16 / 16
勝利の美酒
しおりを挟む
11月2日以降も修行の日々が続きました。
11月3日~5日にかけて4枚落ちハム君や2枚落ちハム君に挑戦し続けました。肩と頭がヘロヘロになって指が震えだしました。
そして運命の11月6日のことです。
なんとなんと「平手」ハム君に123手で初勝利しました!!ヽ(^o^)丿☆彡
《平手ハム君に勝った最後の棋譜》
△竜
▲歩
▲金 △金 △成銀
▲歩 ▲歩 ▲王
▲銀 △歩 ▲桂 ▲歩
△歩 ▲竜 △歩 △歩 △香
▲金 ▲成銀 △金 △桂
△香 ▲と △玉 △桂 △香
こーんな感じでした。△後手の木星の金が2筋で、▲先手のハム君の王様を踏みつけにしてるでしょ!
ハム君の持ち駒・・・▲角 ▲銀 ▲歩3枚
木星の持ち駒・・・△角 △桂 △香 △歩6枚
人「23492422勝」 対 ハム君「7610659勝」 の時でした。
しみじみしますよね。ここまで来たかという感慨と、人のほうが倍以上勝っているのに自分が負け続けていたというふがいなさを同時に感じました。
しかしこの一時の勝利は、空の彼方に儚く消えて行ったのです。
この一勝の後に、二度と平手ハム君に勝てなくなったのでした。(;´Д`)
それから長い長ぁ~い頭打ちの日々が続くことになったのです。11月7日~9日の間は二枚落ちハム君にさえ勝てなくなったのでした。
焦りからダンナーにも挑戦し続けましたが、ことごとく負けました。
どうしてもあの棒銀戦法の突き抜けた感覚が戻って来ません。攻めあぐねた末に墓穴を掘ることが多くなりました。
くじけそうになった時に新しくこのエッセイのファンになってくださったkeikatoさん達に励まされたのです。将棋が得意ではないのに応援してくださっている長岡更紗さんや銘尾友朗さんたちの顔?も浮かんできました。
こういう時には基本に帰れだっ。
自分が書いたこの将棋エッセイを読み直して、将棋仙人の教えをもう一度、身体に叩き込みました。そして詰将棋を頑張ったのです。
11月10日には二枚落ちハム君に58手で勝てるまでに、回復してきていました。
11日の土曜日には、お歳暮を買いに行って実家を訪ねたりしていたので、詰将棋しか出来ませんでした。
今日、12日の日曜日には二人目の孫の七五三なので朝から出かけていました。
そんな忙しい最中に「なんとかこの週末にダンナー戦を一回でもしておきたい!」という気持ちが常に頭の中にありました。
私の執拗な願いに根負けして、先程、ダンナーが対局を承知してくれました。
今日のダンナー戦では、中盤のダンナーのしつこい攻めを凌いで、終盤に入ってからは私の勝ちが見えている展開になりました。信じられない快挙です。
ここで一気に攻め込めばよかったのに、下手に慎重策を取ったのが悪かった。
逆に攻め込まれて負けてしまいました。(;´Д`A ```
♬勝つと思うな 思えば負けよ♪
昔の人は上手いことを言ったものです。
しかし今までやって来た日々の中で、初めてダンナー戦で手ごたえを感じたのです!
平手ハム君に負け続けていた時に、自分がやられて嫌な手だったものをダンナーに対して使ってみたら、意外と突破口が見えて来たのです。
「失敗から学ぶ」ということでしょうか。
最後の詰めろさえ出来れば、もしかしたら勝てるかもしれないと思った私は、泣きの一手で再戦を頼みました。
《最後のダンナー戦》
先手 木星 後手 ダンナー
1 ▲7八金 △3四歩 「まずは角を守るよ。」
あ、さっきと違って角道を開けてきた!
2 ▲2六歩 △3二金 「飛先の歩よ突撃せよっ!」
敵も金で守りに入ったね。
3 ▲2五歩 △8四歩 「行け行けぇ!」
順当に飛先の歩からだね。
4 ▲2四歩 △同歩 「歩を突いて取らせたよ。」
これは取るよね。
5 ▲同飛 △2三歩打 「お約束です。」
同じく。
6 ▲2八飛 △8五歩 「飛を下げるよ。」
向こうも棒銀だ。
7 ▲3八銀 △9四歩 「銀をあげるよ~。」
あれ?8六とこない。
8 ▲2七銀 △7二銀 「銀君スタンバイっす。」
やっぱり銀で来るのか?
9 ▲2六銀 △8三銀 「銀よ飛び立つのじゃ!」
敵も棒銀だ。
10 ▲2五銀 △4四角 「よし、ここまで来たぞ。」
腰かけ角?
