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弐章 国づくり

84 集いし7人

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 「たった集まったのはここにいる者達だけですか…」
 
 ホタルは不楽が落ちた地を眺められる丘に一人、陣を敷き。
 京の都を守護する陰陽寮のトップ、陰陽頭(おんりょうのかみ)であるセイメイと天皇様の呼び掛けにより集まるであろう、陰陽師達の集結を待った。
 
 だが今、目の前にいる者たちはたったの6名。
 
 半端な戦力では意味がないどころか黒い霧の性質上、敵となり脚を引っ張る結果に繋がる。
 
 そんな条件がある為か、いや…それでも少なすぎだ。
 
 「少々心許ないですが。
 どうやらこの人数でやるしか無いみたいですね」

 ホタルは右から一人ずつどんな人物が来たのかと観察する。
 
 まずは同じグループと思われる3人組。
 
 彼らはセイメイの推薦の元京の都より派遣された3人で、性別が分かるのは僧侶の格好の男一人と軽装備をつけ侍の格好をした女性の一人だ。
 
 残りは忍びの者と分かる忍び装束を着ている為性別は分からない。
 
 そしてもう3人。
 
 彼らも独特な格好で、その内の一人は同じく黒い忍び装束を着ている。
 
 そしてその隣に白い服、巫女の服を着た女性が一人と甲冑を着た侍と思われる男が一人。
 
 「私はホタル。
 今回の作戦の指揮を務める様にと。
 陰陽寮、そして天皇様の命により任命された者です。
 
 これから奪還しようとしている都。
 不楽の事を誰よりも知っているしそこから出てくる妖の事も知っているます。
 
 不満や恐れるのなら今この場から逃げてもらって構いません。
 だけど私は今、あなた達の力を必要としています。
 お願いします…私に力を貸してください」
 
 ホタルはそう言い終わると指揮官とは思えぬ態度で頭を6人に向け下げた。
 
 「ふはっ…変わった将もいたもんだな。
 部下に頭を下げるとは…なぁ隊長」
 
 髪のない僧侶の男は笑い黄色に髪を染め同じく派手な黄色の装備を来た女の侍を見る。
 
 「頭を上げてくださいホタルさん。
 私達…ここに居る者は皆選び抜かれた精鋭です。
 今更協力しない者などいませんよ」
 
 「人界の中で頂点に位置する位を持つ天皇陛下の命だろう?
 疑問を言うものなどいない」
 
 僧侶の男と侍の女性。
 そして声が女性だった黒ずくめの姿をした者が続けてそう話し。
 
 巫女の女性がホタルの肩に手を置き頭を上げさせた。
 
 「ホタル様、お顔をお上げください。
 皆の言うとおりです。
 ここにいる者は皆、各々。
 覚悟を持ちこの場に立っています。
 さぁ…」
 
 頭を上げ皆を見るが。
 この場にいる6人は異議を唱えることも無くそれぞれ頷いたりして巫女の意見に同意していた。







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