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聖女じゃなくて嫁召喚?
聖女じゃなくて嫁召喚?−15−
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……
「あれが、フィリオンの砦です」
見えてきた砦を指し示すと、感嘆の声が聞こえてきた。砦を覚えていないのか、知らないのか、やはり判断はつかなかった。
「砦というよりも、お城みたいですね」
「昔は、ここが王都で、砦は当時の城下町をそのまま利用していますから」
「こんな素敵な土地から別な土地へと王都を移動するって、何かあったんですね」
「破滅の魔女の呪いは、ここが始まりなんです」
「…呪いですか?そんな嫌な感じはしないんですけど。どちらかと言えば召喚の儀が行われた部屋とか、お城とか、あそこの方がドロドロしたものを感じたんだけど」
「…。」
「でも、ユイちゃんがいるから、きっと、あの嫌な空気も浄化されますね」
フィリオンが清浄で王都が汚れている?まさか。しかし、真の聖女かもしれない子が言うのだ。この子しか感じられない何かを感じているのだろうか。
「どんどん、空気が綺麗になってきて、すっごく 気持ちいい。石垣や家の壁は石積みなんですね。石が色とりどりで綺麗ですね。薔薇が綺麗。薔薇の香りで酔いそう」
「薔薇の香りが魔除け代わりになるので、薔薇の町と言われたりもしてます。始めての方には、香りがキツいかもしれませんが、大丈夫ですか」
「ううん。平気。気持ちいいくらい。ヤバい…マジで、私、香りに酔っているみたい」
急に砕けた口調で饒舌になったのは薔薇の香りに酔っているということなのだろうか。
いや、薔薇の精霊が、何かを振りまいているのが原因じゃないだろうか。
「ねぇ、もう十分。これ以上だと、酔いすぎて吐くから、止めてちょうだい」
「そうしたら、そいつに介抱してもらえばいいだけでしょ」
「ホント、お願い。止めて」
「私のこと、思い出したら、止めてあげる」
「え?……う、、、もうダメ。吐きそう」
「うわっ。止めてよ。私の香りで吐くって、あり得ないでしょ」
薔薇の精霊は、プンプン怒って消えてしまう。
「あれが、フィリオンの砦です」
見えてきた砦を指し示すと、感嘆の声が聞こえてきた。砦を覚えていないのか、知らないのか、やはり判断はつかなかった。
「砦というよりも、お城みたいですね」
「昔は、ここが王都で、砦は当時の城下町をそのまま利用していますから」
「こんな素敵な土地から別な土地へと王都を移動するって、何かあったんですね」
「破滅の魔女の呪いは、ここが始まりなんです」
「…呪いですか?そんな嫌な感じはしないんですけど。どちらかと言えば召喚の儀が行われた部屋とか、お城とか、あそこの方がドロドロしたものを感じたんだけど」
「…。」
「でも、ユイちゃんがいるから、きっと、あの嫌な空気も浄化されますね」
フィリオンが清浄で王都が汚れている?まさか。しかし、真の聖女かもしれない子が言うのだ。この子しか感じられない何かを感じているのだろうか。
「どんどん、空気が綺麗になってきて、すっごく 気持ちいい。石垣や家の壁は石積みなんですね。石が色とりどりで綺麗ですね。薔薇が綺麗。薔薇の香りで酔いそう」
「薔薇の香りが魔除け代わりになるので、薔薇の町と言われたりもしてます。始めての方には、香りがキツいかもしれませんが、大丈夫ですか」
「ううん。平気。気持ちいいくらい。ヤバい…マジで、私、香りに酔っているみたい」
急に砕けた口調で饒舌になったのは薔薇の香りに酔っているということなのだろうか。
いや、薔薇の精霊が、何かを振りまいているのが原因じゃないだろうか。
「ねぇ、もう十分。これ以上だと、酔いすぎて吐くから、止めてちょうだい」
「そうしたら、そいつに介抱してもらえばいいだけでしょ」
「ホント、お願い。止めて」
「私のこと、思い出したら、止めてあげる」
「え?……う、、、もうダメ。吐きそう」
「うわっ。止めてよ。私の香りで吐くって、あり得ないでしょ」
薔薇の精霊は、プンプン怒って消えてしまう。
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