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「あぁシスカ……! お前には本当に申し訳ないことをした。やはりあの時にマグルとの婚約など断っておけばお前がこんな目にあうことなどなかったのに」

「シスカ、わたくしの可愛い娘。抱き締めさせてちょうだい……!」

「お、お父様、お母様落ち着いて……! 大丈夫、私なら大丈夫だから……!」

 部屋に駆け込んでくるなりギュウギュウと自分を抱き締め始めた両親を宥めながら、シスカは自分の心が意外にもそこまで傷ついていないことに気づく。

(確かに、モネーダ家との付き合いが今後どうなるかは不安だけど……。マグルが私と婚約を解消したがったことには私、悲しいと思ってない)

「2人とも私の所まで来てしまって、お客様たちはどうしたの? マグルやモネーダ夫妻は?」

「お客様たちにはお帰りいただいたわ。状況が状況だし、皆様納得してくださった。後でお詫びの手紙も送るつもりよ」

マグルの父ムバルは激怒してマグルと、マグルの側にいた女を連れて帰ったよ。モネーダ家とはまた改めて今後のことを話し合うが、きっとこのまま婚約は解消になるだろう。……いや、私がもうマグルを許さないつもりだ。あんな男と、お前を結婚させられるわけがない」

「でも、そうなったら今後の援助や、ムバルさんが払ってくれた借金はどうなるの?」



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