11 ▲2四歩打 △2二銀 「銀の前を掃除しよう。」
ああこのために角を除けたのね。
12 ▲2三歩成 △同銀 「構わず突っ込め!」
それは取るよね。
13 ▲2四銀 △1二銀 「エイッ、銀へガチンコだ。」
なぬ?逃げるのか?!
14 ▲2三銀不成 △同銀 「本屋で立ち読みした手だっ。」
これタダで銀を取られた?
15 ▲7六歩 △8八角成 「角君~、ヘルプミー。」
きー、こういうとこはハム君と一緒だ。
16 ▲同銀 △8四銀 「もー、銀で取るよ。」
銀が上って来てる。(^_^;)
17 ▲1五角 △2四歩打 「くそっ、王手だ!」
歩で防がれたか。
18 ▲3六歩 △1四歩 「角の逃げ道を作っとこ。」
やっぱり角頭を突いてきたね。
19 ▲3七角 △5四角打 「角君避難~。」
角筋を変えてきたね。
20 ▲4八金 △8六歩 「前方を守らなきゃね。」
ぎえーーっ、なんて容赦ない。
21 ▲同歩 △7六角 「これは取っとくべきだね。」
嫌だー、角が来たよっ。
22 ▲8七銀 △7五銀 「角を止めなきゃ決死隊。」
銀で守るんだね。
23 ▲5五角 △8六銀 「こっちも反撃の狼煙をあげるぞ!」
げっ、嫌なとこ指すなぁ。
24 ▲7六銀 △8七歩打 「もう角を取っちゃえ。」
えー、しつこい手だなぁ。
25 ▲8五歩打 △8八歩成 「飛車が来ませんように。」
もー「と金」は嫌いよ。
26 ▲同金 △8七歩打 「排除だっ。」
しつこい男だね。
27 ▲7八金 △7七銀打 「逃げとこう。」
また銀が来た。何で取ろうか。
28 ▲同桂 △9五歩 「そういやぁ桂馬くんがいたよ。」
しまったの声が出たよ。(笑)
29 ▲1一角成 △3一金 「やったー!角が馬に成った。」
金が桂馬を守ろうとしてるね。
30 ▲2二歩打 △3二銀 「じゃあ歩で取ろう。」
そうか、二重に効かせるのか。
31 ▲2一歩成 △4二金 「でもいいもん。桂馬を取るよ。」
あれ?逃げるの?
32 ▲3一と △4一銀 「じゃあ銀を取りに行こう。」
あー、王様の守りか。
33 ▲2四飛 △9六歩 「飛車さんピコロコピー♪」
もー、また9筋なのぉ?
34 ▲同歩 △同香 「取るしかないのか。」
やっぱり香が来るよね。
35 ▲同香 △9五歩 「取るよ~、もうっ!」
また歩なのぉ?
36 ▲同香 △同銀 「香を捨てなきゃか。」
やっぱり取るよね。
37 ▲8七金 △9一香打 「それなら歩を取っとかなくちゃ。」
何でそこ?『あんた角を持ってるでしょ。』
38 ▲2二飛成 △9六銀 「もう、攻めて行こう!」
くっ、金取りと飛車が来るのか?
39 ▲4一と △同玉 「もう銀を取って王手だ!」
うーん、ここでは逃げないのね。
40 ▲3三桂 △5二玉 「もう一回王手だ!」
今度は逃げたか。
41 ▲4一銀打 △5一玉 「今度は銀で王手だ!」
この王様はしぶといねー。
42 ▲3一角打 △6二玉 「もう金を狙っちゃえ。」
やっと王様が逃げに入ったよ。
43 ▲4二角成 △7二玉 「金を取って、火を噴く馬に成ったよ。」
うーん、どうやって詰ませたらいいんだろう。
44 ▲5三馬 △6二金 「馬を除けて竜で王手!」
合駒を指されたよ。
45 ▲同竜 △8三玉 「ここを馬で取りそうになって竜に変えた。」
玉が遠くへ行かないようにしなくちゃ。
46 ▲8四金打 △9二玉 「金で王手だ!」
よし、だいぶ追い詰めたぞ。
47 ▲9三金打 △同桂 「金を捨てて王手!」
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪桂馬で取って来たね。
48 ▲8一銀 △同玉 「そうかー、玉で取るのね。」
ええっと、馬の出番かな。
49 ▲6三馬 △9二玉 「ななめ王手!」
『もう詰んだぁ。』ここがあるじゃん。
50 ▲8三香打 『ふ~ん、香なんだー。』
ここに来て『負けました』を言わないダンナー。
『詰んだな。』で終わりました。(笑)
まぁしょうがないよね。泣きのもう一番だったし……
でも、勝ちは勝ちなのです!!
