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真実
修復
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カイロジスティクスの担当社員が、昴から別の男性に変わった。聞けば昴は、東京方面の集配専属になったと言う。
私のことを避けているのだ。
別れを告げられたにもかかわらず、昴に会いたい気持ちは日を追うごとに増して行った。
昴に、助けてほしかった。あれは悪い夢だったんだよと、私に言って聞かせて、おぞましい記憶を上書きするように、激しく、痛めつけるほどに全身を愛してほしかった。
翌週の休日、私は朝早く家を出て、ひとりで萌黄の家を尋ねた。
実家に一人でいるのがなんとなく怖かったし、なぜだか無性に以舞の顔を見たくなったのだ。さらに正直に言えば、以舞の面影に触れて少しでも昴の影を感じたかった。あわよくば、彼が最近どう過ごしているのか知りたいという思いもあった。
以舞は初めて会った時よりも凛とした様子で立っていた。その目にも病の曇りのようなものが見受けられなかった。澄んだ瞳が私を捕らえた。
「咲良ちゃん、元気だったの? もしかして、昴と喧嘩でもしたの」
以舞が私の瞳の奥を探るように見つめてくる。
「あたりです」
「大好きな人とは喧嘩しちゃダメだって、昴に言っとくね」
そう言って以舞は微笑んだ。
包み込むような、春の日差しみたいなそのほほえみに、私は思わず彼女の胸にひたと体を押し当てた。以舞の華奢な腕が、まるで赤ちゃんをあやすときみたいに、私の背中をぽんぽんと叩いた。
背中に張り付いていた、誰にも言えない強烈な孤独感が、その手のひらで払い落されるような気がした。
「ごめんね。私が昴の悪いお手本になっちゃったのね。夫とうまくやれなかったから」
私は以舞から体を離して首を横に振った。
昴と別れてしまったことを打ち明けたいけど、聞けばきっと心を乱すほどに心配するだろう。まして、昴が復讐をたくらんでいるなどと知ったら…。
以舞のことを考えてもやはり、昴の常軌を逸した行動を止めなければならない。そんなことを思っていると、以舞が窓の外を見やって口を開いた。
「私の元夫、春明って言うの。いまごろどうしてるのかな・・・最近よく思い出すの」
そう言って微笑んだ。
「以舞さんは、春明さんに会いたい?」
「今更そんなこと言えないわ。あの人にはあの人の生活があるだろうから」
そう言って目を伏せた。まだ元夫のことを思っているのだと感じた。
私はそのあと、埼玉県で農業を営む木杉春明を探し当てて尋ねた。
昴と親しくしていて、今は以舞との交流もあると話すと、木杉は深いため息をつきながらトウモロコシ畑から出てきた。
「この間、息子も来たよ。ただ、もう二度とこないだろうな。俺にひどく幻滅した様子だったから」
農作業用の手袋を外し、首にかけたタオルで額の汗をぬぐいながら、木杉は眉をひそめた。
「私から木杉さんに、聞きたいことがあって来ました。今も以舞さんのこと、怒ってますか」
「昔のことだ」
そう言って木杉は背を向けた。
「立ち入ったことですが、以舞さんが若いころの出来事を隠したことに、悪意があったようには思えないんです」
「騙そうと思ったわけではないかもな。けど、俺なんかには洗いざらい話すことはできないって思ってたんだろう。俺は夫として信頼を築けていなかったってことだよ」
「以舞さんは隠していたわけなじゃくて、忘れようと頑張っていたんじゃないでしょうか。木杉さんと新しい家庭を築くことで、新しい人生を歩みなおすために、無かった事にしようって頑張っていたんじゃないですか」
「ずいぶん立ち入ったことを言ってるの、分かってるか」
