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……

話も終わったので、やっとミタの所に行くと、自分の好きなものが少量づつ用意されていた。
「ミターありがとう。みんなにもお礼を言ってね」
「それでお嬢様、子爵家ではどんなことに」

ミタが心配して聞いてきたので、ありのままを伝えるとミタからもドス暗いものが漏れてきた。

「でもさーお父様もお兄様も、分かっていたみたいなんだよね。ミタだって予想はしてたんでしょ」
「まさか、物置小屋で食事抜きまでするとは思っていませんでしたよ。それに愛人が本宅だなんて馬鹿にし過ぎです」
「あー。みんなはそれ以外は想定内だったのね。ホント、私だけお花畑だったのねぇ。ま、いいけど。おかげで、ちょっと早く事業を立ち上げられそうだし」

「とりあえず、布団とか運び込まないと。今夜もドレス布団になっちゃうよー」
「用意致します。他に必要なのは?」
「あの家の使用人に見つからないように運び込みたいんだよねー」
「それも何とか致しましょう」
「ミターありがとう。大好きだよー」

食事が終わり、ミタにギュッと抱きついたら、ちょっと涙が出てきた。昨日、涙は全部出し切ったと思っていたのに。
そんなエリカの背中をポンポンとミタは叩いて黙って励ますのだった。

ミタは、何も言わなかったけれど、いくら貴族の繋がりが欲しかったからと言って、15の娘を嫁に出すなんてと、大旦那様と若旦那様を怒っていたのだ。

「ここは厳しくて暖かいね」

これからの準備をしているうちに夕方になってしまい、夜の食事を包んで貰うと帰宅する。

どうやったのか、物置小屋は過ごしやすくなっていて、家にいた時のように快適に過ごせそうだ。ただ、やっぱり、夜になると寂しくて泣きそうになるけど、だんだん慣れていこうと誓うエリカだった。
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