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夢見
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いつの間にか夢をみていた。
小さい頃に一人で留守番をしていた時の夢だ。
弟が急に熱を出したので、両親が病院に連れていった。
昼寝をしていた私が目を覚ますと部屋の中には誰もいなかった。
それは、原初の記憶だった。
薄暗くて、広い部屋の中で恐怖にかられた私は声も発せずにただ立ち尽くしていた。
両親が帰ってきた時には火がついたように泣き出したのだという。
後から聞いた話から、存在しない記憶を作り出した可能性もあるが、その恐怖心だけは大人になっても忘れることができなかった。
気がつくと、私は祠の中にいた。
さっきまで車の中に居たはずなので、これも夢なのかもしれない。
扉の隙間から外を覗きこむと、そこには空中に浮かぶ巨大な触手に覆われた単眼の生き物がいた。
生き物なのかどうかも解らない。
ただ、恐ろしく奇っ怪な化物が浮游している。
その恐怖はなぜか、幼少期の夢のように深い虚無に包まれた感覚であった。
手足から急速に血の気が引いていき、呼吸する方法が解らなくなってしまったかのように息苦しい。
恐怖そのものを目の当たりにした私は夢の中で声にならない悲鳴をあげた。
その自身の悲鳴に驚いて私は目を覚ました。
冷えているのに、じっとりと嫌な汗をかいていた。
しばらく、息を整える。
LINEを見ると直里からは、帰宅しましたという、ヒヨコのスタンプが送られており、馬場からの返事はなかった。
車や機材を置いたまま、何の連絡もせずに居なくなるのはやはり、不自然過ぎた。
私はエンジンをとめ、周囲を探してみることにした。
はやく馬場を見つけて、一刻もはやくこの場所から去りたい。
そんな想いで辺りを見渡す。
すると、先ほどは気付かなかったが古びた石像のようなものが祀られているのに気づいた。
猿のような猪のような顔のお地蔵様。
一体ではなく、規則的な間隔を開けて他にも立っているようだった。
その点を結ぶと、五芒星の印を結んでいると理解できた。
その意味は解らないが、何かを封印しているのだろうか。
小さい頃に一人で留守番をしていた時の夢だ。
弟が急に熱を出したので、両親が病院に連れていった。
昼寝をしていた私が目を覚ますと部屋の中には誰もいなかった。
それは、原初の記憶だった。
薄暗くて、広い部屋の中で恐怖にかられた私は声も発せずにただ立ち尽くしていた。
両親が帰ってきた時には火がついたように泣き出したのだという。
後から聞いた話から、存在しない記憶を作り出した可能性もあるが、その恐怖心だけは大人になっても忘れることができなかった。
気がつくと、私は祠の中にいた。
さっきまで車の中に居たはずなので、これも夢なのかもしれない。
扉の隙間から外を覗きこむと、そこには空中に浮かぶ巨大な触手に覆われた単眼の生き物がいた。
生き物なのかどうかも解らない。
ただ、恐ろしく奇っ怪な化物が浮游している。
その恐怖はなぜか、幼少期の夢のように深い虚無に包まれた感覚であった。
手足から急速に血の気が引いていき、呼吸する方法が解らなくなってしまったかのように息苦しい。
恐怖そのものを目の当たりにした私は夢の中で声にならない悲鳴をあげた。
その自身の悲鳴に驚いて私は目を覚ました。
冷えているのに、じっとりと嫌な汗をかいていた。
しばらく、息を整える。
LINEを見ると直里からは、帰宅しましたという、ヒヨコのスタンプが送られており、馬場からの返事はなかった。
車や機材を置いたまま、何の連絡もせずに居なくなるのはやはり、不自然過ぎた。
私はエンジンをとめ、周囲を探してみることにした。
はやく馬場を見つけて、一刻もはやくこの場所から去りたい。
そんな想いで辺りを見渡す。
すると、先ほどは気付かなかったが古びた石像のようなものが祀られているのに気づいた。
猿のような猪のような顔のお地蔵様。
一体ではなく、規則的な間隔を開けて他にも立っているようだった。
その点を結ぶと、五芒星の印を結んでいると理解できた。
その意味は解らないが、何かを封印しているのだろうか。
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