「はい。わかってます。ついでに私の立ち入った話も聞いてください。私は、事故に遭ったせいで子供が生めません。そういう、自分も逃げ出してしまいたくなるような事実は、愛する人の前で、できることなら忘れてしまいたい」
木杉は一瞬目を見開いて私を見た。同情の色がひらめいた後、私を見つめる眼差しに力がこもるのが分かった。
「自分の体の秘密を、大好きな人に打ち明けるのは、本当に勇気がいるし怖かったです。辛いことは、相手のことが好きなほど、なかなか言えません。受け止めてもらえなかったらどうしよう、フラれちゃったらどうしようって思ったし」
「打ち明けた時、相手はなんて?」
木杉が問い返す。
「え?」
「相手はちゃんと、受け止めてくれたんだろう?」
「はい。昴さんは、『話してくれてありがとう』って、言ってくれました」
木杉が深くため息をついた。
「父親の俺なんかより立派な男だよ、昴は。俺は、『辛かったな』って、以舞の立場になって、言ってやることができなかったんだ。以舞を守ってやれなかった。そんな男なんだ」
「木杉さん…以舞さんは、木杉さんのこと、待っているみたいですよ。一度、会いに行って欲しい」
「俺は最低だ。このあいだ昴が尋ねてきたとき、以舞のことを裏切り者だと罵ったんだ。こんな俺が以舞に会いに行く資格なんてない」
「資格とかそんなんじゃなくて、お互いが会いたいかどうか、お互いが想い合っているかどうかだと思うんです」
思わず、声が大きくなった。
ぴしゃりと頬を叩かれたような顔で、木杉は私を見た。それから、降参した、とでも言うかのように、力なく笑って頷いた。
「以舞は今どうしてる?」
「今も一人ですよ。春明さんはどうしてるかなって言ってます。木杉さん、木杉さんはどうして、今もお一人なんですか? 以舞さんのこと、ずっと気にかかっているんじゃないんですか」
「ずいぶんとずけずけと人の心に土足で入り込むんだな」
木杉は言いながら、作業に使っていた道具を手に持って歩き出した。
「すみません」
「おかげですっきりしたよ。内心を掘り出されて、俺もようやく自分の想いに気が付いた」
「護ってやれなかった、そう思っているのなら、これから先以舞さんの側にいてくれませんか。以舞さんは一人で戦っています。隣に木杉さんがいたら、以舞さんはどれだけ心強くなれることか」
「もういい。言いたいことはよくわかった。悪いけど今から、以舞のいる場所に案内してくれるか」
木杉は唇を引き結び、私を見下ろした。畑仕事で日に焼けたその精悍な顔が、昴の強い意志を秘めた美しい顔立ちと重なった。
木杉を車にのせ、萌黄の家を訪ねた。
以舞は庭に立って、無心に掃き出しの窓の上を見つめ、子供のように目を輝かせていた。その姿はまるで少女のように可憐だった。
私が声をかけると、人差し指を唇に当てて「しっ」と声をたてぬようにとサインを送ると同時に、私の隣に立った木杉に気づいた。驚いた以舞は、そのままのポーズで硬直した。
「春明…」
指を下ろして、以舞は震える唇で言った。
「以舞、俺は」
以舞は再び、指をそっと上に向けた。
「春明、見て。ツバメ」
木杉が外に出て、以舞の隣に並んだ。同じ高さに目線を上げて、微笑む。
「ああ、本当だ。こんなところに巣を」
「古い巣があったところに、つがいがやってきてね、もう一回きれいに作り直して、そこに卵を産んだのよ・・・前と同じつがいなのかな。それとも別のつがいなのかな」
「そうだな…前と同じつがいが戻ってきたんじゃないか」
そう答えた木杉の表情は、すこし硬かった。以舞はその横顔を見つめ、柔らかく微笑んだ。
「春明、お帰り…」
「ただいま…遅くなってごめん」
木杉の腕が、何かを振り切るかのように素早く動いて、小さな以舞の体を包み込んだ。以舞の手が、木杉の背中の上でぴたりと止まる。背中のシャツをぎゅっと握り締め、彼女が泣いているのだとわかった。
長い長いトンネルだった。いまその先に光が見えているのだ、と私は思った。以舞が、明るい光に照らされた場所を、笑って歩けますように。私は祈るように二人を見つめた。
