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これがオレの登校と出逢い
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オレと心が通学路を歩いていると、男子からの視線が気になる……。それほど心は美人なのだ。
大きな敷地を持つ学園の校門が見え始めた頃、前方に小柄な少女が見えた。
長い髪をポニーテールにした、いかにも快活そうな女の子だ。
―――いや、オレも背は低いけど……。悠那より背が低いように見える。
そんな少女がこっちを見てる……。すると、おもむろにこっちに来て声をかけてきた。
「あの~増井鈴規くんだよね? うは~やっと会えた♪」
えっ!? なんでこの娘はオレの名前を知っているんだ? 剣道部にいたとかか?
大会だと大量の人に会うことになるし……。オレ、かなり終盤まで試合してるし、優勝だってしてるから名が広まってたりして……。実際に香林の剣神として有名だし……。聞いた方が早いな。
「君、オレとどこかで会ったことある?」
この発言に驚いたのは、心だった。なんで心が驚いてんだ?
「えっ!?鈴規、この娘のことを覚えていないの? よく思い出しなよぉ!」
んー、見たことあるか? どうだったかな?
一瞬、逆ナンかと思っちまったや……。んなはずないのに……。
ってあれ!? まさか! オレの中にある閃きが訪れた。
「事故から助けた娘か!?」
オレが思わず大きな声を上げると、
「思い出してもらえた? なら嬉しいな♪」
答えたのは、心じゃなくてオレの目の前にいる少女本人だった。
「危ない!!」
三年生の秋だった……。
練習試合で行っていた広垣第二中学校からの帰り道。
オレは、信号無視で横断歩道に突っ込んできたバイクに轢かれそうだった女の子を事故から助けた……。
その後すぐに病院に入院したらしく、その助けた娘をあまり見ていなかったのだ。
てっきり小学生かとおもっていた……。いや、今考えれば制服を着ていたかも……。
ちなみに心はお見舞いの時に見かけていたらしく、穂守に入学することも知っていたようだ。
さて、あらためて目の前の少女を見ると、
「改めてまして、ウチ神楽坂海空っていいます。海空って呼んでね♪」
海空は自己紹介の後にウインクをした。
それがとっても"さま"になっていてつい、こんなにウインクの似合う女の子がいるんだなぁ……なんて思ったりもした。
「ねぇ海空、クラスは何組なの?」
心が訊くと、D組だよと、返ってきた。ということは、A組のオレ達とは違うクラスになる。
「まぁとにかくヨロシク♪」
くるりと一度ターンをした海空からは、ふわりとスイーツに近い甘い香りがした。そんでもって、オレたちは三人で穂守の大きな校門をくぐった。新しい高校生活、良いスタートな気がする。
大きな敷地を持つ学園の校門が見え始めた頃、前方に小柄な少女が見えた。
長い髪をポニーテールにした、いかにも快活そうな女の子だ。
―――いや、オレも背は低いけど……。悠那より背が低いように見える。
そんな少女がこっちを見てる……。すると、おもむろにこっちに来て声をかけてきた。
「あの~増井鈴規くんだよね? うは~やっと会えた♪」
えっ!? なんでこの娘はオレの名前を知っているんだ? 剣道部にいたとかか?
大会だと大量の人に会うことになるし……。オレ、かなり終盤まで試合してるし、優勝だってしてるから名が広まってたりして……。実際に香林の剣神として有名だし……。聞いた方が早いな。
「君、オレとどこかで会ったことある?」
この発言に驚いたのは、心だった。なんで心が驚いてんだ?
「えっ!?鈴規、この娘のことを覚えていないの? よく思い出しなよぉ!」
んー、見たことあるか? どうだったかな?
一瞬、逆ナンかと思っちまったや……。んなはずないのに……。
ってあれ!? まさか! オレの中にある閃きが訪れた。
「事故から助けた娘か!?」
オレが思わず大きな声を上げると、
「思い出してもらえた? なら嬉しいな♪」
答えたのは、心じゃなくてオレの目の前にいる少女本人だった。
「危ない!!」
三年生の秋だった……。
練習試合で行っていた広垣第二中学校からの帰り道。
オレは、信号無視で横断歩道に突っ込んできたバイクに轢かれそうだった女の子を事故から助けた……。
その後すぐに病院に入院したらしく、その助けた娘をあまり見ていなかったのだ。
てっきり小学生かとおもっていた……。いや、今考えれば制服を着ていたかも……。
ちなみに心はお見舞いの時に見かけていたらしく、穂守に入学することも知っていたようだ。
さて、あらためて目の前の少女を見ると、
「改めてまして、ウチ神楽坂海空っていいます。海空って呼んでね♪」
海空は自己紹介の後にウインクをした。
それがとっても"さま"になっていてつい、こんなにウインクの似合う女の子がいるんだなぁ……なんて思ったりもした。
「ねぇ海空、クラスは何組なの?」
心が訊くと、D組だよと、返ってきた。ということは、A組のオレ達とは違うクラスになる。
「まぁとにかくヨロシク♪」
くるりと一度ターンをした海空からは、ふわりとスイーツに近い甘い香りがした。そんでもって、オレたちは三人で穂守の大きな校門をくぐった。新しい高校生活、良いスタートな気がする。
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