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第二十四話【コスプレは嫌だ】
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私は今憤慨している。
そう、憤慨だ。
なんか一周回って激おこである。
皆さんはカードゲームをしたことはあるだろうか。
私たち一般人が子供の頃から親しみのある、トランプというカードを使った遊びだ。
ポーカー、スピード、7並べ、ババ抜き。沢山の遊び方がある。
その沢山ある遊びのなかの一つ。
神経衰弱というゲームを知っているだろうか。
簡単にルール説明をすると、
ジョーカーを除くすべてのカードをシャッフルし、全てのカードを裏返しに一枚づつ並べ、その中から2枚表に返したとき同じ数字なら自分のもの。
違えば裏にして戻し、自分のターン終了。
それを参加者全員がやり、自分のターンまでに表に返った場所と数字を記憶し、自分のターンで同じ数字の場所を開き、手持ちのカードを増やしていく。
最終的にカードの枚数が多かった人の勝利となる。
なんでこの説明をしたかっていうと、もうわかる人はわかるよね?
三嶋さんと神経衰弱をやって2戦2敗だからである。
ただ負けるだけなら何となく悔しいくらいで済むが、このゲーム、罰ゲームが設定された。
「僕の勝利ですので、こちらを着けていただきます。」
三嶋さんがマネキンから取り外したのは白いフリルが可愛らしいカチューシャだ。
(たぁぁぁすぅぅぅけぇぇぇてぇぇぇぇぇぇっっ!!!)
現在の私の恰好は、もともと着ているもこもこワンピースに真っ白のニーソックス。
太めの白いレースに黒のリボンで留めるブレスレット2つ。
3敗目に渡されたカチューシャ。
そして、彼の部屋には不似合いな簡易マネキンに着せられた黒ベースのメイド服…
遡ること1時間前。
三嶋さんに手を引かれながら彼の部屋に入れられた私は、
まだ夜8時前だというのに「疲れたからできれば今日は早く寝たいんですっ」
三嶋さんとのお楽しみはまた次回でっ
とかなんとか言ったわけだが
聞き入れられることはなく。
トランプをどこからか取り出し、ゲームをしましょう。と提案された。
『僕に勝てることが出来たら、寝させてあげましょう。その代わり僕が勝ったら罰ゲーム、なんてどうです?5回戦でいいですかね。神経衰弱にしましょうか。5回中1回でも僕に勝てばいい話なのだから構わないでしょう?』
神経衰弱はそこまで苦手ではない。
記憶力は悪いほうじゃないし、5回中1回勝てればいい。
だが、一応えっちな罰ゲームかどうか、無理難題の罰ゲームじゃないのかを確認しないといけない。
『罰ゲームとは?』
『このメイド衣装をひとつづつ着て行ってもらいます。
1回負けるごとに1アイテム。まぁ1アイテムだと5回では足りないので、
最終的にはすべて身に着けてもらうって形ですね。
貴女が勝利した時点ですべてのアイテムを放棄して、貴女の望む格好になり、
自室で睡眠をとってくださって構いません。』
お疲れということですし、無理をさせたいわけじゃありませんからね
と肩をすくめる三嶋さん。
全勝しないと、このとても可愛らしいメイドコスプレを私に完璧にさせることは出来ない。
私は1勝すればコスプレをすることなく、即寝ることが出来る。
(あれ、思ったよりも簡単なのでは?)
そう思った私が馬鹿だった。
私が弱いのか、三嶋さんが強いのか。
正直イカサマしてるんじゃないかレベルで三嶋さんの圧倒的勝利。
カードが全て表になる前に私は負ける。
そして現在。
僕が着けて差し上げますね。とか言いながら私の頭にふりふりのカチューシャを載せていく。
なんだろう。無駄に恥ずかしい。
まだメイド服着てないのに恥ずかしい。
「あと2回ですね。深月さん。」
「そうですね!」
私は憤慨している。
こんな圧倒的負けとかある!?ねぇ!!
クスクスと笑顔の三嶋さんをギっと睨みつける。
さぞや滑稽でしょうねぇ!!くっそぉぉぉ!!!!
私にはあと2回のチャンスしかない。
メイド服なんて着てなるものか!!