……………………終わった。
木星は天を仰ぎました。(本当は座敷の天井)
自分がまだまだの実力なのはわかっています。平手ハム君に常勝できるようになって始めて将棋初心者の一挑戦者となれるのでしょう。
でもここまでくるとダンナーに三回に一回は勝てるような気がします。
そして、なんとなく駒の動かし方を覚えられたような気がするのです。これが一か月ちょっと前には、駒がどこへ動くのかもおぼろげで、10枚落ちハム君に負けてた人なんですよ。
よくここまで来たものです。
これもひとえに応援してくださった諸先輩方と…………将棋仙人様のおかげです!
ありがとうございましたっ。
そうです、そう言えば秘密にしていましたよね。ありがたい教えをたくさん授けてくれた将棋仙人様の正体は?!
もう気づいている人もいるかな?
ダダダダダァーーーーン!!
「宗歩好み! ~最強美少女棋士 天野宗歩ができるまで~」を執筆中の
【藤之森ちょろり】師匠ですっ!!!
有段者の師匠が直接その時の状況に応じて、メールで丁寧に教えてくださいました。
何という贅沢な日々だったのでしょう。
師匠の教えを無駄にしないように、これからも日々精進してまいります。
今回ダンナーに勝てたのは、相手の飛車が飛び込んでこないように祈って打った苦し紛れの「9五歩」でした。
この「歩」が最後の王様への詰めを助けてくれたのです。
秋野はこの「歩」のように、これからも一歩一歩進んで行きたいと思っています。
エッセイはこれで終わりますが、秘密の特訓は続けていきます。またいつか皆さんと共に戦える日が来ることを祈って……
※ 読者の石川さんが、将棋ソフト用の棋譜を書いてくださいました。
表題:最後のダンナー戦
手合割:平手
先手:木星
後手:ダンナー
手数----指手---------消費時間--
1 7八金(69)
*「まずは角を守るよ。」
2 3四歩(33)
*あ、さっきと違って角道を開けてきた!
3 2六歩(27)
*「飛先の歩よ突撃せよっ!」
4 3二金(41)
*敵も金で守りに入ったね。
5 2五歩(26)
*「行け行けぇ!」
6 8四歩(83)
*順当に飛先の歩からだね。
7 2四歩(25)
*「歩を突いて取らせたよ。」
8 同 歩(23)
*これは取るよね。
9 同 飛(28)
*「お約束です。」
10 2三歩打
*同じく。
11 2八飛(24)
*「飛を下げるよ。」
12 8五歩(84)
*向こうも棒銀だ。
13 3八銀(39)
*「銀をあげるよ~。」
14 9四歩(93)
*あれ?8六とこない。
15 2七銀(38)
*「銀君スタンバイっす。」
16 7二銀(71)
*やっぱり銀で来るのか?
17 2六銀(27)
*「銀よ飛び立つのじゃ!」
18 8三銀(72)
*敵も棒銀だ。
19 2五銀(26)
*「よし、ここまで来たぞ。」
20 4四角(22)
*腰かけ角?
21 2四歩打
*「銀の前を掃除しよう。」
22 2二銀(31)
*ああこのために角を除けたのね。
23 2三歩成(24)
*「構わず突っ込め!」
24 同 銀(22)
*それは取るよね。
25 2四銀(25)
*「エイッ、銀へガチンコだ。」
26 1二銀(23)
*なぬ?逃げるのか?!
27 2三銀(24)
*「本屋で立ち読みした手だっ。」
28 同 銀(12)
*これタダで銀を取られた?
