【R18】魔法少女は御曹司を許さない

茅野ガク

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二人は、ーー?

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「──って、だからってなんで、億ションあんたんちのデカいベッドの上に転移するのよ?!」

 5ヶ月前に地球に来た来日したレオンバルト。
 当時は時任のホテルに泊まっていたけれど、初対面以来ハニームーンの仕事現場に必ず現れるようになったコイツはいつの間にか都内の億ションを契約していた。
 ……宇宙人でも高級住宅って借りられるんだね?!

 私の部屋の倍は広いレオンバルトの寝室。そこに有るベッドは当然のごとくキングサイズで。ツルツルとした手触りの青いシーツが掛けられたベッドは188センチの奴と私が乗っても余裕の大きさだった。

「ハニー」
「やっ、ん」
「逃げないで」
「ん……!」

 高い鼻がぶつからないように顔を傾けたレオンバルトが私の唇をついばむ。
 
「にゃっ、や」

 唇。頬。耳。首筋。
 ちゅっ、ちゅっ、と口付ける場所を変えられて甘い疼きが広がっていく。
 そんな私の反応をもっと引き出そうと大きな手のひらがワンピースの上から胸に触れた。

「ふぁ、っ……ん、んっ」

 優しく。けれど服越しでも官能の火が灯るように。
 外側から徐々に中心へ。
 身長のわりに大きめな私の胸を右手で揉みながら。
 左手はいつの間にかスカートの中の太ももを撫でている。

「ハニー……」

 熱い吐息と甘い美声が鼓膜を震わせる。
 ああ、今日もこのまま流されて────

「──流されてたまるかぁぁぁぁぁぁぁっ?!」

 例え酒癖が悪くとも私は魔法少女。そう何度も恋人でもない男に抱かれるわけにはいかないのだ!

「ハニー、どうして」
 ギリギリと私に金髪を掴まれたレオンバルトが悲しげ(でも無表情)に呟く。

「ど・う・し・てだぁ?! あんた、なんで私に鬱陶しがられるか、その鍛えた細マッチョな胸筋によーく聞いてみなさいよ?!」
「胸筋……」

 素直に軍服の胸に手を当てたレオンバルトが首を傾げる。

「前回、ハニーの可愛い乳首を弄りすぎてハニーの敏感さがレベルアップしちゃったから?」
「……違うわよ」
「じゃあ、ハニーのクリトリスを俺がペロペロしすぎてハニーが何度もイッちゃって最後は失神しちゃった時のことを怒ってる?」
「……違うわよ」
「あっ、あれ? オモチャを使った時に──」
「──だあああああぁぁぁ?! 違うわよ! このままだと私が羞恥心で死ねるから言うけど! あんた! よくも処女だった私相手にゲル状の軟体生物ペットによるアナル触手責めなんてハードなプレイぶちかましてくれたわね?! それを怒ってんのよ! それを!!」

 そう。それなりにロマンチックな展開を夢見ていた私の、たった一度の初体験の時に、コイツはとんでもないプレイをぶちかましてきやがったのだ!

「あの時はまだ地球の作法がわからなくて。……でも今はハニーが嫌がるから触手は参加させてないじゃないか。それに……」
「それに何よ?!」
「ハニー、前と同時にお尻の穴いじられて気持ちよくて気持ちよくてお漏らししちゃったから本当はアナルプレイ嫌いじゃないと思──」
「ばかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?! あんたの、そーゆーデリカシーが無いところが嫌い、許せないって何度も言ってんでしょおがぁぁぁ?!」
「地球のルール難しい……」
「だからティエラ星自分の星に帰れっつーの!!」
「ハニーのいる星から離れたくない」

