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聖女じゃなくて嫁召喚?

聖女じゃなくて嫁召喚?−19−

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……

私が通された部屋は、とっても可愛らしい部屋だった。子どもの頃の私だったら大喜びしそう。

「本当にレオン様は、なんていう格好をお嬢様にさせているんでしょう。エンゾもエンゾで、二人揃って気が利かない」

プリプリとマリーが怒っている。

「あ、あのマリー?レオンハルト様は、急ぎの用があったようで、寝ないで帰ってきたんですよ。急を要していなかったら、きっと、洋服も準備してくれたと思うんだけど」
「お嬢様、それとこれは別です。紳士として、騎士として、女性を大切にしないなんて、再教育です。まったく」
「私は気にしていないから」
「お嬢様。お嬢様もレディとして、恥じらいを持ってですね」

あ、、、こっちにお鉢が回ってきてしまった。でも、なんだか、懐かしい。昔もこんなふうに怒られたっけ。私とお兄様といつも二人で・・・あれ?お兄様・・・

「ねえ、マリー。もしかしてマリーは召喚されたのではなくて、私がここにいたの?」
「はい。5年ほど、、、」

急に、マリーの口調が重くなる。
なんだろう?
何か聞いてはいけないことでもあるのだろうか。
ここで過ごしたという記憶がないことと関係があるのだろうか。不安になる。

「こちらのお部屋は、お嬢様が過ごされた頃のままにしております。また、こうしてお嬢様をお迎えできるなんて、、、」
「マリー。私、ここで過ごした事を覚えていなくてごめんね。マリーとじいやは、突然遠くへ行ってしまったって剣兄に言われてたから」
「そんなこと、今こうしてお嬢様のお世話が出来ることが、一番嬉しいですから」



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