29 7六歩(77)
*「角君~、ヘルプミー。」
30 8八角成(44)
*きー、こういうとこはハム君と一緒だ。
31 同 銀(79)
*「もー、銀で取るよ。」
32 8四銀(83)
*銀が上って来てる。(^_^;)
33 1五角打
*「くそっ、王手だ!」
34 2四歩打
*歩で防がれたか。
35 3六歩(37)
*「角の逃げ道を作っとこ。」
36 1四歩(13)
*やっぱり角頭を突いてきたね。
37 3七角(15)
*「角君避難~。」
38 5四角打
*角筋を変えてきたね。
39 4八金(49)
*「前方を守らなきゃね。」
40 8六歩(85)
*ぎえーーっ、なんて容赦ない。
41 同 歩(87)
*「これは取っとくべきだね。」
42 7六角(54)
*嫌だー、角が来たよっ。
43 8七銀(88)
*「角を止めなきゃ決死隊。」
44 7五銀(84)
*銀で守るんだね。
45 5五角(37)
*「こっちも反撃の狼煙をあげるぞ!」
46 8六銀(75)
*げっ、嫌なとこ指すなぁ。
47 7六銀(87)
*「もう角を取っちゃえ。」
48 8七歩打
*えー、しつこい手だなぁ。
49 8五歩打
*「飛車が来ませんように。」
50 8八歩成(87)
*もー「と金」は嫌いよ。
51 同 金(78)
*「排除だっ。」
52 8七歩打
*しつこい男だね。
53 7八金(88)
*「逃げとこう。」
54 7七銀打
*また銀が来た。何で取ろうか。
55 同 桂(89)
*「そういやぁ桂馬くんがいたよ。」
56 9五歩(94)
*しまったの声が出たよ。(笑)
57 1一角成(55)
*「やったー!角が馬に成った。」
58 3一金(32)
*金が桂馬を守ろうとしてるね。
59 2二歩打
*「じゃあ歩で取ろう。」
60 3二銀(23)
*そうか、二重に効かせるのか。
61 2一歩成(22)
*「でもいいもん。桂馬を取るよ。」
62 4二金(31)
*あれ?逃げるの?
63 3一と(21)
*「じゃあ銀を取りに行こう。」
64 4一銀(32)
*あー、王様の守りか。
65 2四飛(28)
*「飛車さんピコロコピー♪」
66 9六歩(95)
*もー、また9筋なのぉ?
67 同 歩(97)
*「取るしかないのか。」
68 同 香(91)
*やっぱり香が来るよね。
69 同 香(99)
*「取るよ~、もうっ!」
70 9五歩打
*また歩なのぉ?
71 同 香(96)
*「香を捨てなきゃか。」
72 同 銀(86)
*やっぱり取るよね。
73 8七金(78)
*「それなら歩を取っとかなくちゃ。」
74 9一香打
*何でそこ?『あんた角を持ってるでしょ。』
75 2二飛成(24)
76 9六銀(95)
*くっ、金取りと飛車が来るのか?
77 4一と(31)
*もう銀を取って王手だ!」
78 同 玉(51)
*うーん、ここでは逃げないのね。
79 3三桂打
*「もう一回王手だ!」
80 5二玉(41)
*今度は逃げたか。
81 4一銀打
*「今度は銀で王手だ!」
82 5一玉(52)
*この王様はしぶといねー。
83 3一角打
*「もう金を狙っちゃえ。」
84 6二玉(51)
*やっと王様が逃げに入ったよ。
85 4二角成(31)
*「金を取って、火を噴く馬に成ったよ。」
86 7二玉(62)
*うーん、どうやって詰ませたらいいんだろう。
87 5三馬(42)
*「馬を除けて竜で王手!」
88 6二金(61)
*合駒を指されたよ。
89 同 龍(22)
*「ここを馬で取りそうになって竜に変えた。」
90 8三玉(72)
*玉が遠くへ行かないようにしなくちゃ。
91 8四金打
*「金で王手だ!」
92 9二玉(83)
*よし、だいぶ追い詰めたぞ。
93 9三金打
*「金を捨てて王手!」
94 同 桂(81)
*(* ̄▽ ̄)フフフッ♪桂馬で取って来た
95 8一銀打
*「そうかー、玉で取るのね。」
96 同 玉(92)
*ええっと、馬の出番かな。
97 6三馬(53)
*「ななめ王手!」
98 9二玉(81)
*『もう詰んだぁ。』ここがあるじゃん。
99 8三香打
*『ふ~ん、香なんだー。』
100 投了
まで99手で先手の勝ち
11月3日~5日にかけて4枚落ちハム君や2枚落ちハム君に挑戦し続けました。肩と頭がヘロヘロになって指が震えだしました。
そして運命の11月6日のことです。
なんとなんと「平手」ハム君に123手で初勝利しました!!ヽ(^o^)丿☆彡
《平手ハム君に勝った最後の棋譜》
△竜
▲歩
▲金 △金 △成銀
▲歩 ▲歩 ▲王
▲銀 △歩 ▲桂 ▲歩
△歩 ▲竜 △歩 △歩 △香
▲金 ▲成銀 △金 △桂
△香 ▲と △玉 △桂 △香
こーんな感じでした。△後手の木星の金が2筋で、▲先手のハム君の王様を踏みつけにしてるでしょ!
