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第4話

8・当日の予定

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「……よし、ひとまずこんな感じだな」

 八尾は満足そうにうなずくと、決まったばかりの「当日の予定」を読み上げた。

「まず、決行日は『次の満月』。この日は、昼と夜どちらも試してみる」
「おう」
「『昼』は昼休中に実行、場所は……」
「西階段の踊り場」
「そのとおり。やっぱ、そこは外せねーからな」

 うーん……正直俺としては、西階段のひらめきについては「勘違いだったかな」と思いつつある。けど、八尾が「絶対試すべきだ」って譲らなくて「それなら一度やってみるか」ってことになったんだ。
 ちなみに「昼間じゃ満月が見えないのでは?」と思ったけど、それはあまり重要じゃないらしい。

「この日は午前11時14分に満月になるんだよ。で、それ以降は昼だろうが夜だろうが、月が欠けるまでは『満月の日』ってことになるらしい」
「へぇ……」
「だから昼休みにあれこれ試すのは問題ない。あるとすれば、俺がそばにいないことくらいだな」
「……たしかに」

 あれこれ試すにあたって「第三者が付き添ったほうがいい」というのが俺と八尾の共通意見だ。
 だって、八尾がいてくれれば予定外のことが起きても対応してもらえるし、俺ひとりだと気づけない意外な発見があるかもしれないだろ?
 あとは、まあ、俺の心細さも解消されるしさ。

「でも、さすがにその足だとなぁ」

 ギプスがっちりで、ちょっと動くにも一苦労らしい。これじゃ、病院をこっそり抜け出すなんて、どう頑張っても無理だよなぁ。
 というわけで、八尾の付き添いは2回目の夜のみ。場所は、もちろんこの病室ってわけだ。

「よろしく頼むな」
「おう、任せておけ」

 で、次に大事なのは「瞑想」のやり方だ。

「やり方は覚えているんだよな?」
「もちろん。深呼吸をしてから目を閉じて……」
「……ん? それって立ったままか? それとも座ってやるのか?」
「いつもは椅子に座ってるな」
「西階段に椅子はないぞ」
「ああ──そっか」

 となると階段に腰を下ろすか、立ったまま行うか。そのあたりは、実際にやってみないとわからなさそうだ。

「じゃあ、それについては要確認──と」
「ああ、明日実際に行って、どうすればできるか考えてみる」

 当日焦らないためにも、事前にしっかり確かめておいたほうがいいよな。
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