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第一章 NICU
生後57日目 研修面会
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今日からじじばばも自宅介護に向けて、医療手技習得の研修が始まりました。
前回のファミリー面会の時にNICUの室内があまりに暑かったので、今日は半袖下着を着て行きました。
病院では室温を28℃に設定しているらしいですよ。リノが暑がるはずだね。
看護師さんたちは皆、半袖のナース服でした。
面会室に入る時にも、二度目だと慣れた感じがして、緊張しませんでした。
特殊な手洗いも、看護師さんに教えてもらわなくてもバッチリ出来ましたしね。
そしてリノの顔を見ることも、身体に触ることにも馴れてきました。
よしよし家族らしくなってきてるぞ。
ムコーとネムルーの二人は先に病院へ行っていたので、ムコーが気を使って、時間前にロビーに呼びに来てくれました。
ムコーは院内の売店に行って、手動式吸引器を買ってきていました。それを嬉しそうに見せてくれたんです。
あの、あちこちのブログでよくお目にかかる、オレンジのゴムが眩しい手動式吸引器ですよ!
ラクーも実物を見て、ちょっと興奮してしまいました。(笑)
思っていたよりも小さいんですね~
これをシュウくんのお父さんは、山登り用のリュックサックに入れて持ち歩いていたんです。どういったらいいのかな? 登山家が山道を歩きながら手を使わなくてもストローでドリンクを飲めるようにしてある、胸ポケットのところです。
ドリンクの代わりに息子の吸引器というのも、面白いですよね。
本当にペットボトル感覚で持ち歩けるような形状なんですねぇ。
ネムルーはこれをニト〇のあのバッグに入れて、散歩に行く予定なんでしょう。^^
考えただけで、ワクワクします。
※ 電源が落ちて、吸引器が作動しなくなるのが、リノのような子を持つ親にとっては恐怖となります。
そのため、たいていみんな手動式吸引器を持っています。予備のバッテリーのさらに予備になるものですね。
今日の研修は、ネムルーが昨日覚えた手技の復習も兼ねていました。
ネムルーが先生になって私たち三人に経管栄養の入れ方を教えてくれました。リノの担当看護師さんはその様子をそばで確認しながら、ときどき補助をしてくれていました。
私たちも昨晩の夕食時にネムルーに聞いて予習をしていますから、今日は実際の物品を見たり触ったりしながらの確認作業のようなものでした。
なかなか優秀な家族ですね。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
疑問に思ったことも看護師さんにすぐに聞けたので、実のある研修になったと思います。
ラクー以外の三人は理系脳の人たちなので、途中からリノをほったらかしにして栄養ポンプや吸引器の構造のことを話し合っていました。
ネムルーは機械を分解したそうな顔をしています。
「それは止めといたほうがいいよ」とムコーがすかさずツッコんでいました。(^_^;)
リノの様子ですが、喉に人工鼻をつけたことで、本当に楽そうになっていました。
前回よりも落ち着いていて、顔色も良かったです。前回は真っ赤になって、やっと息をしている感じでしたが、今回はとても落ち着いていて、人口鼻以外は普通の赤ちゃんに見えました。
ムコーに似ていて、色白なんですよ~
色の白いのは七難隠すと言いますからね。
お肌もすべすべで、ついつい触りまくってしまいました。
リノは足を触られるとよく反応します。
「あたちの足を誰が触ってるのよぉー」という顔をして、頭を捻って振り返り、ジト目で後ろを見るんです。その顔が面白いので、ムコーとラクーは代わる代わる足を触って遊びました。
足の裏を触ると指を丸めてつかもうとする原始反射は残っていました。
優秀優秀 (*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
ネムルーが言ってたように、黒目の時が多くなっています。
嬉しいですねぇ。
瞼がパチパチできないのは難点ですが……
ネムルーが時たまリノの代わりに「手動」で瞼を上げ下げしています。田舎の電車の扉みたいですね。(爆)
リノが一度、自分で全身を大きく動かしているのを見ました。これは発作とか筋緊張とは思えない動きでした。
リノ、もしかして君は動けるようになるのかい?
ばあばは少し希望が出てきて、ネムルーに縦抱っこをするように命令しました。
諦めていた「首のすわり」ができるようになるための訓練をしてみたくなったのです。
人工鼻を潰してはいけませんから、ネムルーはリノを身体から離して首を支えて縦抱っこをしました。
「私の腕の筋肉が鍛えられるわ~」
確かにね。(笑)
家に帰れば膝に座らせて縦抱っこができるので、もっと体重が増えてもなんとかなりそうです。
人工呼吸器の医療機器が一揃いなくなったので、ホースやコードなども少なくなっていて、前回よりも簡単に抱っこすることが出来ました。
ばあばはリノをしっかりと胸に抱くことができて、嬉しかったですわ~
手のひらをグーンと伸ばす自作の手遊び唄もできましたし、オシメも替えさせてもらったのです。
ふふふ、満足です。(〃▽〃)
リノはたまに筋緊張が強くなるのかビクビクっとした動きをしていましたが、SPO₂や心拍の値が大きく変わることがないので、このくらいなら大丈夫なんでしょうね。
今日はよだれや痰が少な目だったので、吸引の練習はほんの少しだけでした。
ネムルーとムコーは気切からの吸引もしましたが、年寄り二人は口からの吸引だけをしてみました。
マーゲンチューブが口に入っているので、小さな口の中がすでにチューブでいっぱいになっているんです。その隙間を狙ってどこまで吸引チューブを入れていいのやら……恐る恐るでしたよ。
マーゲンチューブに空気を入れて胃の中の音を聞いたり、胸の痰が絡んだ音やきれいな呼吸の音なども、聴診器で聞きました。
初めて聴診器を使ったけど、小さな音もよく拾うんですねー
お医者さんはこういう音を診察の時に聞いているんだなぁと驚きましたよ。
※ ちなみに聴診器は自分で買います。ネムルーはピンクをセレクトしました。^^
一度、痰が上がってきて、リノがゼコゼコいいはじめたんです。
人工鼻だと、その音がよくわかりますねぇ。
ダンナーは「リノがしんどい時がよくわかるようになったから、気切をしてよかったなぁ」と言っていました。
泣き声が自分で出せないので、痰の音がこちらにハッキリとわかるのはありがたいことです。
ネムルーたちが引けなかったそのしつこい痰を、看護師さんが裏技を使って取ってくれました。
☆彡
さすがですね!
肺に負担がかかるので、何度も使えない技らしいですが、こうゆうのも経験ですね。
三時間にわたる研修は、喉の渇きと共にお開きになりました。
5人家族で一緒に写真も撮ってもらったし、滅多とない経験もさせてもらえたし、リノのおかげでいい一日を過ごせました。
前回のファミリー面会の時にNICUの室内があまりに暑かったので、今日は半袖下着を着て行きました。
病院では室温を28℃に設定しているらしいですよ。リノが暑がるはずだね。
看護師さんたちは皆、半袖のナース服でした。
面会室に入る時にも、二度目だと慣れた感じがして、緊張しませんでした。
特殊な手洗いも、看護師さんに教えてもらわなくてもバッチリ出来ましたしね。
そしてリノの顔を見ることも、身体に触ることにも馴れてきました。
よしよし家族らしくなってきてるぞ。
ムコーとネムルーの二人は先に病院へ行っていたので、ムコーが気を使って、時間前にロビーに呼びに来てくれました。
ムコーは院内の売店に行って、手動式吸引器を買ってきていました。それを嬉しそうに見せてくれたんです。
あの、あちこちのブログでよくお目にかかる、オレンジのゴムが眩しい手動式吸引器ですよ!
ラクーも実物を見て、ちょっと興奮してしまいました。(笑)
思っていたよりも小さいんですね~
これをシュウくんのお父さんは、山登り用のリュックサックに入れて持ち歩いていたんです。どういったらいいのかな? 登山家が山道を歩きながら手を使わなくてもストローでドリンクを飲めるようにしてある、胸ポケットのところです。
ドリンクの代わりに息子の吸引器というのも、面白いですよね。
本当にペットボトル感覚で持ち歩けるような形状なんですねぇ。
ネムルーはこれをニト〇のあのバッグに入れて、散歩に行く予定なんでしょう。^^
考えただけで、ワクワクします。
※ 電源が落ちて、吸引器が作動しなくなるのが、リノのような子を持つ親にとっては恐怖となります。
そのため、たいていみんな手動式吸引器を持っています。予備のバッテリーのさらに予備になるものですね。
今日の研修は、ネムルーが昨日覚えた手技の復習も兼ねていました。
ネムルーが先生になって私たち三人に経管栄養の入れ方を教えてくれました。リノの担当看護師さんはその様子をそばで確認しながら、ときどき補助をしてくれていました。
私たちも昨晩の夕食時にネムルーに聞いて予習をしていますから、今日は実際の物品を見たり触ったりしながらの確認作業のようなものでした。
なかなか優秀な家族ですね。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
疑問に思ったことも看護師さんにすぐに聞けたので、実のある研修になったと思います。
ラクー以外の三人は理系脳の人たちなので、途中からリノをほったらかしにして栄養ポンプや吸引器の構造のことを話し合っていました。
ネムルーは機械を分解したそうな顔をしています。
「それは止めといたほうがいいよ」とムコーがすかさずツッコんでいました。(^_^;)
リノの様子ですが、喉に人工鼻をつけたことで、本当に楽そうになっていました。
前回よりも落ち着いていて、顔色も良かったです。前回は真っ赤になって、やっと息をしている感じでしたが、今回はとても落ち着いていて、人口鼻以外は普通の赤ちゃんに見えました。
ムコーに似ていて、色白なんですよ~
色の白いのは七難隠すと言いますからね。
お肌もすべすべで、ついつい触りまくってしまいました。
リノは足を触られるとよく反応します。
「あたちの足を誰が触ってるのよぉー」という顔をして、頭を捻って振り返り、ジト目で後ろを見るんです。その顔が面白いので、ムコーとラクーは代わる代わる足を触って遊びました。
足の裏を触ると指を丸めてつかもうとする原始反射は残っていました。
優秀優秀 (*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
ネムルーが言ってたように、黒目の時が多くなっています。
嬉しいですねぇ。
瞼がパチパチできないのは難点ですが……
ネムルーが時たまリノの代わりに「手動」で瞼を上げ下げしています。田舎の電車の扉みたいですね。(爆)
リノが一度、自分で全身を大きく動かしているのを見ました。これは発作とか筋緊張とは思えない動きでした。
リノ、もしかして君は動けるようになるのかい?
ばあばは少し希望が出てきて、ネムルーに縦抱っこをするように命令しました。
諦めていた「首のすわり」ができるようになるための訓練をしてみたくなったのです。
人工鼻を潰してはいけませんから、ネムルーはリノを身体から離して首を支えて縦抱っこをしました。
「私の腕の筋肉が鍛えられるわ~」
確かにね。(笑)
家に帰れば膝に座らせて縦抱っこができるので、もっと体重が増えてもなんとかなりそうです。
人工呼吸器の医療機器が一揃いなくなったので、ホースやコードなども少なくなっていて、前回よりも簡単に抱っこすることが出来ました。
ばあばはリノをしっかりと胸に抱くことができて、嬉しかったですわ~
手のひらをグーンと伸ばす自作の手遊び唄もできましたし、オシメも替えさせてもらったのです。
ふふふ、満足です。(〃▽〃)
リノはたまに筋緊張が強くなるのかビクビクっとした動きをしていましたが、SPO₂や心拍の値が大きく変わることがないので、このくらいなら大丈夫なんでしょうね。
今日はよだれや痰が少な目だったので、吸引の練習はほんの少しだけでした。
ネムルーとムコーは気切からの吸引もしましたが、年寄り二人は口からの吸引だけをしてみました。
マーゲンチューブが口に入っているので、小さな口の中がすでにチューブでいっぱいになっているんです。その隙間を狙ってどこまで吸引チューブを入れていいのやら……恐る恐るでしたよ。
マーゲンチューブに空気を入れて胃の中の音を聞いたり、胸の痰が絡んだ音やきれいな呼吸の音なども、聴診器で聞きました。
初めて聴診器を使ったけど、小さな音もよく拾うんですねー
お医者さんはこういう音を診察の時に聞いているんだなぁと驚きましたよ。
※ ちなみに聴診器は自分で買います。ネムルーはピンクをセレクトしました。^^
一度、痰が上がってきて、リノがゼコゼコいいはじめたんです。
人工鼻だと、その音がよくわかりますねぇ。
ダンナーは「リノがしんどい時がよくわかるようになったから、気切をしてよかったなぁ」と言っていました。
泣き声が自分で出せないので、痰の音がこちらにハッキリとわかるのはありがたいことです。
ネムルーたちが引けなかったそのしつこい痰を、看護師さんが裏技を使って取ってくれました。
☆彡
さすがですね!
肺に負担がかかるので、何度も使えない技らしいですが、こうゆうのも経験ですね。
三時間にわたる研修は、喉の渇きと共にお開きになりました。
5人家族で一緒に写真も撮ってもらったし、滅多とない経験もさせてもらえたし、リノのおかげでいい一日を過ごせました。
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