ハム君の持ち駒・・・▲角 ▲銀 ▲歩3枚
木星の持ち駒・・・△角 △桂 △香 △歩6枚
人「23492422勝」 対 ハム君「7610659勝」 の時でした。
しみじみしますよね。ここまで来たかという感慨と、人のほうが倍以上勝っているのに自分が負け続けていたというふがいなさを同時に感じました。
しかしこの一時の勝利は、空の彼方に儚く消えて行ったのです。
この一勝の後に、二度と平手ハム君に勝てなくなったのでした。(;´Д`)
それから長い長ぁ~い頭打ちの日々が続くことになったのです。11月7日~9日の間は二枚落ちハム君にさえ勝てなくなったのでした。
焦りからダンナーにも挑戦し続けましたが、ことごとく負けました。
どうしてもあの棒銀戦法の突き抜けた感覚が戻って来ません。攻めあぐねた末に墓穴を掘ることが多くなりました。
くじけそうになった時に新しくこのエッセイのファンになってくださったkeikatoさん達に励まされたのです。将棋が得意ではないのに応援してくださっている長岡更紗さんや銘尾友朗さんたちの顔?も浮かんできました。
こういう時には基本に帰れだっ。
自分が書いたこの将棋エッセイを読み直して、将棋仙人の教えをもう一度、身体に叩き込みました。そして詰将棋を頑張ったのです。
11月10日には二枚落ちハム君に58手で勝てるまでに、回復してきていました。
11日の土曜日には、お歳暮を買いに行って実家を訪ねたりしていたので、詰将棋しか出来ませんでした。
今日、12日の日曜日には二人目の孫の七五三なので朝から出かけていました。
そんな忙しい最中に「なんとかこの週末にダンナー戦を一回でもしておきたい!」という気持ちが常に頭の中にありました。
私の執拗な願いに根負けして、先程、ダンナーが対局を承知してくれました。
今日のダンナー戦では、中盤のダンナーのしつこい攻めを凌いで、終盤に入ってからは私の勝ちが見えている展開になりました。信じられない快挙です。
ここで一気に攻め込めばよかったのに、下手に慎重策を取ったのが悪かった。
逆に攻め込まれて負けてしまいました。(;´Д`A ```
♬勝つと思うな 思えば負けよ♪
昔の人は上手いことを言ったものです。
しかし今までやって来た日々の中で、初めてダンナー戦で手ごたえを感じたのです!
平手ハム君に負け続けていた時に、自分がやられて嫌な手だったものをダンナーに対して使ってみたら、意外と突破口が見えて来たのです。
「失敗から学ぶ」ということでしょうか。
最後の詰めろさえ出来れば、もしかしたら勝てるかもしれないと思った私は、泣きの一手で再戦を頼みました。
《最後のダンナー戦》
先手 木星 後手 ダンナー
1 ▲7八金 △3四歩 「まずは角を守るよ。」
あ、さっきと違って角道を開けてきた!
2 ▲2六歩 △3二金 「飛先の歩よ突撃せよっ!」
敵も金で守りに入ったね。
3 ▲2五歩 △8四歩 「行け行けぇ!」
順当に飛先の歩からだね。
4 ▲2四歩 △同歩 「歩を突いて取らせたよ。」
これは取るよね。
5 ▲同飛 △2三歩打 「お約束です。」
同じく。
6 ▲2八飛 △8五歩 「飛を下げるよ。」
向こうも棒銀だ。
7 ▲3八銀 △9四歩 「銀をあげるよ~。」
あれ?8六とこない。
8 ▲2七銀 △7二銀 「銀君スタンバイっす。」
やっぱり銀で来るのか?
9 ▲2六銀 △8三銀 「銀よ飛び立つのじゃ!」
敵も棒銀だ。
10 ▲2五銀 △4四角 「よし、ここまで来たぞ。」
腰かけ角?
11 ▲2四歩打 △2二銀 「銀の前を掃除しよう。」
ああこのために角を除けたのね。
12 ▲2三歩成 △同銀 「構わず突っ込め!」
それは取るよね。
13 ▲2四銀 △1二銀 「エイッ、銀へガチンコだ。」
なぬ?逃げるのか?!
14 ▲2三銀不成 △同銀 「本屋で立ち読みした手だっ。」
これタダで銀を取られた?
