そして、僕はいなくなった

二日目

　人間には、耐用年数というものがあると思う。それは、病気であるとか事故とかそういうものとは別に、たとえそういうものが無かったとしても訪れるもの。競争社会、共生社会の中で何か心を殺すことが出来なかった人、生き残ることを諦めた人、心を閉ざした人。そういう諦めと空虚に心を宿したまま、何とか今までしがみついたけれども、どこかで決壊していずれ自分の殻に閉じこもってしまう。もういいだろ、十分だろ、頑張っただろ、ゴールしてもいいだろ。そういう思いに支配されて、ただただ自分の殻に閉じこもってしまう。

　窓から外を見ると、僕よりも二回りほど年上のおじさんたちが公園で元気にゲートボールをやっていた。あのおじさんたちよりも僕の方が残された時間は少ないのかもしれない。