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二章
040 臨時パーティ募集
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晴れて固定パーティとなった俺達三人は六層以降の探索をする事にしたので、今日は残り三人の臨時パーティを探していた。
ダンジョン前広場やエントランスホールをうろうろして臨時パーティ募集を物色しているのだが……。
やはりというか、なかなか良いパーティが見つからない。というか、俺達が声を掛けてもパーティ組んでくれない。そんなにダメですか俺達!?
どうしよう、冒険者ギルドで何かしら募集が無いか見に行ってみようか?
「パーティ組んでくれないねー」
「めんどくさくなってきた。もーあたいらだけで行くか?」
「うーん……、行けない事は無いんだけどさあ……。とりあえずギルドの掲示板でも見に行ってみないか?」
「しょーがねーなー」
ダンジョン前にある冒険者ギルド支店にも勿論依頼掲示板があるのだが、その殆どはダンジョン関連の依頼だ。
そしてダンジョン関連の依頼も、素材やアイテムの依頼か、パーティや護衛の依頼が大半を占めている。
とりあえず俺達はそのパーティや護衛の依頼が張り出されている掲示板を見に来た。
魔導学院の学生さん達などによる十層までの護衛依頼もあるんだけど……。
「 『一緒に海を見に行きましょう!』 か……。条件が九層ボス攻略済みなんだよなあ」
「そりゃ護衛依頼だしな。よえー奴に護衛なんか頼まねーだろ」
「そりゃそうだ」
リンメイに冷静なツッコミを入れられてしまう。
結局、条件の良さそうな依頼も無かったので冒険者ギルドを後にする。
しょうがない、三人で行ってみるか……。
再びダンジョンの入り口の方へ向かったのだが、偶然見知った顔を見つけてしまった。
「あっ! ちょっとごめん!」
「おっ、おい。どうしたんだよ!」
二人に説明してたら見失いそうだったので、俺は急いで追いかけてしまった。
「おーい!」
「あれ、おじさんじゃん!」
よし! ジェシカが俺の呼びかけに気が付いてくれた。
偶然見つけたのはカイト達のパーティだった。
「よっ! 久しぶり」
「おっす! おっさんもダンジョン来れるようになったんだな」
「ああ! 三人はこれからダンジョン潜るのか?」
「そのつもり。まだこれから臨時のパーティメンバーを探すんだけどね」
これからパーティを探すところだったのか。タイミングが良い!
「俺も今、臨時のパーティメンバーを探してた所なんだ。実はこっちも三人なんだが、よければ一緒に行かないか?」
「おーいおっさん、勝手に走んなよなー」
丁度ラキちゃんの手を引いたリンメイが追い付いてくれた。
「えっ、もしかしてそちらの二人がおじさんのパーティメンバーなんですか?」
マイアが驚いた顏をして訊ねてきた。
「そうだよ。――こちらが剣士のリンメイで、こちらが神官のラキシス。二人とも俺の大事な仲間だ」
リンメイはやれやれといった顔をして手を上げ、ラキちゃんは丁寧にお辞儀をした。
「おお、マジか!」
「うそ! おじさんパーティ組めたんだ! 意外!」
なんかナチュラルに失礼な事言われた気がするんだがスルーしとこう。
はいそこ、リンメイさん笑わない!
「それでどうかな? 俺達と臨時パーティ組まないか?」
三人は顔を見合わせた後、頷き合った。
「因みにおっさん達はどこまで進んでる?」
「五層の転移門が使えるまでだよ」
「あっ、なら私達と一緒ですね」
「丁度いいな。――いいぜ、パーティ組もう」
それからカイト達もラキちゃんとリンメイに自己紹介してくれて、彼らと俺達は臨時パーティとなった。
フフフ、実は俺、カイトがハンス達に頼み込んで四層ボス攻略したのを知ってたんだよねー。
だから君らは、きっと六層以降の探索だろうと当たりを付けたのさ!