私のことを避けているのだ。
別れを告げられたにもかかわらず、昴に会いたい気持ちは日を追うごとに増して行った。
昴に、助けてほしかった。あれは悪い夢だったんだよと、私に言って聞かせて、おぞましい記憶を上書きするように、激しく、痛めつけるほどに全身を愛してほしかった。
翌週の休日、私は朝早く家を出て、ひとりで萌黄の家を尋ねた。
実家に一人でいるのがなんとなく怖かったし、なぜだか無性に以舞の顔を見たくなったのだ。さらに正直に言えば、以舞の面影に触れて少しでも昴の影を感じたかった。あわよくば、彼が最近どう過ごしているのか知りたいという思いもあった。
以舞は初めて会った時よりも凛とした様子で立っていた。その目にも病の曇りのようなものが見受けられなかった。澄んだ瞳が私を捕らえた。
「咲良ちゃん、元気だったの? もしかして、昴と喧嘩でもしたの」
以舞が私の瞳の奥を探るように見つめてくる。
「あたりです」
「大好きな人とは喧嘩しちゃダメだって、昴に言っとくね」
そう言って以舞は微笑んだ。
包み込むような、春の日差しみたいなそのほほえみに、私は思わず彼女の胸にひたと体を押し当てた。以舞の華奢な腕が、まるで赤ちゃんをあやすときみたいに、私の背中をぽんぽんと叩いた。
背中に張り付いていた、誰にも言えない強烈な孤独感が、その手のひらで払い落されるような気がした。
「ごめんね。私が昴の悪いお手本になっちゃったのね。夫とうまくやれなかったから」
私は以舞から体を離して首を横に振った。
昴と別れてしまったことを打ち明けたいけど、聞けばきっと心を乱すほどに心配するだろう。まして、昴が復讐をたくらんでいるなどと知ったら…。
以舞のことを考えてもやはり、昴の常軌を逸した行動を止めなければならない。そんなことを思っていると、以舞が窓の外を見やって口を開いた。
「私の元夫、春明って言うの。いまごろどうしてるのかな・・・最近よく思い出すの」
そう言って微笑んだ。
「以舞さんは、春明さんに会いたい?」
「今更そんなこと言えないわ。あの人にはあの人の生活があるだろうから」
そう言って目を伏せた。まだ元夫のことを思っているのだと感じた。
私はそのあと、埼玉県で農業を営む木杉春明を探し当てて尋ねた。
昴と親しくしていて、今は以舞との交流もあると話すと、木杉は深いため息をつきながらトウモロコシ畑から出てきた。
「この間、息子も来たよ。ただ、もう二度とこないだろうな。俺にひどく幻滅した様子だったから」
農作業用の手袋を外し、首にかけたタオルで額の汗をぬぐいながら、木杉は眉をひそめた。
「私から木杉さんに、聞きたいことがあって来ました。今も以舞さんのこと、怒ってますか」
「昔のことだ」
そう言って木杉は背を向けた。
「立ち入ったことですが、以舞さんが若いころの出来事を隠したことに、悪意があったようには思えないんです」
「騙そうと思ったわけではないかもな。けど、俺なんかには洗いざらい話すことはできないって思ってたんだろう。俺は夫として信頼を築けていなかったってことだよ」
「以舞さんは隠していたわけなじゃくて、忘れようと頑張っていたんじゃないでしょうか。木杉さんと新しい家庭を築くことで、新しい人生を歩みなおすために、無かった事にしようって頑張っていたんじゃないですか」
「ずいぶん立ち入ったことを言ってるの、分かってるか」
「はい。わかってます。ついでに私の立ち入った話も聞いてください。私は、事故に遭ったせいで子供が生めません。そういう、自分も逃げ出してしまいたくなるような事実は、愛する人の前で、できることなら忘れてしまいたい」
木杉は一瞬目を見開いて私を見た。同情の色がひらめいた後、私を見つめる眼差しに力がこもるのが分かった。
