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……

「さすが三悪娘ね。注目の的よ」
「ホント、お姉様達、綺麗ですもの」
お姉様と婚約者さんのダンスは息もピッタリでうっとりだ。私のような付け焼き刃のダンスとは全然違う。

「何言ってるの、私達のダンスがあってこそよ」
「私なんか、メッキがいつ剥がれるかとヒヤヒヤでございます」

「さぁ、お嬢さん、私達の時間ですよ」
いつ来たのか、前国王様がイケボで声をかけてきたと思ったら、スっと手を取ってきた。
昔は女の子にキャーキャー言わせていたんだろうな。

前国王様とのワルツは、とってもロマンチックで、キラキラ王子様じゃないのにドギマギしてしまう。
なんだろう、この色気?凄いなー。

「お嬢さん、孫が随分、お世話になっているようだね」
「いえ、私の方がお世話になりっぱなしで。カイお姉様には、ずーっと助けて頂いてて。私が今こうして前を向いて歩けているのはカイお姉様が助けてくれたからなんです」
「カイはあの通りだからネ。きっとありのままを、感じた通りのままに普通に接してくれる者はお嬢さん以外にはいなかっただろうから、救われたはずじゃて」

「私、あまり貴族社会のことが分からないからなだけですよ」
「それが、良かったんだろうな。もう1人の孫も、お嬢さんが気になってしかたがないようだし」

もう一人の孫って第2王子のこと?兄と同じ臭いがするから、あまり関わりたくないなと思ってしまったけど、そこは、笑顔でごまかしておいた。だって、目の前にいるのは前国王様だもんね。

「今度、ワシの離宮にも訪ねて来なさい。待ってるよ」

特にカイお姉様や第2王子のように、見た目の派手さはなかったけれど、ウットリする雰囲気作りはすごかった。メロメロだよー。
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