「じゃ五層から降りて行こう。俺達はそろそろ十層に到達したいから、それを見越して進んでみたいと思ってる」
「了解だ。よろしく頼む」
早速俺達は転移門を通って五層へ行き、六層への階段を下って行く。
今日はまだ再構築後の初日なのだが、もうマップは売られていたので購入した。但し、七層への階段までだけど。
そのため七層以降は自分達でマップを作製しないといけないので、今日はラキちゃんがマッパーを担当する。
話し合い、前衛は俺とカイトとリンメイとなった。柔軟な体躯で耳と鼻の良いリンメイは、斥候も担当してくれる。
中央は司令塔となる攻撃魔法士のジェシカで、後方警戒は短槍を持った回復魔法士である神官のマイアが受け持つ。
負傷した時の回復は主にラキちゃんが行う事となった。
因みにラキちゃんは攻撃が不得手という事にしている。攻撃してしまうと瞬く間にボロが出てしまうから。
六層から十層はまだ低層の範囲なのだが、若干敵も強くなってきている。
また、迷宮の作りも若干変化がある。一から四層までは薄暗いながらも視界が確保できた迷宮も、ここでは所々松明などの照明が必要となる区間が出てくる。
俺は大ネズミ狩りの時に暗所は経験しているし、今回は松明じゃなくて生活魔法による光源があるので問題ない。
このエリアでは九層ボスに挑む前に、絶対に戦って経験を積んでおかないといけない敵がいる。
「でたぞ! ソルジャークラブだ!」
そう、この原付バイクほどの大きさのソルジャークラブというカニの魔物だ。
ボス戦はこいつらが四匹と、中央にボスのピンククラブという軽自動車並みの大きさのピンク色したカニが現れる。
ボスはいかがわしいお店を連想する名前とは裏腹に硬くて強いので、いかに早く取り巻きのソルジャークラブを倒せるかが攻略の鍵となる。
ソルジャークラブはシオマネキのように片方の腕が大きな爪となっている。この爪がこいつらの武器であり盾だ。
素早い横移動だけでなく、こいつらは前後移動もするので厄介だ。甲羅も堅い。
しかし低層の敵だけあって身体強化さえできれば十分に倒せる。
今回は三匹出たので、それぞれ前衛三人が一匹ずつ対応する。
なるほど、大きな爪は厄介だが、他の腕や足、関節はしっかり切断できるな。
止めを刺してカイトとリンメイの方を見ると、二人も危なげなく倒したところだった。
「うん、いい感じだね。あたしが魔法使う必要もなかったし」
「だな。ジェシカの魔法はボスに使わないとだからな」
「そうね。――さっ、ドロップ品回収して次行きましょ」
俺達は魔石などのドロップ品を回収し、更に移動していく。
魔石以外のドロップアイテムは、価値がそれほどでもなく嵩張る物は放置してしまっている。
カニの爪は結構美味しいらしいけど大きいから嵩張るんだよね。
帰り際に出たら一つくらいは持って帰ろうかなって感じ。
ラキちゃんの亜空間収納を見せるわけにはいかないので、勿論使えない。
それから二回ほど戦闘をこなした後、七層へ降りる階段まで来た。
「とりあえずここで休憩して、これからどのように進んで行くか決めましょ」
「了解だ」
購入したマップはここまでなので、七層からは手探りな状態となる。
俺達は相談して、とりあえず階段を降りてから一本のルートを選んで進んでいく事にした。
「じゃ、今日一番運の良い人に決めてもらいましょう」
そう言いジェシカは紐で作った簡単なくじを取り出す。
当たりの人の紐は下が一回結んである。
結果、当たりを引いたのはマイアだった。
「ええと、ではこちらのルートに行きましょう」
分岐がある毎にマイアに決めてもらい、敵を倒しながら進んでいく。
すぐに行き止まりじゃないので、今日のマイアは本当に運がいいようだ。
しかし二つ目の分岐点の先は行き止まりだった。だが……。
「宝箱だ!」
「集合して周囲警戒!」
今日のマイアは本当に持ってるようだね。
六層以降の探索で初めての宝箱。何が出るか楽しみだ。
「んん? なんだこれ?」
ジェシカが宝箱を開けると、赤い宝石の付いた小さなブローチが入っていた。
