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第一章 NICU
生後9日目 生きられるかもしれません!
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11月も終わろうとしていました。
今日ラクーは、ダンナーと一緒に買い物に行きました。
ダンナーは寒くなって来たので、温かいソックスを買いたいと言っていました。
ラクーは脳の働きがわかる本が欲しいと思っていました。
昨日、リノの手を握る力が強くなり、管で入れる経管栄養を再開したとネムルーに聞いたので、もしかしたら生きられるんじゃないかと思ったのです。
脳の働きを勉強しておいて、来週行われる予定の「詳しい脳波検査」と「MRI検査」に備えておこうと思ったのです。
※ 脳波検査・・ベッドのそばに持ってこられる機械と脳波検査用の部屋に行って録るものとでは、精度が違うそうです。
MRI検査・・磁気で身体の中を輪切り写真にできるレントゲンのようなものです。ラクーはおばあちゃんの介護でも、自分ががんになった時にも経験していたので、お馴染みの検査でした。
ラクーは若い頃に半年ほど「重度心身障害者向けの養護施設」で働いた経験があります。
教育内容などはもうすっかり忘れてしまいましたが、資格を持つ者として、何か少しでもリノの発達を促すために関わっていきたいと張り切っていました。
ダンナーは手先が器用なので、リノの介護生活を整える手伝いができます。
我が家は亡くなった義母のララのために、バリアフリーの家を建てていたので、その点では恵まれていました。親孝行をしていると、自分の身を助けますね。
母親のネムルーは機械工学系の理系女子ですし、父親のムコーは自然科学系の理系男子なのです。
リノにとっては、頼もしくてバランスのいい布陣でしょ?
本屋で医学コーナーを見たのですが、なかなかいい本がありません。家庭医学のコーナーなんて、障害児ケアなどの言葉は、どの本にも一言も書いてありませんでした。(^_^;)
うーん、ぐずる子への対応なんて、どうでもいいじゃん!(笑)
ちょっと前までは、できる子の育て方の本を熟読していたばあばですが、興味は変わるものですね。(爆)
保育のコーナーへ行って、やっとそこそこ使えそうな本が出てきました。
今日、ラクーが買ったのは、この本です。
「障害児が変わる! 脳・からだ・こころを目覚めさせる科学的発達支援」
相馬範子 著 出版社 合同出版
1500円+税
とにかく脳の図解がたくさん出ていて、わかりやすかったんです。
今日からこれを読んでいこうと思います。(`・ω・´)ゞ
そんなラクーのもとに、娘のネムルーから嬉しいメールが届きました。
『リノ、おっぱいを無事に消化できてるって! 血液の感染症も問題なくなったって!』
『おっぱいの投入量も10mlから20mlに増えてた!』
『今日はさらに手の力も強くなってて、背中をもそもそする仕草も見えたよ~』
『お父さんのムコーが、初オムツ替えをしたよ!』
なんと急成長ではありませんかっ!!
いける、これは生きていける!
ばあばは飛び上がって喜びながら、ソックスを選んでいるじいじのもとへ走って行きました。
じいじもニヤリと笑って「良かったなぁ~! ネムルーに似て、ゆっくり寝とっただけじゃないんか?」などと失礼なことも言っていました。( ̄▽ ̄)
その後、ラクーは「リノ、今度は息をするんよ! 息だよ、吸ってぇ~、吐くの」と言いながら、デパートの中を歩きました。
↑ ちょっと変な人ですね。(;^ω^)
「這えば立て 立てば歩めの親心」と言いますが、「感染症」と「消化」この大きな課題を二つもクリアしたリノに、ばあばはまた大きな課題を突き付けるのです。
ごめんよ~
でもここ大事だからっ!
