星の子ども

秋野 木星

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第一章 NICU

生後66日目 難関Y字ガーゼ交換 (;´Д`)

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世の高校生たちが難関大学に挑んでいる今日この頃、ラクーは初めてのY字ガーゼ交換に挑戦しました。

結論を先に言うと、惨敗です。
(;´Д`) サクラチル

新生児の首はないに等しい。
老眼で、かがんで覗いても気切部がよく見えない。
ラクーはリノに会ったのが四回目なんですよ! 人工鼻を見たのも二回目!
前回、ネムルーがビクビクしながらガーゼ交換をしたのを見たのが初めて。看護師さんのプロの技を見たことがない。
今回は急に片側ずつの交換ではなく、小児科にならって一度に全部ガーゼを取るやり方に変った。
前回の経管栄養注入実習の時は広いベッドだったけど、今日は狭いコットだった。
カニューレが外れるかもしれない怖さで、ガーゼをギュギュっとカニューレに噛ませることができなかった。
昨夜、壁紙にする「梅とウグイス」を完成させたので、肩が凝っていた。

…………などと言い訳を並べましたが、気が入っていなかったのが、一番大きいでしょうね。

栄養注入、吸引、緊急時対応は、ばあばも習っておかないといけないと思っていました。
けれど沐浴やガーゼ交換などは、若夫婦に任せたつもりになっていたのです。

ところが蓋を開けてみると、沐浴は日中の方がいいということで、ばあばへのレクチャーが決められたのだとか……
気切やカニューレに慣れるしかありませんねぇ。(^_^;)

この難関のY字ガーゼ交換を、ムコーは楽々とこなしたそうです。
さすがです。
ラクーはオロオロと手間取っているうちに、気切部に薬をぬるのも忘れていました。(笑) 
リノ、ごめんよ~

反省を次回に生かしたいと思います。
でもばあばはアシストに徹して、ガーゼ交換はネムルーに任せたいな。(本音)


最近のリノの様子や家族の動向を記しておきます。
18日(生後63日め)
・・・肺炎球菌、ビフ、B型肝炎の予防接種を受けた。
口から入れる吸引チューブを嫌がる様子が見られた。チューブを噛んで抵抗を示す。→もしかして脳の学習機能がうっすらと残ってる?
手が当たったらしく、夜中にマーゲンチューブ(胃チューブ)を自分で抜いていた。

家では、リノの部屋に二重ガラス窓をつける工事をした。

19日
・・・お父さんのムコーが初めてのY字ガーゼ交換をする。経管栄養注入もした。

20日
・・・リノの両親は展示場へ温室テラスを見に行った。
ラクーは壁紙を完成させた。

なかなかいいのができました。リノの手形が取れたら、ネムルーに手伝ってもらって写真をアップしてもらいますね。

21日
・・・ラクー、初めてのY字ガーゼ交換。二度目の経管栄養注入もした。
リノは午前中のリハビリの時間に、ベビーカーに初めて乗ってみたらしい。

ラクーが今日、気になったのは、リノの耳が聞こえているのではないかということです。
今日、沐浴をするために看護師さんが金属製のたらいを置いた時に「ガシャン!」と大きな音がしたんです。その時にリノが驚いてビクビクッと身体を震わせたんですよ。
ネムルーも看護師さんも、偶然っぽいと感じたようですが、ラクーはその時ジッとリノを見てましたからね。
……もしかして、少しは耳が聞こえているんじゃないかな?
大脳のほとんどが損傷している。前回の聴覚検査では測定不能だった。
そんなことはよくわかっています。でもね、残った脳細胞が生きていくためにあがくとしたら、呼吸と栄養消化をある程度クリアした後は、目と耳の機能をなんとかしようとするんじゃないかな?
とにかく、次回の検査結果を待ちたいと思います。


24日には保健師さんが家に来ます。その後、家族全員で病院へ行き、カニューレ交換を見学する予定です。ムコーは実習もあるかもしれません。
それから呼吸器の業者の方からも、医療機器の使い方についての説明があるそうです。

25日は、ネムルーとムコーがNICUに泊まり込んで、リノと長時間一緒にいる訓練です。看護師さんに頼らないで、どこまで研修の成果を生かせるかが問われるそうです。
ネムルーは「緊張して今からドキドキする」と言っていました。

そうか、毎日リノを見ているネムルーでも、一日中試されどおしだと緊張するのね。
それを聞いて、ちょっと安心したよ。

あまりの疲れに、病院からの帰り道で、甘いお菓子やお団子を爆買いしたラクー。
これから熱いお風呂にゆったりと浸かって、今日の緊張と疲れを洗い流したいと思います。
☆彡


※ もし病院関係者の方が読まれていたらお伝えしたいことがあります。

今の世の中の風潮は、科学でわかったことや若夫婦の考え方、生活などが中心になって、子育ての情報が操作されています。そのため、子育てQ&Aもファッションの流行のように年によって言うことが違います。
編集者の年代によっては舅姑への不満もあるのか、祖父母をどういう風に避けるのかレクチャーしている雑誌記事もあります。
昔からの母から子へ伝えてこられた情報はクソのような扱いを受けますね。(苦笑)
それでもね、その中に愛情や真実が詰まっていることもあるんですよ。

こういう世の中の流れを受けて、合理的な経営をするNICUなどの危機管理が徹底した場では、祖父母や親族の介入を徹底して排除する傾向にあります。

祖父母面会は一組だけ、それも一か月に一回。

どう思います?

産まれてきた子は、一番身近な社会生活から、徹底的に排除されます。
生命の危機にあって、本当は若い親も子も身近な親族のフォローを必要とするのに、おかしいですよね。
赤の他人の医療関係者ばかりが、毎日子どもに会えるのです。それが危機的な状況である急性期の頃だけならまだわかります。でも長い人だと一年以上Nにいる子もいるんですよ。なんとかなりませんかね。

排除された側からすると、よほど余裕のある若夫婦に毎日、状況を説明してもらって子どもの可愛らしさを伝えてもらわないと、日々の生活に紛れて、そんな子がいたことさえ記憶から消えていきます。

医療的ケア児が生まれて、フォローを必要としているのはその子だけではなく、若い両親もではないのでしょうか?

他のブログを読んでいても、若い両親しか現状がわかっていないし、医者からのカンファレンスも受けていない祖父母は、孫の状況がさっぱりわかっていません。

私たちも同居家族であるのに、医師のカンファレンスからほぼ排除されていました。先生の話を聞くことができたのは、たまたま立ち話のついで、研修のついでということが多かったのです。
「ご両親だけ」この言葉はよく聞きました。

そのため、親子間で断絶があり、その後のフォローも受けられず、社会的にも孤立を深めていく若夫婦が多いのです。

ラクーとしてはその差を縮めたいと思って、こんな文章を書いています。
余談ですが養護施設に勤めていた時も、半年ほどの期間だとどうしてこういう子が生まれたのか、突っ込んで聞きにくいのです。原点がわかっていないと親の悩みも、子どもの成長もさっぱりわかりません。
そうすると適切な指導ができないのですよ。

社会と医療関係者と親、お互いが遠慮して「個人情報保護」を拡大解釈し過ぎていると、三すくみの状態で碌なことにならないような気がしています。

今回の研修でもわかるように、徹底排除してきたババアに都合のいい時だけ頼る図がまるわかりです。
感情がついて行かない祖父母も多いのではないでしょうか?
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