「おっ、多分これ耐性ブローチ(弱)だぞ。赤い宝石だから炎耐性だな」
覗き込んだリンメイがそれと無く言った。
「へぇー、よく知ってるわね」
「先日露店で見たばかっかだからな。因みに露店では銀貨一枚と小銀貨三枚だったから売却だと銀貨一枚ってとこだな」
リンメイは敢えて自分のギフトを言ってない。なるべくギフトは表に出さないようにしようという打ち合わせ通りだ。
「なるほど。――じゃ、このブローチ欲しい人~」
全員が手を上げた。なんとラキちゃんも手を上げている。
「うっ……、じゃこれは帰ってから、またくじ引きで決めましょ」
と言う事で、耐性ブローチ(弱)の所有権は保留となった。
これは臨時パーティを組んだ場合によくある事なんだが、相手とこちら双方のパーティで一人ずつ手を上げた場合、追従して手を上げる事が多い。
もしも追従して手を上げた人が獲得できたら、欲しかった人に権利を譲渡するためだ。
だから大抵は全員手を上げてパーティ同士で所有権を巡ってのくじ引き勝負となる。
それから俺達は分岐点の十字路まで戻り、違う通路を進む事にする。
魔物を倒しつつ進み、再び分岐点が来たので選ぶ。
分岐点から結構進んだなと思った頃、なんと八層へ降りる階段のあるエリアに到達した。
「おお凄いなマイア! 今日は持ってるー!」
「これも女神様のお導きですねっ!」
マイアはカイトに褒められてご満悦のようだ。
順調に来た俺達だが今日は出てくるのが少し遅かったせいもあって、既に階段付近には数パーティ休憩していた。
時間的に丁度良いので俺達も階段付近の空いた場所で昼食を取る事にした。
「明日はどの辺までのマップが売り出されるか分からないけど、今日はもう少し進んでみましょうか?」
「そうだな」
「分かりました」
「俺達も問題ない」
ラキちゃんとリンメイの首肯を確認し、俺が代表して答えた。
それから帰りの時間を考慮して、二回行き止まりに辿り着いたら帰るという条件で八層を進む事となった。
ダンジョン前広場やエントランスホールをうろうろして臨時パーティ募集を物色しているのだが……。
やはりというか、なかなか良いパーティが見つからない。というか、俺達が声を掛けてもパーティ組んでくれない。そんなにダメですか俺達!?
どうしよう、冒険者ギルドで何かしら募集が無いか見に行ってみようか?
「パーティ組んでくれないねー」
「めんどくさくなってきた。もーあたいらだけで行くか?」
「うーん……、行けない事は無いんだけどさあ……。とりあえずギルドの掲示板でも見に行ってみないか?」
「しょーがねーなー」
ダンジョン前にある冒険者ギルド支店にも勿論依頼掲示板があるのだが、その殆どはダンジョン関連の依頼だ。
そしてダンジョン関連の依頼も、素材やアイテムの依頼か、パーティや護衛の依頼が大半を占めている。
とりあえず俺達はそのパーティや護衛の依頼が張り出されている掲示板を見に来た。
魔導学院の学生さん達などによる十層までの護衛依頼もあるんだけど……。
「 『一緒に海を見に行きましょう!』 か……。条件が九層ボス攻略済みなんだよなあ」
「そりゃ護衛依頼だしな。よえー奴に護衛なんか頼まねーだろ」
「そりゃそうだ」
リンメイに冷静なツッコミを入れられてしまう。
結局、条件の良さそうな依頼も無かったので冒険者ギルドを後にする。
しょうがない、三人で行ってみるか……。
再びダンジョンの入り口の方へ向かったのだが、偶然見知った顔を見つけてしまった。
「あっ! ちょっとごめん!」
「おっ、おい。どうしたんだよ!」
二人に説明してたら見失いそうだったので、俺は急いで追いかけてしまった。
「おーい!」
「あれ、おじさんじゃん!」
よし! ジェシカが俺の呼びかけに気が付いてくれた。
偶然見つけたのはカイト達のパーティだった。
「よっ! 久しぶり」
「おっす! おっさんもダンジョン来れるようになったんだな」
「ああ! 三人はこれからダンジョン潜るのか?」
「そのつもり。まだこれから臨時のパーティメンバーを探すんだけどね」
これからパーティを探すところだったのか。タイミングが良い!