15 ▲7六歩 △8八角成 「角君~、ヘルプミー。」
きー、こういうとこはハム君と一緒だ。
16 ▲同銀 △8四銀 「もー、銀で取るよ。」
銀が上って来てる。(^_^;)
17 ▲1五角 △2四歩打 「くそっ、王手だ!」
歩で防がれたか。
18 ▲3六歩 △1四歩 「角の逃げ道を作っとこ。」
やっぱり角頭を突いてきたね。
19 ▲3七角 △5四角打 「角君避難~。」
角筋を変えてきたね。
20 ▲4八金 △8六歩 「前方を守らなきゃね。」
ぎえーーっ、なんて容赦ない。
21 ▲同歩 △7六角 「これは取っとくべきだね。」
嫌だー、角が来たよっ。
22 ▲8七銀 △7五銀 「角を止めなきゃ決死隊。」
銀で守るんだね。
23 ▲5五角 △8六銀 「こっちも反撃の狼煙をあげるぞ!」
げっ、嫌なとこ指すなぁ。
24 ▲7六銀 △8七歩打 「もう角を取っちゃえ。」
えー、しつこい手だなぁ。
25 ▲8五歩打 △8八歩成 「飛車が来ませんように。」
もー「と金」は嫌いよ。
26 ▲同金 △8七歩打 「排除だっ。」
しつこい男だね。
27 ▲7八金 △7七銀打 「逃げとこう。」
また銀が来た。何で取ろうか。
28 ▲同桂 △9五歩 「そういやぁ桂馬くんがいたよ。」
しまったの声が出たよ。(笑)
29 ▲1一角成 △3一金 「やったー!角が馬に成った。」
金が桂馬を守ろうとしてるね。
30 ▲2二歩打 △3二銀 「じゃあ歩で取ろう。」
そうか、二重に効かせるのか。
31 ▲2一歩成 △4二金 「でもいいもん。桂馬を取るよ。」
あれ?逃げるの?
32 ▲3一と △4一銀 「じゃあ銀を取りに行こう。」
あー、王様の守りか。
33 ▲2四飛 △9六歩 「飛車さんピコロコピー♪」
もー、また9筋なのぉ?
34 ▲同歩 △同香 「取るしかないのか。」
やっぱり香が来るよね。
35 ▲同香 △9五歩 「取るよ~、もうっ!」
また歩なのぉ?
36 ▲同香 △同銀 「香を捨てなきゃか。」
やっぱり取るよね。
37 ▲8七金 △9一香打 「それなら歩を取っとかなくちゃ。」
何でそこ?『あんた角を持ってるでしょ。』
38 ▲2二飛成 △9六銀 「もう、攻めて行こう!」
くっ、金取りと飛車が来るのか?
39 ▲4一と △同玉 「もう銀を取って王手だ!」
うーん、ここでは逃げないのね。
40 ▲3三桂 △5二玉 「もう一回王手だ!」
今度は逃げたか。
41 ▲4一銀打 △5一玉 「今度は銀で王手だ!」
この王様はしぶといねー。
42 ▲3一角打 △6二玉 「もう金を狙っちゃえ。」
やっと王様が逃げに入ったよ。
43 ▲4二角成 △7二玉 「金を取って、火を噴く馬に成ったよ。」
うーん、どうやって詰ませたらいいんだろう。
44 ▲5三馬 △6二金 「馬を除けて竜で王手!」
合駒を指されたよ。
45 ▲同竜 △8三玉 「ここを馬で取りそうになって竜に変えた。」
玉が遠くへ行かないようにしなくちゃ。
46 ▲8四金打 △9二玉 「金で王手だ!」
よし、だいぶ追い詰めたぞ。
47 ▲9三金打 △同桂 「金を捨てて王手!」
(* ̄▽ ̄)フフフッ♪桂馬で取って来たね。
48 ▲8一銀 △同玉 「そうかー、玉で取るのね。」
ええっと、馬の出番かな。
49 ▲6三馬 △9二玉 「ななめ王手!」
『もう詰んだぁ。』ここがあるじゃん。
50 ▲8三香打 『ふ~ん、香なんだー。』
ここに来て『負けました』を言わないダンナー。
『詰んだな。』で終わりました。(笑)
まぁしょうがないよね。泣きのもう一番だったし……
でも、勝ちは勝ちなのです!!
……………………終わった。
木星は天を仰ぎました。(本当は座敷の天井)
自分がまだまだの実力なのはわかっています。平手ハム君に常勝できるようになって始めて将棋初心者の一挑戦者となれるのでしょう。
でもここまでくるとダンナーに三回に一回は勝てるような気がします。
そして、なんとなく駒の動かし方を覚えられたような気がするのです。これが一か月ちょっと前には、駒がどこへ動くのかもおぼろげで、10枚落ちハム君に負けてた人なんですよ。
よくここまで来たものです。
これもひとえに応援してくださった諸先輩方と…………将棋仙人様のおかげです!
ありがとうございましたっ。
そうです、そう言えば秘密にしていましたよね。ありがたい教えをたくさん授けてくれた将棋仙人様の正体は?!
もう気づいている人もいるかな?
ダダダダダァーーーーン!!
「宗歩好み! ~最強美少女棋士 天野宗歩ができるまで~」を執筆中の
【藤之森ちょろり】師匠ですっ!!!