 不意に緑と青のオッドアイに真剣に射抜かれて。不覚にも胸が高鳴る。
 触手プレイレオンバルトのことを絶対に許さないと誓ったのに、それを裏切って心臓が大騒ぎだ。

 ──だって。実はレオンバルトは私の好きな洋画スターに雰囲気が似ていて、見た目がモロ私の好みド真ん中ストレートなんだもの。

「もう、君が嫌がることはしないから。お願いだからハニーに触れさせて」

 ティエラ星君のいない星にいる間、会いたくて触れたくて爆発しそうだったんだ。

「……おっぱい、しばらく擦れる度に大変だったんだからね」
「ごめん」
「気持ちイイのだって、何回もだとワケわかんなくなっちゃうし」
「ごめん」

 本当に反省しているのかいないのか。謝る間にもレオンバルトの手は不埒な動きを再開する。

「んっ……」

 フリルと刺繍が可愛くて気に入っている華ロリ風ハニームーンの衣装。
 本物の華ロリのワンピースがどうなっているかは知らないのだけど、着脱のしやすさ重視のハニームーンのワンピースは背中のファスナーを下ろせば脱げるようになっていた。

「にゃ」

 既にそれを知り尽くしているレオンバルトは私にキスをしながら迷いなくファスナーを下げてワンピースの中へ手を滑りませてくる。

「ハニー。ハニーのおっぱい見たいから、袖から腕抜いて」
「ん、ん、っ」

 ピチャピチャと舌を絡ませ合いながら言われた通りに腕を抜く。
 上はストラップレスのブラジャーで、下はワンピースのスカート部分を着たまま。
 そんな中途半端な姿の私をレオンバルトは嬉しそうに攻略する。

「ぁっん!」
「気持ち良い? ハニー、ブラジャーの上から乳首カリカリするだけで濡れてきちゃうもんね」
「にゃ、や、もっと……」
「もっと?」
「ちゃんと、触って」
「もちろん」

 私の願い通りにレオンバルトの長い指がブラジャーをずり下げて胸の頂を直に捏ねてくれる。きゅっきゅっとしごかれると、まだ触られていない下腹部までがジンと熱くなった。

「こっちも触ってあげるね」
「んっぁ、あ、ん……!」

 下着のクロッチをずらして触られたソコから恥ずかしいくらいの水音が聞こえる。

「クチュクチュって音させて、可愛い……」
「そんなこと、言わないでぇ……っ」
「俺のも触って」
「んっ」

 導かれて、熱く硬くなったレオンバルトの雄を握り手を上下に動かす。
 ソレを太ももの内側に擦り付けられると期待で更に蜜が溢れた。

「ハニー、もう挿れて良い? それとも一回イッてからにする?」
「ぁ、ん……っ、もぉ、来て。来て、グチャグチャってして……!」
「君が望むなら」

  びちゃびちゃになってしまった下着を放り投げて性急に腰を押し付けられる。
 私はまだ半分ワンピースを着たままで。レオンバルトだってまだほとんど服を着たままで。
 でも、もう脱いでいる時間すらもどかしかった。
 早く、レオンバルトを受け入れたかった。

「ぁ、あ、あ──!」

 長く太い楔にとろけきった隘路を掻き回されて、あっという間に快楽の高みへ押し上げられる。

「気持ちいい、気持ちいいよぉ……!」

 目の前と頭の中が真っ白になる感覚に身を任せながら、その後もレオンバルトを求め続けた。



*



「──って、だからってあんた調子に乗ってガツガツガツガツ! まさか、翌朝通り越して昼になってもベッドから出られないなんて思ってなかったんですけど?!」
「ハニーが可愛くて、つい」
「私、何度も途中で無理だって言ったわよね?!」
「ハニーが可愛くて、つい」
「それにこの恐ろしいほどのキスマークの数っ! これじゃあハニームーンの衣装が着れないじゃない!」
「ハニーが可愛くて、つい」

 私が何を言ってもバグった機械みたいに同じ事を繰り返すレオンバルト。
 こんなに文句をぶつけられているに、奴の瞳はまるでじゃれついてくる子猫を見る甘さだった。


「~~! やっぱり、絶対、あんたのこと、許さないんだからねっっ!!」


 そしてまた、魔法少女と御曹司の鬼ごっこみたいな関係は変わらないのだ。


fin

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