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「私、この淫紋がある間に男の人に犯されちゃうと、その人の奴隷になっちゃうんです。だから、コレが消えるまで匿ってください……っ」
けれど、私の懇願にアレスガートは首を横に振った。
「これは淫紋の中でもかなり強力な呪いだ。時間の経過で消えるようなものじゃない。君が男に犯されるまで……精液を注がれるまで終わらない」
「そんな……!」
絶望。今の私の気持ちにそれ以外あるだろうか。
淫紋の浮かぶ場所が熱くて疼いて居ても立ってもいられない。
このまま一生、誰ともセックスしなければ私は相手に隷属しなくて済むかもしれないけど、そんなの無理だ。
欲しくて欲しくて。この熱をグチャグチャに掻き回して突いて欲しくて堪らない。
「っあ、助けて……っ、助けてくださいアレスガート様……!」
どうか、この熱を静めて。
「――――仕方ない。君を一度、俺に隷属させて、その上から呪詛をかけ直す。時間が有れば別の方法も取れたが、今は、それしかない」
「っは、あっ、それで、それで大丈夫です。あんな得体の知れない大男に犯されるくらいなら、アレスガート様が良いです……!」
隠し攻略対象アレスガート=リンドブルム。
攻略条件の難しい彼のルートは前世で一度しかプレイしたことがなかったけれど。
氷の彫刻のような怜悧な美貌とは裏腹に。
彼は一度自分の懐に入れた人間は全力で守る情に厚い人だ。
たとえ私が快く思われていないアヴィディータのとりまきでも、困っている生徒に無体な真似はしないだろう。
(それにアレスガート様ほどの人なら、一度抱いたとしてもエレナなんかに執着しないはず)
きっと淫紋の魔法を解呪したら、私のことなど忘れてくれるはずだ。
「だから、貴方の精液を私に注いでくださいアレスガート様……っ」
そう逞しい胸に縋りついた私はよほど発情した、いやらしい顔をしていたのだろう。
幾多の美女を見慣れているはずのアレスガートの喉がゴクリと上下した。高貴な彼は、私のあまりの浅ましさに動揺したのかもしれない。
「……これは、手放せなくなるかもな」
アレスガートがぼそりと何かを呟くけれど、クラクラする頭ではその言葉の意味がよく理解できない。
大きな手のひらに後頭部を引き寄せられ、アレスガートの氷の美貌が近づく。エレナとして生まれて初めてのキスは、最初から深く舌を絡ませる大人のキスだった。
けれど、私の懇願にアレスガートは首を横に振った。
「これは淫紋の中でもかなり強力な呪いだ。時間の経過で消えるようなものじゃない。君が男に犯されるまで……精液を注がれるまで終わらない」
「そんな……!」
絶望。今の私の気持ちにそれ以外あるだろうか。
淫紋の浮かぶ場所が熱くて疼いて居ても立ってもいられない。
このまま一生、誰ともセックスしなければ私は相手に隷属しなくて済むかもしれないけど、そんなの無理だ。
欲しくて欲しくて。この熱をグチャグチャに掻き回して突いて欲しくて堪らない。
「っあ、助けて……っ、助けてくださいアレスガート様……!」
どうか、この熱を静めて。
「――――仕方ない。君を一度、俺に隷属させて、その上から呪詛をかけ直す。時間が有れば別の方法も取れたが、今は、それしかない」
「っは、あっ、それで、それで大丈夫です。あんな得体の知れない大男に犯されるくらいなら、アレスガート様が良いです……!」
隠し攻略対象アレスガート=リンドブルム。
攻略条件の難しい彼のルートは前世で一度しかプレイしたことがなかったけれど。
氷の彫刻のような怜悧な美貌とは裏腹に。
彼は一度自分の懐に入れた人間は全力で守る情に厚い人だ。
たとえ私が快く思われていないアヴィディータのとりまきでも、困っている生徒に無体な真似はしないだろう。
(それにアレスガート様ほどの人なら、一度抱いたとしてもエレナなんかに執着しないはず)
きっと淫紋の魔法を解呪したら、私のことなど忘れてくれるはずだ。
「だから、貴方の精液を私に注いでくださいアレスガート様……っ」
そう逞しい胸に縋りついた私はよほど発情した、いやらしい顔をしていたのだろう。
幾多の美女を見慣れているはずのアレスガートの喉がゴクリと上下した。高貴な彼は、私のあまりの浅ましさに動揺したのかもしれない。
「……これは、手放せなくなるかもな」
アレスガートがぼそりと何かを呟くけれど、クラクラする頭ではその言葉の意味がよく理解できない。
大きな手のひらに後頭部を引き寄せられ、アレスガートの氷の美貌が近づく。エレナとして生まれて初めてのキスは、最初から深く舌を絡ませる大人のキスだった。
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