「自分の体の秘密を、大好きな人に打ち明けるのは、本当に勇気がいるし怖かったです。辛いことは、相手のことが好きなほど、なかなか言えません。受け止めてもらえなかったらどうしよう、フラれちゃったらどうしようって思ったし」
「打ち明けた時、相手はなんて?」
木杉が問い返す。
「え?」
「相手はちゃんと、受け止めてくれたんだろう?」
「はい。昴さんは、『話してくれてありがとう』って、言ってくれました」
木杉が深くため息をついた。
「父親の俺なんかより立派な男だよ、昴は。俺は、『辛かったな』って、以舞の立場になって、言ってやることができなかったんだ。以舞を守ってやれなかった。そんな男なんだ」
「木杉さん…以舞さんは、木杉さんのこと、待っているみたいですよ。一度、会いに行って欲しい」
「俺は最低だ。このあいだ昴が尋ねてきたとき、以舞のことを裏切り者だと罵ったんだ。こんな俺が以舞に会いに行く資格なんてない」
「資格とかそんなんじゃなくて、お互いが会いたいかどうか、お互いが想い合っているかどうかだと思うんです」
思わず、声が大きくなった。
ぴしゃりと頬を叩かれたような顔で、木杉は私を見た。それから、降参した、とでも言うかのように、力なく笑って頷いた。
「以舞は今どうしてる?」
「今も一人ですよ。春明さんはどうしてるかなって言ってます。木杉さん、木杉さんはどうして、今もお一人なんですか? 以舞さんのこと、ずっと気にかかっているんじゃないんですか」
「ずいぶんとずけずけと人の心に土足で入り込むんだな」
木杉は言いながら、作業に使っていた道具を手に持って歩き出した。
「すみません」
「おかげですっきりしたよ。内心を掘り出されて、俺もようやく自分の想いに気が付いた」
「護ってやれなかった、そう思っているのなら、これから先以舞さんの側にいてくれませんか。以舞さんは一人で戦っています。隣に木杉さんがいたら、以舞さんはどれだけ心強くなれることか」
「もういい。言いたいことはよくわかった。悪いけど今から、以舞のいる場所に案内してくれるか」
木杉は唇を引き結び、私を見下ろした。畑仕事で日に焼けたその精悍な顔が、昴の強い意志を秘めた美しい顔立ちと重なった。
木杉を車にのせ、萌黄の家を訪ねた。
以舞は庭に立って、無心に掃き出しの窓の上を見つめ、子供のように目を輝かせていた。その姿はまるで少女のように可憐だった。
私が声をかけると、人差し指を唇に当てて「しっ」と声をたてぬようにとサインを送ると同時に、私の隣に立った木杉に気づいた。驚いた以舞は、そのままのポーズで硬直した。
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指を下ろして、以舞は震える唇で言った。
「以舞、俺は」
以舞は再び、指をそっと上に向けた。
「春明、見て。ツバメ」
木杉が外に出て、以舞の隣に並んだ。同じ高さに目線を上げて、微笑む。
「ああ、本当だ。こんなところに巣を」
「古い巣があったところに、つがいがやってきてね、もう一回きれいに作り直して、そこに卵を産んだのよ・・・前と同じつがいなのかな。それとも別のつがいなのかな」
「そうだな…前と同じつがいが戻ってきたんじゃないか」
そう答えた木杉の表情は、すこし硬かった。以舞はその横顔を見つめ、柔らかく微笑んだ。
「春明、お帰り…」
「ただいま…遅くなってごめん」
木杉の腕が、何かを振り切るかのように素早く動いて、小さな以舞の体を包み込んだ。以舞の手が、木杉の背中の上でぴたりと止まる。背中のシャツをぎゅっと握り締め、彼女が泣いているのだとわかった。
長い長いトンネルだった。いまその先に光が見えているのだ、と私は思った。以舞が、明るい光に照らされた場所を、笑って歩けますように。私は祈るように二人を見つめた。
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