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復帰の章
カナリアのドレス
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控え室で見せられたカナリアの服は、凄かった。
スカーレットやジャスティスといったギルドメンバー総力で作ったといっても過言ではないとカナリアは思った。
「い……いいんですか?」
「そうよ。これはカナリアちゃんが考え出した、竜鱗の粉をドレスにかけてるの。シフォンをドレープ状にしてドレスにしてる。後ろのリボンも可愛く出来てるから」
レースがついているわけでないのに、フリフリに感じるドレスにカナリアは袖を通した。
通し終わると、すぐさま女性陣によるヘアメイクが始まる。
アップされた髪に飾りをつけ、ネックレスなどをつければ、あっという間に完成だった。
「……すごい」
「でしょ? これがカナリアちゃんが発明した数々」
そっちじゃなくて、皆さんの技術です。平凡童顔な顔が、少しばかり大人びた顔になっていた。さすがにスカーレットやユーリのような美人にはなれないが。
ウサミミは外さないらしく、このままらしい。
「……お……おまたせ、しました」
「!」
外で待っていた男性陣が、一瞬沈黙した後次々に褒めだした。
沈黙するほど似合わなかったのだろうかと、カナリアは不安になってくる。
「虫除け、ジャッジだけで足りるか?」
ジャスティスの言葉に、カナリアが硬直した。ここ、虫が出るんですか?
「難しいだろうな。俺とレットも近くにいるわ」
続けて言うディスカスの言葉が、カナリアを不安にさせていく。ジャッジ一人でも退治できない虫とはどんなものかと。
カナリアは蜘蛛もだが、虫全般が苦手である。父方の従兄弟たちに散々それでからかわれたから、トラウマと言ってもいい。
「……わ、私」
「カナリア?」
「虫が出るなら、参加しません!」
カナリアの言葉で意味の違いを知ったジャスティスが腹を抱えて笑い出した。
「虫……っつうか、カナリアによってくる男共を言ってただけだ。本当の虫じゃない」
「ふ……ふぇぇ」
「せっかくのお化粧が台無しよ?」
泣きそうになるカナリアをママンが優しく慰めた。
「ママンさん~~」
「大丈夫ですよ。不埒なやからはこれ以上近づかせませんから」
ママンがにっこり笑ってジャッジを見つめていた。
スカーレットやジャスティスといったギルドメンバー総力で作ったといっても過言ではないとカナリアは思った。
「い……いいんですか?」
「そうよ。これはカナリアちゃんが考え出した、竜鱗の粉をドレスにかけてるの。シフォンをドレープ状にしてドレスにしてる。後ろのリボンも可愛く出来てるから」
レースがついているわけでないのに、フリフリに感じるドレスにカナリアは袖を通した。
通し終わると、すぐさま女性陣によるヘアメイクが始まる。
アップされた髪に飾りをつけ、ネックレスなどをつければ、あっという間に完成だった。
「……すごい」
「でしょ? これがカナリアちゃんが発明した数々」
そっちじゃなくて、皆さんの技術です。平凡童顔な顔が、少しばかり大人びた顔になっていた。さすがにスカーレットやユーリのような美人にはなれないが。
ウサミミは外さないらしく、このままらしい。
「……お……おまたせ、しました」
「!」
外で待っていた男性陣が、一瞬沈黙した後次々に褒めだした。
沈黙するほど似合わなかったのだろうかと、カナリアは不安になってくる。
「虫除け、ジャッジだけで足りるか?」
ジャスティスの言葉に、カナリアが硬直した。ここ、虫が出るんですか?
「難しいだろうな。俺とレットも近くにいるわ」
続けて言うディスカスの言葉が、カナリアを不安にさせていく。ジャッジ一人でも退治できない虫とはどんなものかと。
カナリアは蜘蛛もだが、虫全般が苦手である。父方の従兄弟たちに散々それでからかわれたから、トラウマと言ってもいい。
「……わ、私」
「カナリア?」
「虫が出るなら、参加しません!」
カナリアの言葉で意味の違いを知ったジャスティスが腹を抱えて笑い出した。
「虫……っつうか、カナリアによってくる男共を言ってただけだ。本当の虫じゃない」
「ふ……ふぇぇ」
「せっかくのお化粧が台無しよ?」
泣きそうになるカナリアをママンが優しく慰めた。
「ママンさん~~」
「大丈夫ですよ。不埒なやからはこれ以上近づかせませんから」
ママンがにっこり笑ってジャッジを見つめていた。
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