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聖女じゃなくて嫁召喚?
聖女じゃなくて嫁召喚?−16−
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……
精霊は確かに「思い出したら」って言った。
精霊達は、間違いなく、この子を知っているのだ。この子が帰ってきたことを喜んで迎えるが、この子が覚えていないことを怒っているのだ。
「大丈夫ですか」
「うーーー。気持ち悪い。どうして、こんな強い香りを振りかけるかな。ディーテのヤツ。あ?れ???ディーテ???」
「ディーテというのは薔薇の精霊の名前だろうか?」
「えっと、、、どうなんでしょう?」
「精霊に名前を付けるには精霊の許可がいるのですが」
「マジ、吐きそう」
腕の中の子の顔色が青くなっていて、あわてて、薔薇の精霊が振りまいていたものを風の魔法で吹き飛ばすと、周りは、いつもよりも、少しだけ薔薇の香りが強い位になる。
「ふーー。レオンハルト様。ありがとうございます。魔法ってすごいですね」
「いや、これくらい、大したことはない」
「そんなことないですよ。レオンハルト様の魔法はキラキラしていて綺麗ですね」
「アン様、魔力が見えることは、他の人の前では言わないよう」
「あ!そうでしたね。ライアン様が言ってましたよね。魔力がないのに、見えるって変ですものね」
薔薇の精霊が振りまいた何かの影響なのか、それとも香りに酔っているのか、固い話し方は消え、砕けた口調に変わっていた。距離が縮まったようでうれしく感じた。
精霊は確かに「思い出したら」って言った。
精霊達は、間違いなく、この子を知っているのだ。この子が帰ってきたことを喜んで迎えるが、この子が覚えていないことを怒っているのだ。
「大丈夫ですか」
「うーーー。気持ち悪い。どうして、こんな強い香りを振りかけるかな。ディーテのヤツ。あ?れ???ディーテ???」
「ディーテというのは薔薇の精霊の名前だろうか?」
「えっと、、、どうなんでしょう?」
「精霊に名前を付けるには精霊の許可がいるのですが」
「マジ、吐きそう」
腕の中の子の顔色が青くなっていて、あわてて、薔薇の精霊が振りまいていたものを風の魔法で吹き飛ばすと、周りは、いつもよりも、少しだけ薔薇の香りが強い位になる。
「ふーー。レオンハルト様。ありがとうございます。魔法ってすごいですね」
「いや、これくらい、大したことはない」
「そんなことないですよ。レオンハルト様の魔法はキラキラしていて綺麗ですね」
「アン様、魔力が見えることは、他の人の前では言わないよう」
「あ!そうでしたね。ライアン様が言ってましたよね。魔力がないのに、見えるって変ですものね」
薔薇の精霊が振りまいた何かの影響なのか、それとも香りに酔っているのか、固い話し方は消え、砕けた口調に変わっていた。距離が縮まったようでうれしく感じた。
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