ヒュー ヒュー」と風が漏れるような音、そしてその口から掠れた声で‥‥

『‥‥タ  ス    ケテ』
 人の顔を持った炎は、助けを求めるように右手を彼女に伸ばし‥‥


「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

 女兵士は叫び声を上げ、気を失った


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 俺は嘘は言ってない、俺が殺したら生まれ変わることは出来ないし、頭に石が当たって死んでも生まれ変わることは出来ない、そして死後の魂は消滅し魔力になり大気中に漂う、一応証拠に大気中の魔力を使って人型の炎を作って見せた、

 懐かしい‥‥久々にファイヤーマンを作ってしまった。
 モデルは最初にランスで貫いた男性兵士、コレを作ると学校内で村八分状態だった時のことを思いだしてしまうが、同時に欧米ズの事を思い出してしまう、元気でやっているだろうか‥‥。

 ファイヤーマンの声はクジュの村に駐留していた時に、クリオとマロンを驚かせるため土で作った人形に声帯を作り、『風』魔法で中から空気を送り、声が出ているように見せて遊んでいた、初めて土人形を見た時の二人のリアクションが今でも忘れられない。

 今回のファイヤーマンは『火』『土』『風』と三つの魔法を使った、高度な技で自信作だ

「な、なぁ‥‥さっき言ったことって‥‥」

 未だに動揺しているベルフが聞いてくる、ソルセリーも数歩俺から離れ右手で心臓を押さえるような仕草をしている

「全部本当のことだよ」
 嘘偽り無し、真顔で答える

「そうか‥‥」
 気持ち、少しだけ俺から離れていったベルフとソルセリ―

 さて、この女兵士はどうするかと思い女兵士に視線を移すと、泥まみれの全身薄茶色の彼女だが、股の所だけキレイになっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!

猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」 無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。 色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。 注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします! 2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。 2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました! ☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。 ☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!) ☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。 ★小説家になろう様でも公開しています。

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

処理中です...