9 / 104
第一章 ガルディア都市
不安感
しおりを挟む
ボロボロのジャスティンを担いで第一部隊の部屋に戻っている途中、ジャスティンは「できればセレス回復魔法を……」とぶつぶつ言っていたがセレスに気づいてはもらえていなかった。
セレスはさっきから何か考えているようでうーんとうなっている。
カナンがしょうがなく回復魔法をかけてやると「カナンだけが優しいっすよー」といい、抱き着こうとしていたジャスティンだが「うっとうしい!早く歩け!」とカナンに怒られていた。
なんだか不憫だなジャスティン……
これからはもう少し優しくしてやるか……
部屋に戻るとすでに時刻は夜になっていて辺りも暗くなってきていた。
軽く動いて汗をかいているので、一旦騎士団のシャワー室でシャワーを浴び着替えてから合流することが決まった。
パトラはセレスに抱き着きながら。
「洗いっこしよっかーセーレースー」
「なっ!? 何を言ってるんですか! パトラ!! みみみんなの前で!!」
セレスが顔を赤くして答える。 たしかにその話はこんなとこでする話じゃないな。 ジャスティンもカナンもそわそわしているぞ。
気になるよな男だもんな。 だけどここはビシッと言わなければな。
「お前らはこっちだ! 男用のシャワー室にいくぞ!」
「「!!は!はぃ!」」
二人を引き連れシャワー室に向かう、シャワーで汚れた体を洗い、清潔な着替えに着替える。鎧は外しておりラフなシャツと黒いゆったりめなズボンをはく。
この世界の衣服も五十年前から飛躍的に進歩し、着心地のいい服が多く出回っている。
異世界人の影響はそれほどまでに大きかったことが伺える。
シャワー中ジャスティンが「めっちゃ痛いお湯がしみるっす!」と騒がしかったが二人とも楽しそうであったな。
金髪の濡れた髪を乾かし、後ろに一つに束ねていると後ろから声がかけられた。
「隊長普段鎧を着てるから華奢に見えますけどかなり筋肉ついてるみたいですね。今もシャツの肩まわりすごいですよ。」
「そうかな?」
「ええ、模擬戦でも思いましたけどジャスティンの鎧を片手で掴んで投げるなんて芸当普通できませんからね」
カナンは私の筋肉に興味津々のようだが…… いくらなんでも見すぎじゃないだろうか?
しばらくするとカナンは濡れた紫のロングの髪をガシガシとタオルでふき、温風アイテムで乾かしていた。
「あれはほんとにビビったっすよ、強化してるはずの俺がなぜか吹っ飛ぶし、なんか投げられるしで散々だったっす」
がっくり肩を落として、ジャスティンは灰色の自分の髪の上にタオルを乗せてこちらに来た。
「すまないな、まああれぐらい耐えられるようにジャスティンも頑張るんだな」
「はいっすー」
三人とも髪を乾かし終え、鎧を部屋に置いてきて、今は待ち合わせとなっている騎士団入り口のラウンジにむかった。
すると先に戻っていたのかほんのり髪が濡れて顔は血色がよく、かわいらしい青いワンピースを着たセレスが待っていた。
「セレス早いな パトラはどうした?」
近づくとセレスの銀色の少し濡れた髪からシャンプーのフローラルな香りが漂う。
「パトラはまだ髪を乾かしていると思いますよ。まったく……」
少しむくれているセレスを見ると何かしらあったのだとわかるが、二人ともじゃれあって楽しそうにしていたのだろう。
あまり待つことなくパトラも茶色の髪を完全に乾かしたみたいで走って来た。
恰好は動きやすいハーフパンツにちょっと大きめの服であった。
「お待たせしました~ではでは! たいちょーのおごりでご飯にいきましょう!」
「あまり高くないとこにしてくれよ?」
「大丈夫ですよぅ、美味しいお店があるので案内しますね!」
ガルディア都市の夜は街頭の明かりで照らされ、大理石が光を反射してキラキラと輝いていた。
