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3曲目の最後も派手にキメ、無事、ドレスの披露が終わってホッとすると
「次は私ですよ」と、休むひまなく第2王子に手を取られホールの中央に連れていかれる。

「本当にカイ兄と10曲は踊れるんだね」
「1年間、ブートキャンプしましたから」
「カイ兄のブートキャンプ...普通の軍隊よりスパルタだったでしょうに」
呆れて第2王子が言う。

「何度も吐きましたね」
「ああ、それで君はコルセットしていないのか」
「カイお姉様、コルセットが嫌いなんですって。私も嫌いなんですけどね」

「コルセットをしていない女性とのダンスってイイネ」
さすさすと、エリカの腰をさすっているので、エリカはキッと睨んで「転ばせますよ。転ばせ方はカイお姉様から教わってます」と言うとパッと手を離しておどけて見せる第2王子の手を取ってエリカがリードし始める。

「オイオイ」
「ふふっ楽しい」
「君は面白いな。私もエリちゃんと呼んでもいいかな」
「えー」
なんだか、とっても嫌だ。

「つれないなー。それじゃ、カイ兄の事をお姉様と呼んでるから私のことは、ケイお兄様と呼んでもいいよ」
「えー。本当のお兄様いるし、辞退してもいいですかね?」
「いや、命令だし」
「えー横暴」
ぷくっと膨れてみせると

「ホント君は面白いね。今度、ゆっくり話してみたいな」
「遠慮しときます」

「王子の命令は素直に従おうかエリちゃん。さて、フィニッシュくらいは、カイ兄に負けないように派手にキメとくか」と、言うなりフワリとエリカを大きく回転させた。

カイお姉様とはまた違ったアクロバティックなと演出にドレスが綺麗に広がり、2人に魅了されていた人達から歓声が上がる。

「これは貸しね」
「いつ王宮に来るかは分からないけど、その時は、ケイお兄様のところにお伺いしますね」

綺麗なカテーシーで挨拶すると「ガッテンシー、ぷぷぷ」と笑いながら行ってしまう。失礼な、今のは、ちゃんとカテーシーでしょうがとプンプンしているとカイお姉様が飲み物を持ってやってくる。
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