「俺も今、臨時のパーティメンバーを探してた所なんだ。実はこっちも三人なんだが、よければ一緒に行かないか?」
「おーいおっさん、勝手に走んなよなー」
丁度ラキちゃんの手を引いたリンメイが追い付いてくれた。
「えっ、もしかしてそちらの二人がおじさんのパーティメンバーなんですか?」
マイアが驚いた顏をして訊ねてきた。
「そうだよ。――こちらが剣士のリンメイで、こちらが神官のラキシス。二人とも俺の大事な仲間だ」
リンメイはやれやれといった顔をして手を上げ、ラキちゃんは丁寧にお辞儀をした。
「おお、マジか!」
「うそ! おじさんパーティ組めたんだ! 意外!」
なんかナチュラルに失礼な事言われた気がするんだがスルーしとこう。
はいそこ、リンメイさん笑わない!
「それでどうかな? 俺達と臨時パーティ組まないか?」
三人は顔を見合わせた後、頷き合った。
「因みにおっさん達はどこまで進んでる?」
「五層の転移門が使えるまでだよ」
「あっ、なら私達と一緒ですね」
「丁度いいな。――いいぜ、パーティ組もう」
それからカイト達もラキちゃんとリンメイに自己紹介してくれて、彼らと俺達は臨時パーティとなった。
フフフ、実は俺、カイトがハンス達に頼み込んで四層ボス攻略したのを知ってたんだよねー。
だから君らは、きっと六層以降の探索だろうと当たりを付けたのさ!
「じゃ五層から降りて行こう。俺達はそろそろ十層に到達したいから、それを見越して進んでみたいと思ってる」
「了解だ。よろしく頼む」
早速俺達は転移門を通って五層へ行き、六層への階段を下って行く。
今日はまだ再構築後の初日なのだが、もうマップは売られていたので購入した。但し、七層への階段までだけど。
そのため七層以降は自分達でマップを作製しないといけないので、今日はラキちゃんがマッパーを担当する。
話し合い、前衛は俺とカイトとリンメイとなった。柔軟な体躯で耳と鼻の良いリンメイは、斥候も担当してくれる。
中央は司令塔となる攻撃魔法士のジェシカで、後方警戒は短槍を持った回復魔法士である神官のマイアが受け持つ。
負傷した時の回復は主にラキちゃんが行う事となった。
因みにラキちゃんは攻撃が不得手という事にしている。攻撃してしまうと瞬く間にボロが出てしまうから。
六層から十層はまだ低層の範囲なのだが、若干敵も強くなってきている。
また、迷宮の作りも若干変化がある。一から四層までは薄暗いながらも視界が確保できた迷宮も、ここでは所々松明などの照明が必要となる区間が出てくる。
俺は大ネズミ狩りの時に暗所は経験しているし、今回は松明じゃなくて生活魔法による光源があるので問題ない。
このエリアでは九層ボスに挑む前に、絶対に戦って経験を積んでおかないといけない敵がいる。
「でたぞ! ソルジャークラブだ!」
そう、この原付バイクほどの大きさのソルジャークラブというカニの魔物だ。
ボス戦はこいつらが四匹と、中央にボスのピンククラブという軽自動車並みの大きさのピンク色したカニが現れる。
ボスはいかがわしいお店を連想する名前とは裏腹に硬くて強いので、いかに早く取り巻きのソルジャークラブを倒せるかが攻略の鍵となる。
ソルジャークラブはシオマネキのように片方の腕が大きな爪となっている。この爪がこいつらの武器であり盾だ。
素早い横移動だけでなく、こいつらは前後移動もするので厄介だ。甲羅も堅い。
しかし低層の敵だけあって身体強化さえできれば十分に倒せる。
今回は三匹出たので、それぞれ前衛三人が一匹ずつ対応する。
なるほど、大きな爪は厄介だが、他の腕や足、関節はしっかり切断できるな。
止めを刺してカイトとリンメイの方を見ると、二人も危なげなく倒したところだった。
「うん、いい感じだね。あたしが魔法使う必要もなかったし」