行き交う住人もまだこの時間は多く、それでも夕飯どきだからなのか各家からは煙突からモクモクと煙がでてたり、おいしそうな匂いが辺りに広がっていた。
パトラの道案内を受け少し歩いた先に目的のお店が見えてきた。
「アーサーツインベルというお店ですか……」
「おしゃれなお店っすね! いい匂いもするっす!」
「そうそうここ! ここの料理はすっごい美味しいんだから」
外観は少し小さめな木造のアンティークな建物で、ランプの明かりで今日のおすすめメニューだろうか、看板が明るく照らされている。
「じゃあ入ろっか!」
パトラがウキウキな気分で中に入っていく。私達もそのあとを追って店内に入っていく。
カランカランとドアに着けられた二つのベルが鳴りキシっという木造の建物特有の床が鳴る。
「いらっしゃいませー五名様ですね。お好きな席にどうぞ」
店内は落ち着いた雰囲気でランプの明かりが温かさを演出し、店内で流れているBGMも落ち着いた曲だ。 不思議とここだけ時間の流れがゆるやかな感じのする店内である。
とりあえず奥にあるテーブルに腰かけメニューを見ていく。
「たまにはこういったお店もいいものだな……」
「ノイトラさんの料理も美味しいですけど、ここのは兄様も気にいってもらえますよ」
普段は屋敷の方で夕食はとってきていたため、このように外食をするのは久しぶりの事だった。
「何にしようか迷うっすね」
「カナンあんたが食べたがっていたロコモコってのがここにはあるわよ! それを三人分で頼めばいいんじゃない?」
「なにっ!? 俺は是非それにしよう!!」
ガタリと立ち上がり動揺を見せるカナン。
いつになくテンションの高いカナンはロコモコと呼ばれるものが前々からずっと食べたかったらしい。
「私と兄様はこれにしましょう!」
セレスが食べたがったのは数種類のキノコのグラタンと呼ばれるものであった。
「これは私が兄様に絶対におススメしようとしていたものです!」
「セレスが嬉しそうにするなら喜んでこれにするよ」
メニューを指さしていたセレスの指がわたわたと右往左往に動く。
「っっっ!? ここの料理はほんとに美味しくてですね……」
顔を赤くしてはにかむセレスをみながら店員さんを呼ぶ。
「お決まりですかー?」
メニュー表を持った店員さんにロコモコを三つと、グラタンを二つ注文してしばらく待つ。
カナンは待ちきれないのだろうずっとそわそわしていて、ちらちらと厨房のほうを見たりしている。
そんなカナンを見てみんなで笑いあいながら時間を潰すこと数分。
「お待たせしました~」
と運ばれてくるロコモコとグラタン。
ロコモコは大きめのお肉をこんがりと焼いて特製のソースだろうか、ツヤのある香ばしいソースと目玉焼きがふわっと乗っていて、半熟の黄身を割ると中からトロッとした黄身がソースに絡み合う。
見ているだけでも美味しそうなことがわかる。
そしてグラタンはグツグツとホワイトソースが焼きたてを表していて、キノコがふんだんに使用してあるのだろうスプーンで表面をなぞるとごろりと入っていることがわかる。 ミートソースの甘酸っぱい香りとチーズのまろやかな香りがマッチしている。
スプーンですくうと中のチーズがツーっと伸びる。
「すごく美味しい!」
「やばいっす!止まらないっす」
カナンは泣きながら食べていて、ジャスティンは器ごと食べてしまうんじゃないかというぐらいに食べていた。カナンそんなにロコモコに対する思いが熱かったのか……
「ふぅー、ふぅー」
横でグラタンを冷ましながらセレスは少しずつ食べる。
「あ…… あのそんなに見られると食べづらいんですが」
「ああ!ゴメン!なんか新鮮でね、つい見入ってしまったよ」
あまり見られると照れてしまうのだろう、思春期だもんな気を付けなければ
冷ましたグラタンを口に運び、味を噛みしめる。
「……もぅ」
「セレスのも美味しそうだね!ちょっともらっていい?私の少しあげるからさ」
「はい熱いから気を付けて…… ありがとう」
お互い交換して食べる二人、パトラはあちちと笑いながら、セレスは苦笑いだが実に楽しそうに食事をしていく。
こんな楽しい食事がまともにとれるのはあと何回くらいあるのだろか……
ふと今日の昼に聞いた話を思い出す。
勇者召喚が行われるという事は敵の国も本格的にこれから戦火を広げていくことだろう。
また多くの血が流れるのだな……
思い起こすのは前線付近へと救護班として参加した二年前。
「兄様ボーっとしてどうしました?」
セレスに声をかけられハッと我に返る。
「あまりにも美味しくてね、何を使ってるのか考えてしまったよ!」
「美味しいですものね!みんな食べ終わりましたし、そろそろ帰りましょうか」
「ああ、会計をすませてくるから外で待っていてくれないか?」
「わかりました。御馳走さまです兄様」
「「隊長ありがとうございます!!」」
「たいちょーありがとね!」
四人はさっきの料理の話をしながら、店の外へ出ていく。 私もお会計を済ませすぐに店の外に出た。
「明日は巡回任務と少し私の行きつけの武器屋に皆を連れていこうと思ってる。装備もそろそろ新しいのにした方がいいだろう」
「「「「はい!」」」」
「では今日は解散! 明日は起きれるかなパトラは?」
「セレス!頼むよ!」
「嫌よ!」
「お願いだよー」
半べそをかいているパトラにセレスはやれやれと続ける。
「しょうがないな、私がきたらすぐに起きてね!」
「まっかせて!」
「「いや!ちゃんと起きろし!」っす!」
そしてそれぞれの家に戻るのであった。
屋敷につきセレスの部屋の扉の前で
「じゃあおやすみセレス」
「……兄様、あまりかかえこもうとしないでくださいね」
「!! どうした急に」
「いえ……なんでもないです。 おやすみなさい兄様」
意味深な言葉を残してセレスとわかれたのであった。
セレスはさっきから何か考えているようでうーんとうなっている。
カナンがしょうがなく回復魔法をかけてやると「カナンだけが優しいっすよー」といい、抱き着こうとしていたジャスティンだが「うっとうしい!早く歩け!」とカナンに怒られていた。
なんだか不憫だなジャスティン……
これからはもう少し優しくしてやるか……
部屋に戻るとすでに時刻は夜になっていて辺りも暗くなってきていた。
軽く動いて汗をかいているので、一旦騎士団のシャワー室でシャワーを浴び着替えてから合流することが決まった。
パトラはセレスに抱き着きながら。
「洗いっこしよっかーセーレースー」
「なっ!? 何を言ってるんですか! パトラ!! みみみんなの前で!!」
セレスが顔を赤くして答える。 たしかにその話はこんなとこでする話じゃないな。 ジャスティンもカナンもそわそわしているぞ。
気になるよな男だもんな。 だけどここはビシッと言わなければな。
「お前らはこっちだ! 男用のシャワー室にいくぞ!」
「「!!は!はぃ!」」
二人を引き連れシャワー室に向かう、シャワーで汚れた体を洗い、清潔な着替えに着替える。鎧は外しておりラフなシャツと黒いゆったりめなズボンをはく。
この世界の衣服も五十年前から飛躍的に進歩し、着心地のいい服が多く出回っている。
異世界人の影響はそれほどまでに大きかったことが伺える。
シャワー中ジャスティンが「めっちゃ痛いお湯がしみるっす!」と騒がしかったが二人とも楽しそうであったな。
金髪の濡れた髪を乾かし、後ろに一つに束ねていると後ろから声がかけられた。
「隊長普段鎧を着てるから華奢に見えますけどかなり筋肉ついてるみたいですね。今もシャツの肩まわりすごいですよ。」
「そうかな?」
「ええ、模擬戦でも思いましたけどジャスティンの鎧を片手で掴んで投げるなんて芸当普通できませんからね」
カナンは私の筋肉に興味津々のようだが…… いくらなんでも見すぎじゃないだろうか?
しばらくするとカナンは濡れた紫のロングの髪をガシガシとタオルでふき、温風アイテムで乾かしていた。
「あれはほんとにビビったっすよ、強化してるはずの俺がなぜか吹っ飛ぶし、なんか投げられるしで散々だったっす」
がっくり肩を落として、ジャスティンは灰色の自分の髪の上にタオルを乗せてこちらに来た。
「すまないな、まああれぐらい耐えられるようにジャスティンも頑張るんだな」
「はいっすー」
三人とも髪を乾かし終え、鎧を部屋に置いてきて、今は待ち合わせとなっている騎士団入り口のラウンジにむかった。
すると先に戻っていたのかほんのり髪が濡れて顔は血色がよく、かわいらしい青いワンピースを着たセレスが待っていた。
「セレス早いな パトラはどうした?」
近づくとセレスの銀色の少し濡れた髪からシャンプーのフローラルな香りが漂う。
「パトラはまだ髪を乾かしていると思いますよ。まったく……」
少しむくれているセレスを見ると何かしらあったのだとわかるが、二人ともじゃれあって楽しそうにしていたのだろう。
あまり待つことなくパトラも茶色の髪を完全に乾かしたみたいで走って来た。
恰好は動きやすいハーフパンツにちょっと大きめの服であった。
「お待たせしました~ではでは! たいちょーのおごりでご飯にいきましょう!」
「あまり高くないとこにしてくれよ?」
「大丈夫ですよぅ、美味しいお店があるので案内しますね!」
ガルディア都市の夜は街頭の明かりで照らされ、大理石が光を反射してキラキラと輝いていた。
行き交う住人もまだこの時間は多く、それでも夕飯どきだからなのか各家からは煙突からモクモクと煙がでてたり、おいしそうな匂いが辺りに広がっていた。
パトラの道案内を受け少し歩いた先に目的のお店が見えてきた。
「アーサーツインベルというお店ですか……」
「おしゃれなお店っすね! いい匂いもするっす!」
「そうそうここ! ここの料理はすっごい美味しいんだから」
外観は少し小さめな木造のアンティークな建物で、ランプの明かりで今日のおすすめメニューだろうか、看板が明るく照らされている。
「じゃあ入ろっか!」
パトラがウキウキな気分で中に入っていく。私達もそのあとを追って店内に入っていく。
カランカランとドアに着けられた二つのベルが鳴りキシっという木造の建物特有の床が鳴る。
「いらっしゃいませー五名様ですね。お好きな席にどうぞ」
店内は落ち着いた雰囲気でランプの明かりが温かさを演出し、店内で流れているBGMも落ち着いた曲だ。 不思議とここだけ時間の流れがゆるやかな感じのする店内である。
とりあえず奥にあるテーブルに腰かけメニューを見ていく。
「たまにはこういったお店もいいものだな……」
「ノイトラさんの料理も美味しいですけど、ここのは兄様も気にいってもらえますよ」
普段は屋敷の方で夕食はとってきていたため、このように外食をするのは久しぶりの事だった。
「何にしようか迷うっすね」
「カナンあんたが食べたがっていたロコモコってのがここにはあるわよ! それを三人分で頼めばいいんじゃない?」
「なにっ!? 俺は是非それにしよう!!」
ガタリと立ち上がり動揺を見せるカナン。
いつになくテンションの高いカナンはロコモコと呼ばれるものが前々からずっと食べたかったらしい。
「私と兄様はこれにしましょう!」
セレスが食べたがったのは数種類のキノコのグラタンと呼ばれるものであった。
「これは私が兄様に絶対におススメしようとしていたものです!」
「セレスが嬉しそうにするなら喜んでこれにするよ」
メニューを指さしていたセレスの指がわたわたと右往左往に動く。
「っっっ!? ここの料理はほんとに美味しくてですね……」
顔を赤くしてはにかむセレスをみながら店員さんを呼ぶ。
「お決まりですかー?」
メニュー表を持った店員さんにロコモコを三つと、グラタンを二つ注文してしばらく待つ。
カナンは待ちきれないのだろうずっとそわそわしていて、ちらちらと厨房のほうを見たりしている。
そんなカナンを見てみんなで笑いあいながら時間を潰すこと数分。
「お待たせしました~」
と運ばれてくるロコモコとグラタン。
ロコモコは大きめのお肉をこんがりと焼いて特製のソースだろうか、ツヤのある香ばしいソースと目玉焼きがふわっと乗っていて、半熟の黄身を割ると中からトロッとした黄身がソースに絡み合う。
見ているだけでも美味しそうなことがわかる。
そしてグラタンはグツグツとホワイトソースが焼きたてを表していて、キノコがふんだんに使用してあるのだろうスプーンで表面をなぞるとごろりと入っていることがわかる。 ミートソースの甘酸っぱい香りとチーズのまろやかな香りがマッチしている。
スプーンですくうと中のチーズがツーっと伸びる。
「すごく美味しい!」
「やばいっす!止まらないっす」
カナンは泣きながら食べていて、ジャスティンは器ごと食べてしまうんじゃないかというぐらいに食べていた。カナンそんなにロコモコに対する思いが熱かったのか……
「ふぅー、ふぅー」
横でグラタンを冷ましながらセレスは少しずつ食べる。
「あ…… あのそんなに見られると食べづらいんですが」
「ああ!ゴメン!なんか新鮮でね、つい見入ってしまったよ」
あまり見られると照れてしまうのだろう、思春期だもんな気を付けなければ
冷ましたグラタンを口に運び、味を噛みしめる。
「……もぅ」
「セレスのも美味しそうだね!ちょっともらっていい?私の少しあげるからさ」
「はい熱いから気を付けて…… ありがとう」
お互い交換して食べる二人、パトラはあちちと笑いながら、セレスは苦笑いだが実に楽しそうに食事をしていく。
こんな楽しい食事がまともにとれるのはあと何回くらいあるのだろか……
ふと今日の昼に聞いた話を思い出す。
勇者召喚が行われるという事は敵の国も本格的にこれから戦火を広げていくことだろう。
また多くの血が流れるのだな……
思い起こすのは前線付近へと救護班として参加した二年前。
「兄様ボーっとしてどうしました?」
セレスに声をかけられハッと我に返る。
「あまりにも美味しくてね、何を使ってるのか考えてしまったよ!」
「美味しいですものね!みんな食べ終わりましたし、そろそろ帰りましょうか」
「ああ、会計をすませてくるから外で待っていてくれないか?」
「わかりました。御馳走さまです兄様」
「「隊長ありがとうございます!!」」
「たいちょーありがとね!」
四人はさっきの料理の話をしながら、店の外へ出ていく。 私もお会計を済ませすぐに店の外に出た。
「明日は巡回任務と少し私の行きつけの武器屋に皆を連れていこうと思ってる。装備もそろそろ新しいのにした方がいいだろう」
「「「「はい!」」」」
「では今日は解散! 明日は起きれるかなパトラは?」
「セレス!頼むよ!」
「嫌よ!」
「お願いだよー」
半べそをかいているパトラにセレスはやれやれと続ける。
「しょうがないな、私がきたらすぐに起きてね!」
「まっかせて!」
「「いや!ちゃんと起きろし!」っす!」
そしてそれぞれの家に戻るのであった。
屋敷につきセレスの部屋の扉の前で
「じゃあおやすみセレス」
「……兄様、あまりかかえこもうとしないでくださいね」
「!! どうした急に」
「いえ……なんでもないです。 おやすみなさい兄様」
意味深な言葉を残してセレスとわかれたのであった。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる