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兄視点

E p i s o d e . 6 ※

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「 兄さんお帰り。遅かったね?連絡くれたらよかったのに、僕すごく心配したんだよ 」

「 ...ごめん、碧麗が連絡をしてたとばかり思ってたんだよ兄さんは。 」

「 ....また、碧麗くんと居たんだ。 」



夜遅くに帰るといつも 宝物 は怒る。
僕とは遊びに行ってくれないのに、というのが 宝物 の言い分だが、 宝物 は休日には俺を甘やかすから結局出れないのだ。
理不尽だと思うが、 宝物 は寂しがり屋なのだ。
そんな 宝物 が俺はすきだった。



「 ごめんよ、?今日の夕飯はなあに?兄さんはお前の作るご飯が大好きなんだ。 」

「 全く、兄さんはずるい 」

「 なにがずるいんだよ、ほら。早くご飯を持ってきてよ 」



どんな事でもすぐに優しい笑顔に戻る 宝物 。
そんな優しいところが本当に王子様みたいだ、
今日は一緒に入ろうね、と 宝物 が俺に言う。
そんな 宝物 を横目に俺は夕飯に口をつけた

宝物 がつくるご飯はどれも美味しい。
魔法がかかっているみたいになんでもきらきら美味しそうに光って口に入れればどんなに堅物でも笑顔になってしまうだろう。
ふと、テレビから聞こえる声に耳を傾ける。
テレビからはどうやら音楽番組が流れているらしい。
ふと、懐かしい声が聞こえる。
目も向ければやはり父だった。
父はもう40は越えるというのに若々しくとても輝いている。
かつての俺の 宝物 に頬が緩んだ。



「 ねえ、彪牙。父さんが出ているよ 」

「 ん?ああ、本当だ。..そういえば今週の休日は父さんがくるらしい 」

「 えっ、本当なの?しかも父さんだけ?母さんには会えないんだ 」

「 母さんは今ハリウッドで映画撮影中で寂しいからしばらくここに居るんだって。 」

「 しばらく..?ほんとうなの?めずらしいね、母さんが連れていかないの 」

「 父さんも仕事があるらしい 」

「 ふうん、.. 」



この家に両親が戻ってくるのは年末年始ときまぐれに仕事が休みの日にやってくる。
離れて暮らしているのも、マスコミが俺たちに目がいかないようにだと高校生になってから教えられた。
それを聞いた時とてもうれしかった。
かつての俺の 宝物たち が俺と 宝物 を捨ててはいなかった。それを聞いた日は一日中心がぽかぽかした。



「 兄さん、今日は寝かせないから。 」



ふと、 宝物 が寝る直前に俺に言う。
こういうことはある。
この前も夜遅くに帰った時、寝かせてくれなかった。
俺が気絶してしまうまで俺にするんだ。




「 っん、...ふぁ...やだっ、やだやだっ 」

「 だめだよ、兄さん。まだ僕は許してないんだから 」



宝物 のすこし角張った手が指が俺の中を侵略する。
本当は気持ち悪いはずなのに、 宝物 がしているという事実だけで少し幸福感が俺を襲った。
結局この日も朝の少し赤い日が部屋に入ってくるまで俺はされ続けた。

普通の兄弟はこんな事しない事なんて分かりきっている。
でも俺らは普通の兄弟じゃない、だって
こんなに神様に愛されている 宝物 がいるんだ。
宝物 はどんな事をしていても神様に愛されたままだ。
だから俺はその 宝物 にただ、愛されていればいい。
そう、 宝物 が俺に何度も言った

ほかの人たちにとっては異常だけど俺たちにとっては普通だって。
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