有段者の師匠が直接その時の状況に応じて、メールで丁寧に教えてくださいました。
何という贅沢な日々だったのでしょう。
師匠の教えを無駄にしないように、これからも日々精進してまいります。
今回ダンナーに勝てたのは、相手の飛車が飛び込んでこないように祈って打った苦し紛れの「9五歩」でした。
この「歩」が最後の王様への詰めを助けてくれたのです。
秋野はこの「歩」のように、これからも一歩一歩進んで行きたいと思っています。
エッセイはこれで終わりますが、秘密の特訓は続けていきます。またいつか皆さんと共に戦える日が来ることを祈って……
※ 読者の石川さんが、将棋ソフト用の棋譜を書いてくださいました。
表題:最後のダンナー戦
手合割:平手
先手:木星
後手:ダンナー
手数----指手---------消費時間--
1 7八金(69)
*「まずは角を守るよ。」
2 3四歩(33)
*あ、さっきと違って角道を開けてきた!
3 2六歩(27)
*「飛先の歩よ突撃せよっ!」
4 3二金(41)
*敵も金で守りに入ったね。
5 2五歩(26)
*「行け行けぇ!」
6 8四歩(83)
*順当に飛先の歩からだね。
7 2四歩(25)
*「歩を突いて取らせたよ。」
8 同 歩(23)
*これは取るよね。
9 同 飛(28)
*「お約束です。」
10 2三歩打
*同じく。
11 2八飛(24)
*「飛を下げるよ。」
12 8五歩(84)
*向こうも棒銀だ。
13 3八銀(39)
*「銀をあげるよ~。」
14 9四歩(93)
*あれ?8六とこない。
15 2七銀(38)
*「銀君スタンバイっす。」
16 7二銀(71)
*やっぱり銀で来るのか?
17 2六銀(27)
*「銀よ飛び立つのじゃ!」
18 8三銀(72)
*敵も棒銀だ。
19 2五銀(26)
*「よし、ここまで来たぞ。」
20 4四角(22)
*腰かけ角?
21 2四歩打
*「銀の前を掃除しよう。」
22 2二銀(31)
*ああこのために角を除けたのね。
23 2三歩成(24)
*「構わず突っ込め!」
24 同 銀(22)
*それは取るよね。
25 2四銀(25)
*「エイッ、銀へガチンコだ。」
26 1二銀(23)
*なぬ?逃げるのか?!
27 2三銀(24)
*「本屋で立ち読みした手だっ。」
28 同 銀(12)
*これタダで銀を取られた?
29 7六歩(77)
*「角君~、ヘルプミー。」
30 8八角成(44)
*きー、こういうとこはハム君と一緒だ。
31 同 銀(79)
*「もー、銀で取るよ。」
32 8四銀(83)
*銀が上って来てる。(^_^;)
33 1五角打
*「くそっ、王手だ!」
34 2四歩打
*歩で防がれたか。
35 3六歩(37)
*「角の逃げ道を作っとこ。」
36 1四歩(13)
*やっぱり角頭を突いてきたね。
37 3七角(15)
*「角君避難~。」
38 5四角打
*角筋を変えてきたね。
39 4八金(49)
*「前方を守らなきゃね。」
40 8六歩(85)
*ぎえーーっ、なんて容赦ない。
41 同 歩(87)
*「これは取っとくべきだね。」
42 7六角(54)
*嫌だー、角が来たよっ。
43 8七銀(88)
*「角を止めなきゃ決死隊。」
44 7五銀(84)
*銀で守るんだね。
45 5五角(37)
*「こっちも反撃の狼煙をあげるぞ!」
46 8六銀(75)
*げっ、嫌なとこ指すなぁ。
47 7六銀(87)
*「もう角を取っちゃえ。」
48 8七歩打
*えー、しつこい手だなぁ。
49 8五歩打
*「飛車が来ませんように。」
50 8八歩成(87)
*もー「と金」は嫌いよ。
51 同 金(78)
*「排除だっ。」
52 8七歩打
*しつこい男だね。
53 7八金(88)
*「逃げとこう。」
54 7七銀打
*また銀が来た。何で取ろうか。
55 同 桂(89)
*「そういやぁ桂馬くんがいたよ。」
56 9五歩(94)
*しまったの声が出たよ。(笑)
57 1一角成(55)
*「やったー!角が馬に成った。」
58 3一金(32)
*金が桂馬を守ろうとしてるね。
59 2二歩打
*「じゃあ歩で取ろう。」
60 3二銀(23)
*そうか、二重に効かせるのか。
61 2一歩成(22)
*「でもいいもん。桂馬を取るよ。」
62 4二金(31)
*あれ?逃げるの?