「だな。ジェシカの魔法はボスに使わないとだからな」
「そうね。――さっ、ドロップ品回収して次行きましょ」
俺達は魔石などのドロップ品を回収し、更に移動していく。
魔石以外のドロップアイテムは、価値がそれほどでもなく嵩張る物は放置してしまっている。
カニの爪は結構美味しいらしいけど大きいから嵩張るんだよね。
帰り際に出たら一つくらいは持って帰ろうかなって感じ。
ラキちゃんの亜空間収納を見せるわけにはいかないので、勿論使えない。
それから二回ほど戦闘をこなした後、七層へ降りる階段まで来た。
「とりあえずここで休憩して、これからどのように進んで行くか決めましょ」
「了解だ」
購入したマップはここまでなので、七層からは手探りな状態となる。
俺達は相談して、とりあえず階段を降りてから一本のルートを選んで進んでいく事にした。
「じゃ、今日一番運の良い人に決めてもらいましょう」
そう言いジェシカは紐で作った簡単なくじを取り出す。
当たりの人の紐は下が一回結んである。
結果、当たりを引いたのはマイアだった。
「ええと、ではこちらのルートに行きましょう」
分岐がある毎にマイアに決めてもらい、敵を倒しながら進んでいく。
すぐに行き止まりじゃないので、今日のマイアは本当に運がいいようだ。
しかし二つ目の分岐点の先は行き止まりだった。だが……。
「宝箱だ!」
「集合して周囲警戒!」
今日のマイアは本当に持ってるようだね。
六層以降の探索で初めての宝箱。何が出るか楽しみだ。
「んん? なんだこれ?」
ジェシカが宝箱を開けると、赤い宝石の付いた小さなブローチが入っていた。
「おっ、多分これ耐性ブローチ(弱)だぞ。赤い宝石だから炎耐性だな」
覗き込んだリンメイがそれと無く言った。
「へぇー、よく知ってるわね」
「先日露店で見たばかっかだからな。因みに露店では銀貨一枚と小銀貨三枚だったから売却だと銀貨一枚ってとこだな」
リンメイは敢えて自分のギフトを言ってない。なるべくギフトは表に出さないようにしようという打ち合わせ通りだ。
「なるほど。――じゃ、このブローチ欲しい人~」
全員が手を上げた。なんとラキちゃんも手を上げている。
「うっ……、じゃこれは帰ってから、またくじ引きで決めましょ」
と言う事で、耐性ブローチ(弱)の所有権は保留となった。
これは臨時パーティを組んだ場合によくある事なんだが、相手とこちら双方のパーティで一人ずつ手を上げた場合、追従して手を上げる事が多い。
もしも追従して手を上げた人が獲得できたら、欲しかった人に権利を譲渡するためだ。
だから大抵は全員手を上げてパーティ同士で所有権を巡ってのくじ引き勝負となる。
それから俺達は分岐点の十字路まで戻り、違う通路を進む事にする。
魔物を倒しつつ進み、再び分岐点が来たので選ぶ。
分岐点から結構進んだなと思った頃、なんと八層へ降りる階段のあるエリアに到達した。
「おお凄いなマイア! 今日は持ってるー!」
「これも女神様のお導きですねっ!」
マイアはカイトに褒められてご満悦のようだ。
順調に来た俺達だが今日は出てくるのが少し遅かったせいもあって、既に階段付近には数パーティ休憩していた。
時間的に丁度良いので俺達も階段付近の空いた場所で昼食を取る事にした。
「明日はどの辺までのマップが売り出されるか分からないけど、今日はもう少し進んでみましょうか?」
「そうだな」
「分かりました」
「俺達も問題ない」
ラキちゃんとリンメイの首肯を確認し、俺が代表して答えた。
それから帰りの時間を考慮して、二回行き止まりに辿り着いたら帰るという条件で八層を進む事となった。
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