一時間後。
ローテーブルに両手をつき、頭をぐったりと下げ、小刻みに震えながら唸る私がいた。
いま男の顔を見たら絶対したり顔で私をニヤニヤと見つめている。
絶対。
三嶋VS深月
戦績。三嶋5勝、深月5敗。
完膚なきまでに叩きのめされた。
カードはまだ数枚裏返されているまま、過半数のカードを取得した三嶋さんの勝利となった。
先手も後手も関係なかった。
単純に私の敗退だ。ほんとにイカサマしてなければ…
イカサマを見抜ける力もないからどうにもならないけど。
そう、憤慨だ。
なんか一周回って激おこである。
皆さんはカードゲームをしたことはあるだろうか。
私たち一般人が子供の頃から親しみのある、トランプというカードを使った遊びだ。
ポーカー、スピード、7並べ、ババ抜き。沢山の遊び方がある。
その沢山ある遊びのなかの一つ。
神経衰弱というゲームを知っているだろうか。
簡単にルール説明をすると、
ジョーカーを除くすべてのカードをシャッフルし、全てのカードを裏返しに一枚づつ並べ、その中から2枚表に返したとき同じ数字なら自分のもの。
違えば裏にして戻し、自分のターン終了。
それを参加者全員がやり、自分のターンまでに表に返った場所と数字を記憶し、自分のターンで同じ数字の場所を開き、手持ちのカードを増やしていく。
最終的にカードの枚数が多かった人の勝利となる。
なんでこの説明をしたかっていうと、もうわかる人はわかるよね?
三嶋さんと神経衰弱をやって2戦2敗だからである。
ただ負けるだけなら何となく悔しいくらいで済むが、このゲーム、罰ゲームが設定された。
「僕の勝利ですので、こちらを着けていただきます。」
三嶋さんがマネキンから取り外したのは白いフリルが可愛らしいカチューシャだ。
(たぁぁぁすぅぅぅけぇぇぇてぇぇぇぇぇぇっっ!!!)
現在の私の恰好は、もともと着ているもこもこワンピースに真っ白のニーソックス。
太めの白いレースに黒のリボンで留めるブレスレット2つ。
3敗目に渡されたカチューシャ。
そして、彼の部屋には不似合いな簡易マネキンに着せられた黒ベースのメイド服…
遡ること1時間前。
三嶋さんに手を引かれながら彼の部屋に入れられた私は、
まだ夜8時前だというのに「疲れたからできれば今日は早く寝たいんですっ」
三嶋さんとのお楽しみはまた次回でっ
とかなんとか言ったわけだが
聞き入れられることはなく。
トランプをどこからか取り出し、ゲームをしましょう。と提案された。
『僕に勝てることが出来たら、寝させてあげましょう。その代わり僕が勝ったら罰ゲーム、なんてどうです?5回戦でいいですかね。神経衰弱にしましょうか。5回中1回でも僕に勝てばいい話なのだから構わないでしょう?』
神経衰弱はそこまで苦手ではない。
記憶力は悪いほうじゃないし、5回中1回勝てればいい。
だが、一応えっちな罰ゲームかどうか、無理難題の罰ゲームじゃないのかを確認しないといけない。
『罰ゲームとは?』
『このメイド衣装をひとつづつ着て行ってもらいます。
1回負けるごとに1アイテム。まぁ1アイテムだと5回では足りないので、
最終的にはすべて身に着けてもらうって形ですね。
貴女が勝利した時点ですべてのアイテムを放棄して、貴女の望む格好になり、
自室で睡眠をとってくださって構いません。』
お疲れということですし、無理をさせたいわけじゃありませんからね
と肩をすくめる三嶋さん。
全勝しないと、このとても可愛らしいメイドコスプレを私に完璧にさせることは出来ない。
私は1勝すればコスプレをすることなく、即寝ることが出来る。
(あれ、思ったよりも簡単なのでは?)
そう思った私が馬鹿だった。
私が弱いのか、三嶋さんが強いのか。
正直イカサマしてるんじゃないかレベルで三嶋さんの圧倒的勝利。
カードが全て表になる前に私は負ける。
そして現在。
僕が着けて差し上げますね。とか言いながら私の頭にふりふりのカチューシャを載せていく。
なんだろう。無駄に恥ずかしい。
まだメイド服着てないのに恥ずかしい。
「あと2回ですね。深月さん。」
「そうですね!」
私は憤慨している。
こんな圧倒的負けとかある!?ねぇ!!
クスクスと笑顔の三嶋さんをギっと睨みつける。
さぞや滑稽でしょうねぇ!!くっそぉぉぉ!!!!
私にはあと2回のチャンスしかない。
メイド服なんて着てなるものか!!
一時間後。
ローテーブルに両手をつき、頭をぐったりと下げ、小刻みに震えながら唸る私がいた。
いま男の顔を見たら絶対したり顔で私をニヤニヤと見つめている。
絶対。
三嶋VS深月
戦績。三嶋5勝、深月5敗。
完膚なきまでに叩きのめされた。
カードはまだ数枚裏返されているまま、過半数のカードを取得した三嶋さんの勝利となった。
先手も後手も関係なかった。
単純に私の敗退だ。ほんとにイカサマしてなければ…
イカサマを見抜ける力もないからどうにもならないけど。
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