買い物帰りの車の中は、久しぶりに安心の吐息と笑い声でいっぱいでした。
父親のムコーは、リノがネムルーのお腹の中にいる時から、オムツ交換のことを心配して夢にまでみていました。
「オムツを交換する途中に、ここから先をどうやっていいのかわからなくなって、うなされたんですよ~」
などと、笑い話を披露してくれていました。
でも独身男性がオムツに関わることはそうないので、新米パパとしては当然の心配だったんでしょうね。
ムコーがオムツを替える経験ができた。
それだけでも家族にとっては嬉しいことでした。
今日ラクーは、ダンナーと一緒に買い物に行きました。
ダンナーは寒くなって来たので、温かいソックスを買いたいと言っていました。
ラクーは脳の働きがわかる本が欲しいと思っていました。
昨日、リノの手を握る力が強くなり、管で入れる経管栄養を再開したとネムルーに聞いたので、もしかしたら生きられるんじゃないかと思ったのです。
脳の働きを勉強しておいて、来週行われる予定の「詳しい脳波検査」と「MRI検査」に備えておこうと思ったのです。
※ 脳波検査・・ベッドのそばに持ってこられる機械と脳波検査用の部屋に行って録るものとでは、精度が違うそうです。
MRI検査・・磁気で身体の中を輪切り写真にできるレントゲンのようなものです。ラクーはおばあちゃんの介護でも、自分ががんになった時にも経験していたので、お馴染みの検査でした。
ラクーは若い頃に半年ほど「重度心身障害者向けの養護施設」で働いた経験があります。
教育内容などはもうすっかり忘れてしまいましたが、資格を持つ者として、何か少しでもリノの発達を促すために関わっていきたいと張り切っていました。
ダンナーは手先が器用なので、リノの介護生活を整える手伝いができます。
我が家は亡くなった義母のララのために、バリアフリーの家を建てていたので、その点では恵まれていました。親孝行をしていると、自分の身を助けますね。
母親のネムルーは機械工学系の理系女子ですし、父親のムコーは自然科学系の理系男子なのです。
リノにとっては、頼もしくてバランスのいい布陣でしょ?
本屋で医学コーナーを見たのですが、なかなかいい本がありません。家庭医学のコーナーなんて、障害児ケアなどの言葉は、どの本にも一言も書いてありませんでした。(^_^;)
うーん、ぐずる子への対応なんて、どうでもいいじゃん!(笑)
ちょっと前までは、できる子の育て方の本を熟読していたばあばですが、興味は変わるものですね。(爆)
保育のコーナーへ行って、やっとそこそこ使えそうな本が出てきました。
今日、ラクーが買ったのは、この本です。
「障害児が変わる! 脳・からだ・こころを目覚めさせる科学的発達支援」
相馬範子 著 出版社 合同出版
1500円+税
とにかく脳の図解がたくさん出ていて、わかりやすかったんです。
今日からこれを読んでいこうと思います。(`・ω・´)ゞ
そんなラクーのもとに、娘のネムルーから嬉しいメールが届きました。
『リノ、おっぱいを無事に消化できてるって! 血液の感染症も問題なくなったって!』
『おっぱいの投入量も10mlから20mlに増えてた!』
『今日はさらに手の力も強くなってて、背中をもそもそする仕草も見えたよ~』
『お父さんのムコーが、初オムツ替えをしたよ!』
なんと急成長ではありませんかっ!!
いける、これは生きていける!
ばあばは飛び上がって喜びながら、ソックスを選んでいるじいじのもとへ走って行きました。
じいじもニヤリと笑って「良かったなぁ~! ネムルーに似て、ゆっくり寝とっただけじゃないんか?」などと失礼なことも言っていました。( ̄▽ ̄)
その後、ラクーは「リノ、今度は息をするんよ! 息だよ、吸ってぇ~、吐くの」と言いながら、デパートの中を歩きました。
↑ ちょっと変な人ですね。(;^ω^)
「這えば立て 立てば歩めの親心」と言いますが、「感染症」と「消化」この大きな課題を二つもクリアしたリノに、ばあばはまた大きな課題を突き付けるのです。
ごめんよ~
でもここ大事だからっ!
買い物帰りの車の中は、久しぶりに安心の吐息と笑い声でいっぱいでした。
父親のムコーは、リノがネムルーのお腹の中にいる時から、オムツ交換のことを心配して夢にまでみていました。
「オムツを交換する途中に、ここから先をどうやっていいのかわからなくなって、うなされたんですよ~」
などと、笑い話を披露してくれていました。
でも独身男性がオムツに関わることはそうないので、新米パパとしては当然の心配だったんでしょうね。
ムコーがオムツを替える経験ができた。
それだけでも家族にとっては嬉しいことでした。
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