63 3一と(21)
*「じゃあ銀を取りに行こう。」
64 4一銀(32)
*あー、王様の守りか。
65 2四飛(28)
*「飛車さんピコロコピー♪」
66 9六歩(95)
*もー、また9筋なのぉ?
67 同 歩(97)
*「取るしかないのか。」
68 同 香(91)
*やっぱり香が来るよね。
69 同 香(99)
*「取るよ~、もうっ!」
70 9五歩打
*また歩なのぉ?
71 同 香(96)
*「香を捨てなきゃか。」
72 同 銀(86)
*やっぱり取るよね。
73 8七金(78)
*「それなら歩を取っとかなくちゃ。」
74 9一香打
*何でそこ?『あんた角を持ってるでしょ。』
75 2二飛成(24)
76 9六銀(95)
*くっ、金取りと飛車が来るのか?
77 4一と(31)
*もう銀を取って王手だ!」
78 同 玉(51)
*うーん、ここでは逃げないのね。
79 3三桂打
*「もう一回王手だ!」
80 5二玉(41)
*今度は逃げたか。
81 4一銀打
*「今度は銀で王手だ!」
82 5一玉(52)
*この王様はしぶといねー。
83 3一角打
*「もう金を狙っちゃえ。」
84 6二玉(51)
*やっと王様が逃げに入ったよ。
85 4二角成(31)
*「金を取って、火を噴く馬に成ったよ。」
86 7二玉(62)
*うーん、どうやって詰ませたらいいんだろう。
87 5三馬(42)
*「馬を除けて竜で王手!」
88 6二金(61)
*合駒を指されたよ。
89 同 龍(22)
*「ここを馬で取りそうになって竜に変えた。」
90 8三玉(72)
*玉が遠くへ行かないようにしなくちゃ。
91 8四金打
*「金で王手だ!」
92 9二玉(83)
*よし、だいぶ追い詰めたぞ。
93 9三金打
*「金を捨てて王手!」
94 同 桂(81)
*(* ̄▽ ̄)フフフッ♪桂馬で取って来た
95 8一銀打
*「そうかー、玉で取るのね。」
96 同 玉(92)
*ええっと、馬の出番かな。
97 6三馬(53)
*「ななめ王手!」
98 9二玉(81)
*『もう詰んだぁ。』ここがあるじゃん。
99 8三香打
*『ふ~ん、香なんだー。』
100 投了
まで99手で先手の勝ち
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
怪獣ディメチに喰われていくママさん
雪乃
エッセイ・ノンフィクション
これは私の母と私達家族に現実に起こっている日常。
『まさか私達の母親が認知症になるなんて!?』
受け入れられない想いと受け入れるしかない現実。
准看護師として多くの認知症の患者さんを看てきたというのに、自身の親となれば全く以って情けなく素直に受け入れられないもの。
また実際認知症に喰われていく母自身の葛藤。
不定期ですがそんな気持ちを綴っていきます。
短い文章ですが、その中に私達の色々な気持を織り込んでいきます。
突っ込みあり、笑いそして悔しさと悲しみ、病に喰われていく母への怒りにも似た葛藤と偶のデトックス閑話。
そしてこのお話の終わりは……考えたくないですね。
天空からのメッセージ vol.7 ~魂の旅路~
天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き そのために、親を選び そのために、命をいただき そのために、助けられて そのために、生かされ そのために、すべてに感謝し そのためを、全うする そのためは、すべて内側にある 天空からの情報を自我で歪めず 伝え続けます それがそのため
天空からのメッセージ vol.95 ~魂の旅路~
天空の愛
エッセイ・ノンフィクション
そのために、シナリオを描き
そのために、親を選び
そのために、命をいただき
そのために、助けられて
そのために、生かされ
そのために、すべてに感謝し
そのためを、全うする
そのためは、すべて内側にある
好きなモノのハナシ
根上真気
エッセイ・ノンフィクション
映画、アニメ、漫画、小説、ゲーム、その他諸々
著者自身が好きなモノのハナシをしていく予定です。
時には思い出バナシ的なものもしようかとも考えております。
途中から読んでいただいても全く問題ございませんので、ちょっとした一日の箸休めにご覧いただければ幸いです。
オリジナルエロ小説でお金を稼ぐ忘備録
どん丸
エッセイ・ノンフィクション
ノクターンノベルズに始まりpixiv、fantia、FANBOX、DLsite、FANZA、そしてアルファポリスでオリジナルエロ小説を書いて儲けはどんな感じかの忘備録。あくまでも忘備録でこうするといいよ!みたいな話ではありません。書いているのがエロ小説という都合上ちらっとエロ用語が入るのでR15にしています。月の売り上げが出るタイミングで更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる