星の子ども

秋野 木星

文字の大きさ
上 下
37 / 118
第一章 NICU

生後37日目 メリークリスマス・イブ☆彡

しおりを挟む
あっという間にクリスマスが来てしまいました。
昨日は長女のノンビリー一家が家に来て、大勢で毎年恒例のクリスマスパーティーをしました。

ネムルーとムコーは、午前中にリノに会いに病院へ行きました。
EDチューブがとうとう詰まったらしく、入れ替えになったそうです。(;´Д`) 17日間というのは、もった方なんですかね?
医療具を扱いなれている医療のプロたちがごろごろいるNICUに入院している時点でこの日数だと、素人が管理する自宅に戻ってからのことが心配になります。
よく詰まると言われているEDチューブ。家だと一週間ぐらいしかもたないのかなぁ?
何度も入れ替えになると、リノの身体への負担もあるし。やっぱりできるだけ早く胃瘻にしてもらいたいな。
二本のチューブが小さな口から出て、下唇を押さえつけるようにテープで固定されていると、見ているだけで不憫ふびんなんですよね。(^_^;)

ネムルーが、先生にEDチューブを入れた後の画像を見せてもらったそうですが、十二指腸から小腸にかけて山道を下るように、クネクネと何度も曲がって入っていたそうです。ネムルーもラクーも胃を通り抜けてすぐ下の十二指腸にチューブが垂れているんだと思ってました。想像とは全然違いましたね。
「あれじゃあ、腸の画像を観ながらお医者さんが入れないと入らないわ」とネムルーも感心していました。

だいたい十二指腸が身体のどこにあるのか?なんていうことも、今まで気にしたことがなかったよ。(笑)


さてさて午後2時過ぎにノンビリー一家がやって来ました。
いつものんびりとやって来るので、我が家ではノンビリー一家が何時に到着するのかが『カケ』の対象になります。
「昼から行くね~」と言っておいて、夕方の6時半頃に来たりするのです。アバウトでしょ?

ダンナーは「2時50分頃に馬が出走するから、3時半を過ぎて来るんじゃないか?」と言うのです。
ノンビリーの旦那様のセンセーは、競馬が趣味なんです。(笑)
なんといっても12月23日といえば、競馬界では有名な有馬記念がある日です。
ラクーは「うちでテレビを観てから馬券を買うんだから、2時過ぎには来るよ。たぶん去年もそうだったと思う」と言いました。やはりラクーの予想通りでしたね。^^

五歳のハシルン、三歳のポポ、一歳のポッチャリがやって来ると、家中が活気づきます。
ムコーは子どもが好きですし、三人の子ども達もムコー叔父さんが大好きなんです。
亡くなった義母のララが車椅子になってもいいようにと設計した広い廊下と、じだらく魔女が掃除機をかけやすいようにとクルリと丸く生活動線を配置して家ができているので、子ども達にとっては『とっても走りやすい』家なんです。(爆)
すぐにムコーと三人の孫たちが追いかけっこを始めました。

センセーはマラソンを観ていたダンナーにチャンネルを譲ってもらって、テレビの前に陣取ります。
ネムルーとラクーは、先日のポッチャリの救急車騒動を、ノンビリーからじっくりと聞かせてもらったのでした。
ノンビリーは急な出来事にも落ち着いて対処ができていたようです。
小さい頃はすぐに涙ぐんでいた子でしたが、三人のお母さんになって、しっかりとした大人になったんだなぁと感慨深かったです。
近所の小児科医とも話し合って、検査は急がなくてもいいという結論に達したそうです。
ポッチャリも兄と姉についてまわって、元気に遊んでいました。
このまま発作が起きないことを祈ります。

クリスマスプレゼントを皆で交換してみると、孫や子ども達の成長を感じました。
ハシルンとポポは従姉妹のリノに折り紙や手紙をくれました。ノンビリーは手先の器用さを生かして、寝たきりの赤ちゃん用の半分帽子を作ってプレゼントしていました。考えたねぇ。

ウケたのは、じじばばがポポにプレゼントした「はじめてのシルバニ〇ファミリー」です。これにはなぜかポッチャリが一番反応して、本気で遊んでいました。付属のDVDに入っていたショコラうさぎさんたちの踊りは、エンドレスで繰り返して観て、一緒に踊っていました。
一歳の子が遊ぶ時に危なくないように大きく作られたお人形を、ポッチャリにプレゼントしたんですが、その子は一度髪を撫でてもらっただけで、放っておかれています。
当のポポは走り回る方が忙しくて、妹にプレゼントを触られているのに気づいていません。
少々思惑が外れましたが、ポッチャリが気に入ってくれたのなら、まっいいか……

ネムルーとムコーが子ども達にとプレゼントした「魚釣りゲーム」と「モグラたたき」には、大人が夢中になってしまいました。(笑) 
面白いおもちゃがあるもんですね~

そしてもっと面白かったのは、クリスマスケーキを食べる時です。
ノンビリーの家には「日めくりカレンダー」があるそうです。ハシルンがそれを見てきていて覚えていたらしく「今日は天皇さまの誕生日だよ!!」と主張するのです。
そこで皆で「♬ハッピバースディ 天皇陛下~♪」とお誕生日の歌を歌うことになりました。(笑)
……クリスマスケーキじゃなくなっちゃったけど、まっいいか。(爆)
このほうが日本人らしかったかも。^^


ところで競馬の結果ですが、センセー一押しの12番じゃなくて、8番の馬が優勝したようです。
8番も買ってはいたようですが、全体でみると負けたのだとか……
リノは17日生まれなので、「17番を代わりに買ってもらったら?」とラクーは言っていましたが、馬は16頭しかいなかったのです。残念。
年末ジャンボに期待するしかないですね。☆彡
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

日記

本野汐梨 Honno Siori
エッセイ・ノンフィクション
私の日記と詩を紹介します。 120%愚痴です。 どん底で人生について考えています。

アルファポリスの禁止事項追加の件

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスガイドライン禁止事項が追加されるんでガクブル

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

道草日記2025【電子書籍作家の日々徒然】

その子四十路
エッセイ・ノンフィクション
原稿が終わらない。電子書籍作家『その子四十路』のまったく丁寧じゃない、道草を食ってばかりの暮らしの記録。 2025年1月〜 ↓昨年の記録はこちら ●混迷日記2024【電子書籍作家の日々徒然】

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...